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第四章
閑話 瀬名律子と二人の子ども
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※このお話は瀬名律子視点のお話となります。
十数年ぶりに会った甥は妹にそっくりな顔をしていた。
一瞬、大好きだった妹が目の前に現れたのだと錯覚するくらい、弓月の容姿はあの子によく似ていた。
息子である律樹の家を出てすぐ、私は深く息を吐きながら助手席に腰掛けた。隣の運転席には次女の立花が同じように腰掛けている。
背もたれを僅かに倒し、凭れ掛かるようにして全体重を預ける。静かに目を閉じると同時に身体に伝わってきた振動で車が動き出したのがわかった。
隣からくすりと笑う声が耳に届き、私は瞼を開いて視線を隣へと移した。
「ね、私の言った通りだったでしょう?」
「……そうね」
確かに六花の言っていた通りだった。
弓月の状態も律樹の様子も、六花から事前に聞いていたままだった。けれど、だからと言って行かなくてよかったなんて思わない。だっていくら自分の娘から聞いたとはいえ、他人から聞いた情報を鵜呑みにするよりも、自分の目で二人の様子を確かめることに意味があるのだと私は思っているから。
私がそういう考えの持ち主だとわかっているからか、六花は眉尻を下げながら困ったように笑うだけで咎めては来ない。
私には三人の子どもがいる。
上二人が女の子で一番下が男の子の三姉弟だ。
長女の法子は既に結婚をしていてとっくに家を出ており、今では二児の母をしている。
今隣で運転をしているのは次女の六花。六花は大学卒業とともに家を出たけれど結婚はしていない。何人かお付き合いしたことがあるようだが、そのどれもが婚約まで行くことなく短期間でお別れをしたという。まあ親としては幸せに楽しく生きてくれているのなら、正直結婚なんてしてもしなくても良いと思っているのだが、今の彼女にそれを伝える気はない。
そして末っ子の律樹は、夫である柊一さんのご両親が介護施設に移ったことをきっかけに家を貰い――親戚連中に体良く押し付けられたともいう――今は従弟の弓月と一緒にそこで暮らしている。今回私と六花が訪れたのは、そんな末っ子である律樹の家だった。
「でもまさか、律樹が母さんにあんな宣言をするなんて……よっぽど離れたくないのね」
まあ、それはそうだろうなと思う。
もし私が律樹の立場であれば同じようになるだろう。
「あんなにも想いあえる人がいるなんて、ちょっと羨ましいわ」
「……そうね」
私にはもう柊一さんという素敵な夫がいるけれど、立花が言うようにお互いを大切に思い合いながらそっと寄り添う二人を見ているとたまらなく羨ましい気持ちが湧いてきた。それこそ早く自分の愛する人に会いたいと思うくらいには。
律樹は幼い頃から真面目で優しい子だった。特に弓月と会ってからはその優しさに拍車が掛かり、さらには自分から進んで弓月の世話をするようになっていた。初めは末っ子だから小さな子が珍しいのかなとか年上振りたいのかとも思っていたが、弓月の兄である総一郎には目もくれず、ただ弓月だけを見ていた。
側から見ていれば律樹が弓月に好意を抱いていることなんて丸分かりで、私を含めた家族はみんな温かい目で見守っていたものだ。もしかするとあれは律樹にとっての初恋だったのかもしれない。
だからこそ妹の規子や弓月たちと連絡が取れなくなった時、律樹は荒れに荒れた。しかし私も私であの頃は色んなことが同時に起こったから、自分の息子である律樹を心配する余裕なんてなかった。
今から思えばもっと寄り添ってあげていればよかったと思う。
母親なのに、私は自分の親兄弟を優先してしまったのだ。
あれから十数年、漸く見つけた弓月は酷い様子だったと言う。私は直接見たわけではないけれど、それでもあの日の律樹の声は今でも鮮明に思い出せる。
「弓月くんと二人で話している時にね、私聞いたの。律樹のことは好き?って。そうしたらすごく綺麗な笑顔で頷いたのよ」
「そう……なのね」
律樹に伝えていたら泣いて喜んだかしら、なんてくすくすと笑う六花に小さく「そうね」と返す。けれど心の中では、きっと律樹は「知ってる」と言って笑っただろうなとも思った。
「私、あまり規子さんのことを知らないんだけど、弓月くんと規子さんってよく似ているの?」
「……ええ、よく似ているわ」
そう答えた後、私は唇を引き結んだ。
よく似ているなんてものじゃない。私も最初驚いたほどに、彼らは瓜二つだった。性別の違いはあれど、ここまで似るのかと思うくらい二人は似ている。弓月が幼い頃は似ているなと思うことは良くあったが、成長後はさらにその上をいっていた。特に髪を切る前だ。退院後に律樹に頼み込んで送ってもらった弓月の写真を見た時、規子がそこにいると錯覚してしまったほどである。
弓月が女性的であるというわけではない。規子は姉の私が言うのも何だが美人だった。だが美人ではあったけれど女性らしい女性というわけではなく、中世的な綺麗さと雰囲気を持つ不思議な女の子だった。肩よりも長ければ女の子だとすぐにわかるが、髪が短かった時は服装によっては間違えそうになることもあった。
けれどいくら似ているからと言って、弓月のことを女の子だとは思ったことは最初に会った時以外はない。成長後もかなり華奢な体つきをしているとはいえ男の子だ。女の子よりも骨格はしっかりしているから、完璧な女装さえしていなければきっと間違うことはないだろう。
「母さんから見て、弓月くんはどうだった?」
「そうねぇ……成長したなぁとは思うわ。でも声が出ないというだけで、あの頃と何も変わらない」
弓月は昔から素直で優しくて、大人しい子どもだった。今もそれは変わらないのだろうなと思ったことを素直に口にすると、立花がそれはもう大きくて深い溜息を吐き出した。
「はぁ……私は母さんの言っている意味を正しく理解しているけれど、今言ったことを本人たちを前にして言っちゃだめよ」
「……気をつけるわ」
どうやらまた言葉の選び方を間違ってしまったらしい。いつも律樹と顔を合わせれば喧嘩になってしまうのは私のこの癖のせいだとわかっているけれど、中々治らない。教えてくれてありがとうと眉尻を下げながら笑うと、六花はふふっと楽しそうに笑った。
「あーあ……私も早く結婚したいなぁ」
「あら? まだ結婚はいいかななんて言っていたのは誰だったかしら?」
「だってあんな二人の姿を見たらやっぱり羨ましくなっちゃって……はぁ……いいなぁ」
さっきまでの雰囲気は一気に霧散し、穏やかな空気が車内に流れ出す。私は赤信号で車が止まるのを待ち、六花の大きくなった肩をとんと叩いた。
「ふふっ……そのうち見つかるわよ」
そう言って笑えば、困ったような笑顔が返ってきた。
多分あの子達のような関係性は中々に珍しいことだろう。それでも私は自分の子どもたちの幸せを願いながらくすりと笑った。
十数年ぶりに会った甥は妹にそっくりな顔をしていた。
一瞬、大好きだった妹が目の前に現れたのだと錯覚するくらい、弓月の容姿はあの子によく似ていた。
息子である律樹の家を出てすぐ、私は深く息を吐きながら助手席に腰掛けた。隣の運転席には次女の立花が同じように腰掛けている。
背もたれを僅かに倒し、凭れ掛かるようにして全体重を預ける。静かに目を閉じると同時に身体に伝わってきた振動で車が動き出したのがわかった。
隣からくすりと笑う声が耳に届き、私は瞼を開いて視線を隣へと移した。
「ね、私の言った通りだったでしょう?」
「……そうね」
確かに六花の言っていた通りだった。
弓月の状態も律樹の様子も、六花から事前に聞いていたままだった。けれど、だからと言って行かなくてよかったなんて思わない。だっていくら自分の娘から聞いたとはいえ、他人から聞いた情報を鵜呑みにするよりも、自分の目で二人の様子を確かめることに意味があるのだと私は思っているから。
私がそういう考えの持ち主だとわかっているからか、六花は眉尻を下げながら困ったように笑うだけで咎めては来ない。
私には三人の子どもがいる。
上二人が女の子で一番下が男の子の三姉弟だ。
長女の法子は既に結婚をしていてとっくに家を出ており、今では二児の母をしている。
今隣で運転をしているのは次女の六花。六花は大学卒業とともに家を出たけれど結婚はしていない。何人かお付き合いしたことがあるようだが、そのどれもが婚約まで行くことなく短期間でお別れをしたという。まあ親としては幸せに楽しく生きてくれているのなら、正直結婚なんてしてもしなくても良いと思っているのだが、今の彼女にそれを伝える気はない。
そして末っ子の律樹は、夫である柊一さんのご両親が介護施設に移ったことをきっかけに家を貰い――親戚連中に体良く押し付けられたともいう――今は従弟の弓月と一緒にそこで暮らしている。今回私と六花が訪れたのは、そんな末っ子である律樹の家だった。
「でもまさか、律樹が母さんにあんな宣言をするなんて……よっぽど離れたくないのね」
まあ、それはそうだろうなと思う。
もし私が律樹の立場であれば同じようになるだろう。
「あんなにも想いあえる人がいるなんて、ちょっと羨ましいわ」
「……そうね」
私にはもう柊一さんという素敵な夫がいるけれど、立花が言うようにお互いを大切に思い合いながらそっと寄り添う二人を見ているとたまらなく羨ましい気持ちが湧いてきた。それこそ早く自分の愛する人に会いたいと思うくらいには。
律樹は幼い頃から真面目で優しい子だった。特に弓月と会ってからはその優しさに拍車が掛かり、さらには自分から進んで弓月の世話をするようになっていた。初めは末っ子だから小さな子が珍しいのかなとか年上振りたいのかとも思っていたが、弓月の兄である総一郎には目もくれず、ただ弓月だけを見ていた。
側から見ていれば律樹が弓月に好意を抱いていることなんて丸分かりで、私を含めた家族はみんな温かい目で見守っていたものだ。もしかするとあれは律樹にとっての初恋だったのかもしれない。
だからこそ妹の規子や弓月たちと連絡が取れなくなった時、律樹は荒れに荒れた。しかし私も私であの頃は色んなことが同時に起こったから、自分の息子である律樹を心配する余裕なんてなかった。
今から思えばもっと寄り添ってあげていればよかったと思う。
母親なのに、私は自分の親兄弟を優先してしまったのだ。
あれから十数年、漸く見つけた弓月は酷い様子だったと言う。私は直接見たわけではないけれど、それでもあの日の律樹の声は今でも鮮明に思い出せる。
「弓月くんと二人で話している時にね、私聞いたの。律樹のことは好き?って。そうしたらすごく綺麗な笑顔で頷いたのよ」
「そう……なのね」
律樹に伝えていたら泣いて喜んだかしら、なんてくすくすと笑う六花に小さく「そうね」と返す。けれど心の中では、きっと律樹は「知ってる」と言って笑っただろうなとも思った。
「私、あまり規子さんのことを知らないんだけど、弓月くんと規子さんってよく似ているの?」
「……ええ、よく似ているわ」
そう答えた後、私は唇を引き結んだ。
よく似ているなんてものじゃない。私も最初驚いたほどに、彼らは瓜二つだった。性別の違いはあれど、ここまで似るのかと思うくらい二人は似ている。弓月が幼い頃は似ているなと思うことは良くあったが、成長後はさらにその上をいっていた。特に髪を切る前だ。退院後に律樹に頼み込んで送ってもらった弓月の写真を見た時、規子がそこにいると錯覚してしまったほどである。
弓月が女性的であるというわけではない。規子は姉の私が言うのも何だが美人だった。だが美人ではあったけれど女性らしい女性というわけではなく、中世的な綺麗さと雰囲気を持つ不思議な女の子だった。肩よりも長ければ女の子だとすぐにわかるが、髪が短かった時は服装によっては間違えそうになることもあった。
けれどいくら似ているからと言って、弓月のことを女の子だとは思ったことは最初に会った時以外はない。成長後もかなり華奢な体つきをしているとはいえ男の子だ。女の子よりも骨格はしっかりしているから、完璧な女装さえしていなければきっと間違うことはないだろう。
「母さんから見て、弓月くんはどうだった?」
「そうねぇ……成長したなぁとは思うわ。でも声が出ないというだけで、あの頃と何も変わらない」
弓月は昔から素直で優しくて、大人しい子どもだった。今もそれは変わらないのだろうなと思ったことを素直に口にすると、立花がそれはもう大きくて深い溜息を吐き出した。
「はぁ……私は母さんの言っている意味を正しく理解しているけれど、今言ったことを本人たちを前にして言っちゃだめよ」
「……気をつけるわ」
どうやらまた言葉の選び方を間違ってしまったらしい。いつも律樹と顔を合わせれば喧嘩になってしまうのは私のこの癖のせいだとわかっているけれど、中々治らない。教えてくれてありがとうと眉尻を下げながら笑うと、六花はふふっと楽しそうに笑った。
「あーあ……私も早く結婚したいなぁ」
「あら? まだ結婚はいいかななんて言っていたのは誰だったかしら?」
「だってあんな二人の姿を見たらやっぱり羨ましくなっちゃって……はぁ……いいなぁ」
さっきまでの雰囲気は一気に霧散し、穏やかな空気が車内に流れ出す。私は赤信号で車が止まるのを待ち、六花の大きくなった肩をとんと叩いた。
「ふふっ……そのうち見つかるわよ」
そう言って笑えば、困ったような笑顔が返ってきた。
多分あの子達のような関係性は中々に珍しいことだろう。それでも私は自分の子どもたちの幸せを願いながらくすりと笑った。
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