61 / 89
第5章 幸運度Max【ガチャ】
第61話 帝王
しおりを挟む「我が王なり、この大地を滑る王なり、お前等は我の配下となるべし」
「それは王たりえぬ発言だなラッドン」
「呼び捨てにされる言われなし」
「王とはいらぬのかもしれないよラッドン」
「王は必要なり、お前を殺すものなのだ、我が、異世界の王よ」
「なぜ、そこまで知っている? いや背後にはセフィロトが関与していそうだね」
「ふむ、神の国より15人の英雄を呼び起こしたものだ。しかし15人の天使族と入れ替えた。天使族はセフィロトの縮図となりえて、大地へと帰還するのだろう」
「天使族がどうなるんだ?」
「本物の天使になるのだろう? セフィロトの為に」
「どういう事だ?」
「その先は起こってから分かる事だ。さて、我は最強なり、この軍勢に勝てるものおらずものなり」
「じゃあかかってごらんよ、俺達が相手するよ」
そう言ってロイは後ろに下がっていく。
それは帝王ラッドンも同じであった。
帝王ラッドンは鼓舞みたいに100億の大群を盛り上げていた。
ロイフルであるロイは仲間達を見回して叫ぶ。
「この国はカイル殿が命を懸けて作り上げた大切な思いだ。皆の願いを叶える為、皆の命を救うための拠点だ。さぁ、参ろう、死地累々へと」
100名以下の大群。
そのほかのドラゴンとライカン。
ライカンは大きな狼といった姿をしている。
ドラゴンは翼を広げた。その背中にはモンスターマスターユーゴがおり。
モンスターの大群を指揮している。
モンスターの大群でも100億には遠く及ばず。
ぶつかり合いのさなかでモンスターが1体また1体と倒されていく。
それを許すまじとドラゴンとライカンが暴れまわる。
兵士達の頭上を駆るドラゴンのファイアブレスにより兵士達の体は燃やし尽くされる。
真っ黒く炭のようになり、転がっていくものもいる。
ライカンの噛みつきで首をちぎられるものや。
その鋭利な爪でひっかきまわされるものが多発する。
「おっと、皆、おっぱじめたげぇすね」
その声は裏世界キャンベルだった。
「じゃ、裏世界行って、1人ずつ殺してきますかねー」
表の世界から消滅したキャンベル。
巨漢の魔人、魔帝ガンドックは体を巨大化させて、巨人よりかは小さいが。
地面を踏みしめる音だけが地震のようだった。
「ロイ、俺は配下を戦わせたくない、殺されるのは嫌だから、俺は1人で戦う訳ではない、お前等みたいな強者と、お前等みたいな死ぬつもりのない奴等。背中を頼むぞロイ、いや皆」
「ああ、そうさ、俺達は誰一人死ぬつもりはない、配下を戦わせないのは魔帝として素晴らしい判断だぞガンドック」
「そうかそうだな」
空に無数の矢が飛来する。
全ての矢はガンドックに狙い定められている。
だがガンドックは巨大な大剣を振り回して破壊して回る。
それが魔王の大剣であった。
「鍛冶屋に改良してもらったんだが、破壊力が増すらしい」
魔帝ガンドックはその大剣を地面に叩きつけた。
地割れが響いて多くの兵士達を巻き込んでいった。
ロイも巻き込まれそうになったので、少し避ける事にした。
空中に無数の虫が飛来する。それは虫戦士ヘラクルだった。
多くの虫が兵士達の眼と鼻と口を塞ぎ、窒息死または混乱させる。
それを指揮するのが虫戦士ヘラクルだった。
「トノサマーやりましたよーロイさんもやりましたよー」
ロイが頷きつつ、浮遊する6本の剣と右手と左手に握りしめられている剣で攻撃を仕掛ける。剣はロングソードをある種に加工した様な感じなのだが。
見た目は宝石そのものに見える。
1人の兵士の首を両断すると、血が噴き出る。右と左から同時に襲われ、背中の2本の剣が右と左の兵士の首を突き刺し抜く。
目の前に爆撃魔法が炸裂し、ロイは後方に吹き飛ばされるも受け身をとって転がる。
そこに兵士が10名わらわらと襲い掛かる。
8本の剣を円柱状にして回転させると、一瞬にしてすべての兵士の胴体と下半身を両断していた。
「はぁはぁ、衰えたか、いやなれるしかない」
ロイが活躍している中で、死別ダマスカがスキル【判定世界】の悪用を始める。
まず周りの人々に話さない物を判定させ、選別する。
次に、ダマスカが「話さないのは戦争だから?」と問いかける。
皆訳も分からず無視をする。
それで全員死ぬ。
ある意味チートで卑怯な戦法だが。
ある意味最強な戦い方でもある。
ロイは辺りを見回す。
教死ウェスタの前に1人の武人が立っていた。
それが将軍クラスの1人だと察する。
次にロウのシェイカーが兵士達を次から次へとなぎ倒す。
だがそこに2人の将軍クラスが飛来し、高速スピードでロウのシェイカーを翻弄している。
教死ウェスタは右手のグローブを燃やし尽くしながらでも。
相手を見据えていた。
ロイはウェスタを信頼し、兵士の中へと埋もれていく。
====教死ウェスタVS流星ガキ====
教死ウェスタの前に立ちはだかったのは1人の少年であった。
頭にはハチマキをしており、内臓系統が信じられないくらい無い。
がりがりに痩せていたのだ。
だが、気にも留めずに普通に直立不動している。
「せめて飯くらい食え、母さんに言われなかったのかい、ああぁ?」
ウェスタの乱暴な物言いに、少年はにゃぁと笑った。
「僕は15人将軍の1人流星ガキだ。時代は100年前、僕は戦争に負けた事はない、あえて言おう、お腹が空いて死んだ」
「だから食えって」
「しかーし、蘇ってみれば食べなくてもよくなった。お腹が空いて死んだのも体を軽くして流星のようなスピードで戦うから、今の体だと流星を遥かに超えるぞ」
「そうだとして、だから早く食え、ちょっと指導が必用だな」
「指導してくれるのか? それは嬉しい事だな」
「何歳だ?」
「18歳だ」
「見た目の割に年齢を食ってるんだなぁ、あまり食べないからだぞ」
「うるさい!」
「じゃあ、やるんだろ流星ガキ」
「おう、殺し合おう、それが俺達の役目だから」
流星ガキは地面に踏ん張ると、立ち上がったと思った瞬間にはそこにはおらず。
ウェスタの顔面が吹き飛んでいた。
体ごと転がりながら地面に叩きつけられるウェスタ。
血反吐を吐きながら条件反射で立ち上がるも、また流星ガキの拳に殴られて転がる始末。
ウェスタは地面に右手で支えて、右目の赤目で流星ガキの解析を始める。
それでもスピードが少しゆっくり程度なくらいで、とてつもなく早い事には変わりない。
このままでは殴り殺されてもおかしくない。
ではどうするかと言うと。
「こうするんだよ」
スキル【死ぬほど辛い教育】
そのスキルを自分にかける。効果はステータスとスキルレベルを上昇させてくれる。
赤目のスキルレベルが上昇し、解析がさらに深くなる。
流星ガキが飛来してきた時、頭を掴み地面に叩き付ける。
流星ガキは地面にバウンドしながら転がっていく。
「やったか、はぁはぁ」
大勢の兵士達が見て歓声を上げている。
頭でもおかしいのか、お前等の将軍がやられたのだぞ。
ウェスタは彼等を知らなかった。
それはウェスタ自信の事を彼等も知らない。
だがゆっくりとにんまりと立ち上がる流星ガキ。
全身が青い光でメラメラと燃え盛り。
それがオーラそのものだと悟る。
生体エネルギーみたいなものなのか?
ウェスタの脳裏で色々な情報が錯綜し赤い目での解析はさらなる解析へと繋がらない。
「謎だ。あの光は」
「さぁてとお仕置きたーいむ」
流星ガキが1ミリ微動しただけでその場の空気が振動し、爆発的にウェスタ―が吹き飛んだ。
空中に飛んでいる最中ウェスタは何が起きたか分からない。
だが脳裏には生徒達の笑い声が聞こえてきた。
そして生き残りをかけた戦いの中の記憶までさかのぼり。
これが走馬灯だと知った。
生徒達に追い出され。
俺は今地面になぜか立っている。
「あんた正気か」
流星ガキはただ呟く。
ようやく掴んだ焦り。
「俺は、俺は?」
「10000回以上殴った。お前は立っているすげーなまだ終わらないよーお仕置きたーいむ」
「あぐ、ぐは、ぎひ、ぐふ」
眼にもとまらぬスピード。
ウェスタは地面に手をつく事も出来ず。
ただただサンドバックになっていた。
そうして空を見上げていくと。どうやら終わりが近づいてきたようだ。
「大丈夫か」
「ぐぎゃ」
悲鳴は流星ガキ。
最初の声の主の姿が見えない。
だが声には覚えがある。
「神速ゴローさん後よろしくお願いします」
ウェスタは人生で初めてノックダウンされた。
神速ゴローの姿は誰も見た事もない。
だが流星ガキにはその姿は見えていたようだ。
「さぁ、デスマッチだ」
神速ゴローが呟いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
712
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる