100 / 210
冒険の旅
ぶらり食材探しの旅1
しおりを挟む
「嬢ちゃん着いたぞ、親方の借りてる家はここだ。」
私は、さっきの露店のおっさんに、お米が欲しいが為に、雇い主さんの借りてる借家に連れて来て貰ったのだ。
---
「親方、ただいま戻りました。」
「何だ、もう戻って来たのか?未だ日が高けぇけど諦めたのか?」
「いえ、違います、全部売れたのと、その買主が親方に会わせて欲しいってんで連れて来たんですよ。」
「俺に会いたいだって? こんなしがない行商人にか?」
「こんにちは、私は冒険者をしているエリーと言います、以後お見知りおきを。」
「おぉ、おぅ、此方こそよろしく、行商を生業としている、リョーマってもんだ。」
おぉっ!名前まで日本的だっ! 良いぞ良いぞぉ~!
「リョーマさんはどちらの国の方なんですか? 味噌や醤油を此方で初めて見て感激しました!」
ぐいぐい行った私に少したじろいだようなリョーマさんは、少し引き気味に。
「お、おぉ・・・俺の国はこっから海を渡って西へずっと行った島国でな、国としては成立はして居ると思うがまだ国名は無いんだ。」
間違いない、日本と同じだぁ! 島国だったから独自の食文化が出来てるんだぁ!
それにしても国名が無いって・・・もしかしてこの世界、地球で言う所の、大和時代ってレベルなん?
飛鳥時代にすら届いとらんとですか?
大国主命がまだ人と一緒に生活してた時代なん??
ちょっとショックで謎の方言が出まくってますが。
「今日、此方に連れて来て貰った訳はですね、お米が欲しいんです・・・けど、流石に無いですよねぇ・・・」
飛鳥時代に届いて居ない位だとすると、下手にするとコメはまだ無い、筈。
それこそ大雨が降ると池が出来てしまい最大水深2m程の深さで2カ月くらいの間 水が引かない地形の、スコールが有る様なエリア、アフリカみたいな雨季の有る気候の所が原産地のお米は、少しづつ扱い易いようにその姿を変化させつつ徐々に日本へと持ち込まれた物であるからして、未だその存在を島国は知らない可能性が高い。
「お米? どんな物だ?」
やっぱなさそうだな・・・
「こう、穂を付けて実る植物の種の部分を食べる物で、殻をむくと白っぽい小さな粒のですね・・・」
「ん~・・・成程成程・・・」
ああ、やっぱ無いかぁ、異世界転生モノのラノベの定番でさぁ、他の食材が見つかったのにお米になかなか行き当らないのがド定番だからさぁ、まさかまさかで同じ事になるんじゃ無いかと思ってたんだよなぁ~、う~ん残念!
「これの事だな、ほれ!」
「やっぱ無いかぁ~・・・・って、えぇぇっ!あんの?!!」
「ああ、これじゃないか?ほら。」
麻の袋から手に取って出してくれたそれは、間違いなく脱穀する前のお米だった!
「あ・・・やっと・・・見つけた、お米ぇぇぇぇぇぇっ!!!
うえぇぇぇぇぇぇ・・・えぐ、えぐっ。」
思わずあまりにも久しぶりで涙が・・・
基本的に私の祖国は、まぁ大昔の話ではあるけど日本だからねぇ、こっちに来てから食えなくなってて我慢してた訳よ、これでも。
あまりの嬉しさに、「ぃやったぁ~!!!」って叫んでたわよ、みっともねぇけど。
「イヤぁ、まさかこいつが売れるとは思わなかったよ、この位で良いかな?」
っと、ソロバンを弾いて計算する。
「そ、ソロバンだ・・・」
「何だい嬢ちゃん、こいつまで知ってんのかよ。」
「まぁね~。」
「嬢ちゃんは物知りなんだな、味噌も全部買ってくれたみてぇだし、気に入ったぜ、値引きしてやる、これでどうだ?」
今この場に有るお米500kgを、小金貨6枚か、安いんじゃね?輸送にも相当金掛かってるだろうに。
「買った、所でお兄さん、これから国に帰るんでしょう? こっちの品物仕入れてから。」
「おう、もう大方仕入れも終わってるんだ、後は帰りながら商売しつつ、今度は母国で行商よ。」
「そうか、じゃあ私を護衛に雇わない?」
「嬢ちゃんをか?」
「そ、こう見えてC級冒険者なんだ。 でもそれ以前に私以上に安全に護衛出来る人は居ないと思うよ。」
「そうなのか? 良いだろう、お願いする。」
「じゃ、決まりだね、あ、一応ギルドに依頼しといてくれる?」
「ああ、そうだな、ギルド通さねぇとダメなんだっけか、冒険者に依頼すんのは。」
「まぁ黙ってりゃわかんないだろうけどね、遠くまで遠征になる訳だしね、バレないとも限らないから。」
「判ったぜ、んで? 嬢ちゃんは本当の目的は、うちの国の食材を色々欲しいとかそう言う事なんじゃ無いのかね?」
「判ってるねぇ~、その通り! 聞く所によると梅干しやなんかもあったらしいじゃない?」
「へぇー、驚いた、梅干しまで知ってるんだ、驚いた、よっしゃ、持ちつ持たれつだな。」
「そう言う事。」
こうして私は、島国への遠征護衛任務を受けたのだった。
こないだ並列思考でこっそり作った船も初お披露目しなきゃね( ̄ー ̄)ニヤリ
私は、さっきの露店のおっさんに、お米が欲しいが為に、雇い主さんの借りてる借家に連れて来て貰ったのだ。
---
「親方、ただいま戻りました。」
「何だ、もう戻って来たのか?未だ日が高けぇけど諦めたのか?」
「いえ、違います、全部売れたのと、その買主が親方に会わせて欲しいってんで連れて来たんですよ。」
「俺に会いたいだって? こんなしがない行商人にか?」
「こんにちは、私は冒険者をしているエリーと言います、以後お見知りおきを。」
「おぉ、おぅ、此方こそよろしく、行商を生業としている、リョーマってもんだ。」
おぉっ!名前まで日本的だっ! 良いぞ良いぞぉ~!
「リョーマさんはどちらの国の方なんですか? 味噌や醤油を此方で初めて見て感激しました!」
ぐいぐい行った私に少したじろいだようなリョーマさんは、少し引き気味に。
「お、おぉ・・・俺の国はこっから海を渡って西へずっと行った島国でな、国としては成立はして居ると思うがまだ国名は無いんだ。」
間違いない、日本と同じだぁ! 島国だったから独自の食文化が出来てるんだぁ!
それにしても国名が無いって・・・もしかしてこの世界、地球で言う所の、大和時代ってレベルなん?
飛鳥時代にすら届いとらんとですか?
大国主命がまだ人と一緒に生活してた時代なん??
ちょっとショックで謎の方言が出まくってますが。
「今日、此方に連れて来て貰った訳はですね、お米が欲しいんです・・・けど、流石に無いですよねぇ・・・」
飛鳥時代に届いて居ない位だとすると、下手にするとコメはまだ無い、筈。
それこそ大雨が降ると池が出来てしまい最大水深2m程の深さで2カ月くらいの間 水が引かない地形の、スコールが有る様なエリア、アフリカみたいな雨季の有る気候の所が原産地のお米は、少しづつ扱い易いようにその姿を変化させつつ徐々に日本へと持ち込まれた物であるからして、未だその存在を島国は知らない可能性が高い。
「お米? どんな物だ?」
やっぱなさそうだな・・・
「こう、穂を付けて実る植物の種の部分を食べる物で、殻をむくと白っぽい小さな粒のですね・・・」
「ん~・・・成程成程・・・」
ああ、やっぱ無いかぁ、異世界転生モノのラノベの定番でさぁ、他の食材が見つかったのにお米になかなか行き当らないのがド定番だからさぁ、まさかまさかで同じ事になるんじゃ無いかと思ってたんだよなぁ~、う~ん残念!
「これの事だな、ほれ!」
「やっぱ無いかぁ~・・・・って、えぇぇっ!あんの?!!」
「ああ、これじゃないか?ほら。」
麻の袋から手に取って出してくれたそれは、間違いなく脱穀する前のお米だった!
「あ・・・やっと・・・見つけた、お米ぇぇぇぇぇぇっ!!!
うえぇぇぇぇぇぇ・・・えぐ、えぐっ。」
思わずあまりにも久しぶりで涙が・・・
基本的に私の祖国は、まぁ大昔の話ではあるけど日本だからねぇ、こっちに来てから食えなくなってて我慢してた訳よ、これでも。
あまりの嬉しさに、「ぃやったぁ~!!!」って叫んでたわよ、みっともねぇけど。
「イヤぁ、まさかこいつが売れるとは思わなかったよ、この位で良いかな?」
っと、ソロバンを弾いて計算する。
「そ、ソロバンだ・・・」
「何だい嬢ちゃん、こいつまで知ってんのかよ。」
「まぁね~。」
「嬢ちゃんは物知りなんだな、味噌も全部買ってくれたみてぇだし、気に入ったぜ、値引きしてやる、これでどうだ?」
今この場に有るお米500kgを、小金貨6枚か、安いんじゃね?輸送にも相当金掛かってるだろうに。
「買った、所でお兄さん、これから国に帰るんでしょう? こっちの品物仕入れてから。」
「おう、もう大方仕入れも終わってるんだ、後は帰りながら商売しつつ、今度は母国で行商よ。」
「そうか、じゃあ私を護衛に雇わない?」
「嬢ちゃんをか?」
「そ、こう見えてC級冒険者なんだ。 でもそれ以前に私以上に安全に護衛出来る人は居ないと思うよ。」
「そうなのか? 良いだろう、お願いする。」
「じゃ、決まりだね、あ、一応ギルドに依頼しといてくれる?」
「ああ、そうだな、ギルド通さねぇとダメなんだっけか、冒険者に依頼すんのは。」
「まぁ黙ってりゃわかんないだろうけどね、遠くまで遠征になる訳だしね、バレないとも限らないから。」
「判ったぜ、んで? 嬢ちゃんは本当の目的は、うちの国の食材を色々欲しいとかそう言う事なんじゃ無いのかね?」
「判ってるねぇ~、その通り! 聞く所によると梅干しやなんかもあったらしいじゃない?」
「へぇー、驚いた、梅干しまで知ってるんだ、驚いた、よっしゃ、持ちつ持たれつだな。」
「そう言う事。」
こうして私は、島国への遠征護衛任務を受けたのだった。
こないだ並列思考でこっそり作った船も初お披露目しなきゃね( ̄ー ̄)ニヤリ
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
119
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる