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第1章 ガチャ領地開拓

第16話 カイルのメモ帳

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 次に仕事を決める人は音楽家ジージージであった。
 彼はいまだにバイオリンを弾いていた。

「レベルは500」

【子供の頃に事故で目と鼻を失う。音の力で方向を定めている。人の心が見えるようになる。周りから差別され実験体にされる。兵器にもされ、戦争で音響殺戮機と呼ばれる。だが1人で脱走し音楽家となる。いつもサングラスと緑の丸い鼻をつけて、不思議な音楽家と異名をつける。だが軍隊に見つかり、それ以上は言えない】

「だからこんなにレベルが高いのか、ジージージさん、あなたに酷な事をお願いしないといけません、この領地は今危機です」

「はむー」

「また敵兵に演奏演舞と幻覚演奏をやってくれませんか、戦争が舞台です」

「よろしい、戯曲は何がいいかな、新曲かなそれともオリジナルでいこうか」

「やる気ですね」

「なるべく殺さずパニックでいきましょうか、音楽は皆で楽しむものですよ」

 音楽家ジージージはげらげらと下品に笑った。
 その時緑の丸い鼻をつけてサングラスをつけていたので、俺も笑った。

 次は教死ウェスタだ。

「レベルは1000」と高めだった。

【殺し合いの教育、それがモットーで育てられた経緯。その世界では毎回100人の人間が召喚される。召喚された人間は教死になる為に1人だけになる為のバトルロワイヤルをする。生き残った人が教死となる。だが終わらない、次に200人の生徒がやってきて、教死VS200人の戦争が始まる。皆殺しにしたら、次はどんどん増えていく。その異世界は狂っていた。ウェスタは脱出を試みるがそれ以上は言えない】

「君の手は真っ赤に染まっているのだろう」

「だろうな」

 右手が燃えている。グローブを外したらとんでもない事になるだろう。

「この右目と左目も貰いもんだ」

「だから色が違うのか」

「おかげで見えてるよ」

「教死ではなく教師になって欲しい」

「は?」

「3万2千人がいる。彼等は戦いを知らない、君は彼等を強くさせるスキルを持っている」

「ああ、そうだな」

「頼む、この領地の教官になってくれ」

「ふははははっはっははははは、良いだろう、次は生かす為だ」

【教師ウェスタ=レベル1000=教官】

 次は隣のガベ

「レベル1だった」

【魔法を使って壁を通り抜けようとしたらはまったのが始まり、それから壁の中を移動して生活している。ずっと壁の中なので最弱だが、壁から出ると反動で最強になる。子供から壁にいて大人になってずっと壁の中。お酒を飲むときも壁の中、壁が青春そのものであったが、ある女性と恋におちてそれ以上は言えん】

「すげーいい所だし」

「ガベさん、君はスパイでよろしく」

「ぼーくの仕事だけ簡単に決まってやんの」

「それしか思いつきません」

「はっはっは、壁の中にいれば無敵さレベル1でもね、それに壁から出るとうっはっはさ」

「それも見てみたいです」

【隣のガベ=レベル1=スパイ】

「アーサー王がレベル500」
「アレキサンダー大王がレベル500」

「まるで兄弟だな、2人とも腕立て伏せとかやってるし」

 心の底から笑い。

「君達は自由でいいよ、強くなるならそれでいいし、冒険に出て、エクスカリバーの素材を探すのもよし軍勢の素を探すもよし」

「まじか」

「おめーいいな」

「そもそも君達の事はこの世界にも伝記が残ってるくらい有名だよ」

「へへ」

「うっへーん」


【円卓の騎士、エクスカリバーを引き抜く者、大陸から大陸へ移動し軍勢を増やし続けた者】

「世界が違うと意味合いが違うのだろうけどそう翻訳されてる」

「アキレウスとか武蔵とかオーディンとかとも挨拶しておいた方がいいよ、彼等も凄い奴等だから」
 
 2人は頷きどこかに走っていった。


【裏世界キャンベル=レベル450=守護隊長】
【虫戦士ヘラクル=レベル100=遊撃隊長】
【死別ダマスカ=レベル100=審判隊長】
【武器職人ミハミハ=レベル50=武器鍛冶屋】
【防具職人コルク=レベル-500=防具鍛冶屋】
【教師ウェスタ=レベル1000=教官】
【隣のガベ=レベル1=スパイ】
【アーサー王=レベル500=自由】
【アレキサンダー大王=レベル500=自由】

【リラメイド長=レベル???=全般】
【ジーバ執事長=レベル???=全般】
【光闇商人テンパス=レベル???=商売
【歌歌のアイ=レベル???=癒しの歌で人と畑を癒す】
【源義経=レベル100=牧場主】
【モンスターマスターユーゴ=レベル???=モンスター牧場主】
【金狼ジェイバ=レベル???=ジスタ領地偵察】
【神速ゴロー=レベル???=ジスタ領地と他領地の偵察】
【闇医者ウィーバー=レベル???=病院の院長】
【謎の老人=レベル???=徘徊】
【アキレウス=レベル250=自動採掘場収集】
【ヘクトル=レベル250=自動採掘場収集】
【宮本武蔵=レベル100=畑作業】
【佐々木小次郎=レベル100=畑作業】
【オーディン=レベル1000=結界監視】
【クレオパトラ=レベル50=美容ドリンク研究】
【ドクターモオリ=レベル20=全般研究】
【切裂きジャック=レベル300=門番】
【ゴーストイーター=レベル8500=ダンジョン攻略】
【時間経過ガムン=レベル9000=ダンジョン攻略】
【町長田中=レベル3000=守護者】

【伝説王ローム=レベル???=守護王】

 あと【破壊王ナルデーラ】と【END】が残ってる2人とも人物なので出すのに困る所がある。破壊されても困るし終わっても困る。悩み所だ。
 
 主要住民31人
 客人としてリルファーネ嬢とエルルカさんとドワリンさん
 住民約3万2千人。

 俺は領主メモにそれらを記しておいた。
 後で、アキレウス達の活躍を見学せねばと考えてもいるのだが。
 先にリルファーネ嬢と話をする必要があった。
 
「バナレス卿か」

 あの時の記憶を呼び起こす。負けたら100万金貨の負けで、父親から勘当される所まで来ていた。心の底からギャンブル神に願った。
 一心不乱にトランプのカードを捲った瞬間、勝利の女神は微笑んだ。

 そしてバナレス卿は落胆して500万金貨も落としていった。
 次の日になるとバナレス卿はいなくなっていたが、彼がアララスタ王国国王の親友であるというのは完全に知らなかったのだから。

 領主の館。
 開くとそこにはリアメイド長と目元にクマを作って手が震えているジーバ執事長がいた。
 ソファーにゆったりと座る形でリルファーネが座っていた。

 貴族らしくと思ったが、家名を奪われているのでただのカイルであった。

「このカイル事情をお聞きします」

 リルファーネは先程説明した内容とさらに追加で説明を始めた。
 めんどくさと心の中で思ったが、略式なのでと俺は会釈した。

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