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第7話 クラウドワールドゾーン破壊するべき? 破壊しないべき?
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冒険者ギルドの拠点となるシルクハード街にファストトラベルで戻ってきた。
街は騒然としており、ほぼパニックになっていた。
俺とテルシアは慌てて冒険者ギルドの中に入るも、冒険者ギルドの中は冒険者と依頼者で騒々しくなっていた。
受付嬢のベネット嬢を見つけ出すと、手を上げる。
ベネットさんは驚いた瞳でこちらを見て手招きしてくれた。
緊急事態の為に個室に案内される俺とテルシア。
「確か、あなた達は唯一リファル村にゴブリン討伐のクエストを受けに行きましたよね、リファル村で、いやリファル共和国で何が起きているんですか?」
「ごめん、たぶん、俺達のせいなんだ。事情を説明させてくれ」
その後、俺はゴブリン討伐やらゴブリンジェネラルやらゴブリンキング3体を討伐した事を説明した。
その後に雲の存在、クラウドワールドのゾーンについて説明していき、あそこで捕らわれているとされるクヴァリスタンについての説明、無数のドアの向こうからモンスターが現れ、さらに倒すと死体がなくなる現象についても説明し、物凄い宝が手に入る事も説明していく。
「信じられません」
最後の極めつけは。
「クラウドワールドゾーンは各地域事に存在し、地域ごとのクラウドワールドゾーンの雲を全て破壊すると、その地域が元の姿に作り替えられるらしい」
「それは、つまりリファル村の元の姿とはモンスターと共存する共和国と言う事ですか?」
「そうだ。それしか考えられない」
「今、リンガストン王国がリファル共和国に属国になるように使者を送りました」
「あいつらバカだな、返り討ちだぞ」
「それは」
「考えてもみろ、リファル共和国はモンスターと共存している。そのモンスターがゴブリンやスライムやバードだけじゃないのは簡単に推測できる」
「それだと、不味いじゃないですか」
ベネット受付嬢が真っ青になっていくと。
外が騒がしくなる。
個室の扉が突如開かれて、入ってきたのはなんとギルドマスターであった。
見た目はやさぐれたおっさんなのだが、目が鋭く、腰には剣が帯剣されていた。
「まずい事になったよベネットちゃん、使者が皆殺しにされた。1人だけ連絡役で生きてたんだがモンスターがさ、もうさ、魔王軍かってくらいのレベルらしいけど魔王軍じゃないんだって、リーダーは人間の少女だってさ、お、客人か」
「ギルドマスターそれの原因をつくったのはこの人達です。席についてください」
「お、おう、いやに怖いなベネットちゃん」
ギルドマスターにも事の事情を説明していく。
俺は頭の中でリンガストン王国のやり方について思い出す。
圧倒的な強さを誇るリンガストン王国は無理にでも他国を属国化させる。
出来なかったら放置だが、侵略される事を考えて圧倒的な防御を誇り城壁がある。
だからふんぞり返っているのだ。
だがそれは無理だろう。
シルクハード街もリンガストン王国の一部ではある。
「という事なんです。ギルドマスター」
「ほう、それはシャーツ町長に連絡だな、ちょっと一走りしてくるわ」
「早くしてくださいよ」
「お、おう」
ギルドマスターは外に向かてどたどたと走り出した。
「今後は雲を破壊するのはやめてくださいよ」
「それが無理なんだよ」
「へ?」
「雲は突然現れ、巻き込んでくる。そして破壊しないと脱出できない」
「そ、それは」
「それでも破壊するなと言うならたぶん俺とテルシアを殺すしかない」
「……」
しばらくの沈黙が続いていると。
「いや、破壊していいのう」
1人の老人が入ってきた。
隣にはギルドマスターがいた。
どんだけ早いスピードで走ったのだろうかとぎょっとするが。
「そうじゃ、クヴァリスタンは元気じゃったかのう?」
「知り合いなんですか?」
「一緒に沢山の敵を倒してきた旧友じゃて」
「なぜ、クヴァリスタンはあそこに捕らわれて」
「まぁ、色々あるのじゃよ、さて、お主は雲を破壊しまくれ、いや今はクラウドワールドゾーンだがのう」
「良いんですか?」
「そうじゃのう、もうこの世界も混乱にまみれて、冒険者のクエストどころではないかもしれん、それでもクエストはあるが、それより雲を破壊する事のほうが金になるぞ、ふぉふぉふぉ」
「世界が作り替えられても?」
「世界は元に戻るだけじゃ、魔王によって変えられたのなら、1人の男とその仲間達に元に戻させるのが道理じゃ」
「仲間ってえへへうち1人だけですが」
「テルシアよそなたもその一人他にも仲間が増えていく」
「所でお主のジョブはあれだな」
「なんですか?」
「ランダムジョブって聞いた事ないんだが」
「そりゃそうですよね」
「うーむ、それは運任せの危険なジョブか、お前がなぜクラウドワールドを知覚できるのかが謎なのじゃよ、血筋については?」
「両親は殺されたよ、父がセルス、母がリンダー」
「はっはっはっは、そう来たか、ギャンブラーを両親に持つお主よ」
「あの2人はギャンブラーだったんかい」
「どうやらお前は全て運でクラウドワールドを見ているようじゃ、そうじゃのう、ランダムジョブか、ふぉふぉふぉ、運に勝つんだな、いや英知か、すまんギャンブラーは関係なかった」
「話を盛っていきなり突き落とすんかい」
「お主英知を持っておるな」
「はいはい」
「その英知は大事にせよ、あまり発現しないし、それが原因じゃろうまぁ基本分からんが、あとギルドマスター君、ベネット嬢にこやつのサポートをさえるように」
「了解であります。シャーツ町長」
「それにしても、お腹が減ったのう、そろそろか」
人々の悲鳴が轟いた。
地面に地震のような轟きが響き渡り。
「この国はリファル共和国に落とされるじゃろう、リンガストン王国は痛い目見るべきじゃ、わし達は山に逃げるとして、お主等はどうする?」
「どうするって、多くの人達が」
「それなら安心しろ全員わしが逃がしておく、じゃから、お主は冒険し色々なものを見て、マネーを稼ぎ、強くなれ」
「はぁ」
「じゃあのう、カルクよかるーくいっちょやってこい、ギルドマスター君、冒険者達の避難を、王様のリファル共和国の討伐命令は無視してくれ」
「御意です」
俺とテルシアとベネット受付嬢だけになると。
「てか私はどうすればいいのよ」
「まぁ、一緒にくるか?」
「いくしかないでしょ、サポート任されてるし、ジョブが秘書だからそういう事しか力になれないけどね」
「大丈夫だ、俺もテルシアもバカだから助かる」
「うちはバカじゃないですから、ご安心を」
外では兵士達がモンスターと殺し合いをしている。
かつて両親はモンスターに殺された。
そしてこの国もモンスターによって滅ぼされる。
だが、この国は力任せでふんぞり返った天罰を食らう。
それもリファル共和国にいるであろう王様の少女によって。
「じゃあ、外でてファストトラベルだ」
どこにファストトラベルすべきか、考え、その結果。実家に戻る事にした。
今はただの廃墟となっている実家。
3人の体は飛翔した。次の瞬間着地した。
街は騒然としており、ほぼパニックになっていた。
俺とテルシアは慌てて冒険者ギルドの中に入るも、冒険者ギルドの中は冒険者と依頼者で騒々しくなっていた。
受付嬢のベネット嬢を見つけ出すと、手を上げる。
ベネットさんは驚いた瞳でこちらを見て手招きしてくれた。
緊急事態の為に個室に案内される俺とテルシア。
「確か、あなた達は唯一リファル村にゴブリン討伐のクエストを受けに行きましたよね、リファル村で、いやリファル共和国で何が起きているんですか?」
「ごめん、たぶん、俺達のせいなんだ。事情を説明させてくれ」
その後、俺はゴブリン討伐やらゴブリンジェネラルやらゴブリンキング3体を討伐した事を説明した。
その後に雲の存在、クラウドワールドのゾーンについて説明していき、あそこで捕らわれているとされるクヴァリスタンについての説明、無数のドアの向こうからモンスターが現れ、さらに倒すと死体がなくなる現象についても説明し、物凄い宝が手に入る事も説明していく。
「信じられません」
最後の極めつけは。
「クラウドワールドゾーンは各地域事に存在し、地域ごとのクラウドワールドゾーンの雲を全て破壊すると、その地域が元の姿に作り替えられるらしい」
「それは、つまりリファル村の元の姿とはモンスターと共存する共和国と言う事ですか?」
「そうだ。それしか考えられない」
「今、リンガストン王国がリファル共和国に属国になるように使者を送りました」
「あいつらバカだな、返り討ちだぞ」
「それは」
「考えてもみろ、リファル共和国はモンスターと共存している。そのモンスターがゴブリンやスライムやバードだけじゃないのは簡単に推測できる」
「それだと、不味いじゃないですか」
ベネット受付嬢が真っ青になっていくと。
外が騒がしくなる。
個室の扉が突如開かれて、入ってきたのはなんとギルドマスターであった。
見た目はやさぐれたおっさんなのだが、目が鋭く、腰には剣が帯剣されていた。
「まずい事になったよベネットちゃん、使者が皆殺しにされた。1人だけ連絡役で生きてたんだがモンスターがさ、もうさ、魔王軍かってくらいのレベルらしいけど魔王軍じゃないんだって、リーダーは人間の少女だってさ、お、客人か」
「ギルドマスターそれの原因をつくったのはこの人達です。席についてください」
「お、おう、いやに怖いなベネットちゃん」
ギルドマスターにも事の事情を説明していく。
俺は頭の中でリンガストン王国のやり方について思い出す。
圧倒的な強さを誇るリンガストン王国は無理にでも他国を属国化させる。
出来なかったら放置だが、侵略される事を考えて圧倒的な防御を誇り城壁がある。
だからふんぞり返っているのだ。
だがそれは無理だろう。
シルクハード街もリンガストン王国の一部ではある。
「という事なんです。ギルドマスター」
「ほう、それはシャーツ町長に連絡だな、ちょっと一走りしてくるわ」
「早くしてくださいよ」
「お、おう」
ギルドマスターは外に向かてどたどたと走り出した。
「今後は雲を破壊するのはやめてくださいよ」
「それが無理なんだよ」
「へ?」
「雲は突然現れ、巻き込んでくる。そして破壊しないと脱出できない」
「そ、それは」
「それでも破壊するなと言うならたぶん俺とテルシアを殺すしかない」
「……」
しばらくの沈黙が続いていると。
「いや、破壊していいのう」
1人の老人が入ってきた。
隣にはギルドマスターがいた。
どんだけ早いスピードで走ったのだろうかとぎょっとするが。
「そうじゃ、クヴァリスタンは元気じゃったかのう?」
「知り合いなんですか?」
「一緒に沢山の敵を倒してきた旧友じゃて」
「なぜ、クヴァリスタンはあそこに捕らわれて」
「まぁ、色々あるのじゃよ、さて、お主は雲を破壊しまくれ、いや今はクラウドワールドゾーンだがのう」
「良いんですか?」
「そうじゃのう、もうこの世界も混乱にまみれて、冒険者のクエストどころではないかもしれん、それでもクエストはあるが、それより雲を破壊する事のほうが金になるぞ、ふぉふぉふぉ」
「世界が作り替えられても?」
「世界は元に戻るだけじゃ、魔王によって変えられたのなら、1人の男とその仲間達に元に戻させるのが道理じゃ」
「仲間ってえへへうち1人だけですが」
「テルシアよそなたもその一人他にも仲間が増えていく」
「所でお主のジョブはあれだな」
「なんですか?」
「ランダムジョブって聞いた事ないんだが」
「そりゃそうですよね」
「うーむ、それは運任せの危険なジョブか、お前がなぜクラウドワールドを知覚できるのかが謎なのじゃよ、血筋については?」
「両親は殺されたよ、父がセルス、母がリンダー」
「はっはっはっは、そう来たか、ギャンブラーを両親に持つお主よ」
「あの2人はギャンブラーだったんかい」
「どうやらお前は全て運でクラウドワールドを見ているようじゃ、そうじゃのう、ランダムジョブか、ふぉふぉふぉ、運に勝つんだな、いや英知か、すまんギャンブラーは関係なかった」
「話を盛っていきなり突き落とすんかい」
「お主英知を持っておるな」
「はいはい」
「その英知は大事にせよ、あまり発現しないし、それが原因じゃろうまぁ基本分からんが、あとギルドマスター君、ベネット嬢にこやつのサポートをさえるように」
「了解であります。シャーツ町長」
「それにしても、お腹が減ったのう、そろそろか」
人々の悲鳴が轟いた。
地面に地震のような轟きが響き渡り。
「この国はリファル共和国に落とされるじゃろう、リンガストン王国は痛い目見るべきじゃ、わし達は山に逃げるとして、お主等はどうする?」
「どうするって、多くの人達が」
「それなら安心しろ全員わしが逃がしておく、じゃから、お主は冒険し色々なものを見て、マネーを稼ぎ、強くなれ」
「はぁ」
「じゃあのう、カルクよかるーくいっちょやってこい、ギルドマスター君、冒険者達の避難を、王様のリファル共和国の討伐命令は無視してくれ」
「御意です」
俺とテルシアとベネット受付嬢だけになると。
「てか私はどうすればいいのよ」
「まぁ、一緒にくるか?」
「いくしかないでしょ、サポート任されてるし、ジョブが秘書だからそういう事しか力になれないけどね」
「大丈夫だ、俺もテルシアもバカだから助かる」
「うちはバカじゃないですから、ご安心を」
外では兵士達がモンスターと殺し合いをしている。
かつて両親はモンスターに殺された。
そしてこの国もモンスターによって滅ぼされる。
だが、この国は力任せでふんぞり返った天罰を食らう。
それもリファル共和国にいるであろう王様の少女によって。
「じゃあ、外でてファストトラベルだ」
どこにファストトラベルすべきか、考え、その結果。実家に戻る事にした。
今はただの廃墟となっている実家。
3人の体は飛翔した。次の瞬間着地した。
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