僕とオオカミどものシェアハウス

もこ

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教育実習一週目

11

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「ユウさんって運転できたんですね。」
 僕はユウさんが運転する黒のオフロード車の助手席に収まっていた。ゴツくてとても古い車だけど、ピカピカに磨き上げられていて、大切に乗っていることが分かる。ユウさんには似合わな過ぎて笑えるけど、新たな一面発見だ。

「当たり前だろ? 20歳の時に免許を取ったよ。カズはまだ?」
「ええ。これまではバイトに精を出していたので。この車、ワイルドでカッコいいですね。」
 僕も採用試験が終わったら、自動車の免許を取ろうと思っていた。お金はかかるけど、今まで貯めていたバイト代でどうにでもなる。仕送りもしてもらっているし。貯金にはほとんど手をつけていなかった。

「借り物だよ。期間限定で貸してもらってる。黒だし汚れが目立つだろ? 手入れが大変なんだ。」
 近所の駐車場に止めてあるこの車を見た時にはビックリした。シェアハウスには駐車場はなかったからだろうけど、3人は会社にこれで通っていたんだ。

「後からリュウさんやトモさんを迎えに行くんですか?」
「えっ? まさか。あの2人はもう一台の方で一緒に帰ってくるはずだ。駐車場の隣、1つ空いてただろ?」
 言われてみればそうだった。もう一台はどんな車なんだろう?

「もう一台もランクル?」
「ははっ! いや軽自動車。ま、あの車は中は比較的広いけど、リョウ専門だな。トモと俺は大抵こっち。」
「そうなんですか。」

 この車はトモのイメージに合うかもしれない。ユウは、どんな車が似合う? 僕が車を運転するようになったら、どんな車がいいかな?

 楽しく想像を広げているうちに、スーパーに着いた。ここの近所でよく見かける大型のスーパーだ。誰かと買い物をするなんて久しぶり。何となくワクワクする気持ちを抑えられなかった。



「買いましたね……。」
 1時間後、レジに並びながら僕は後悔していた。2人でそれぞれカートに2つずつ買い物カゴを設置し、合計4つのカゴに山盛りになるまで詰め込んだ。どうやって車まで運ぶんだ?

「だいたい1週間分だからね。」
 ユウは時々メモに目を通しながら買い物をしていた。トモやリョウの希望があるに違いない。いつも冷蔵庫に入っているペットボトルのお茶も半ダース分買った。ありがたい。ジュースやお酒は飲みたい人が自分で買ってくるルールだ。

「食費、1人2万円で足りるんですか?」
「大丈夫。4人家族で食費に月8万は多い方だろ。お菓子やジュースなんかは自分たちで買ってるんだし。」

 ルールを決めた時、1ヶ月分の食費はそれぞれが2万円ずつ出すことを決めていた。これで朝晩の食事が賄えるなら安い方かもしれない。

「帰りに外の自販機でアイスを買って食べような。」
 ユウに王子様スマイルで話しかけられ、入り口付近のずらりと並んだ自販機を思い出しながら、僕も思わず笑顔になった。

 
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