麗しの勘違い令嬢と不器用で猛獣のような騎士団長様の純愛物語?!

miyoko

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11.初デートは楽しいです

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馬車を降りる時のエスコートもあんなに体が大きいのに優しくて、大切に扱われている感じがして、自然と顔に熱が集まってくるわ。腰に軽く手を回されて実際には触れるか触れないかくらいなのにこの安心感。守られているって感じがするわ。
「雑貨屋の中に入るのは子供の頃以来だな。可愛いものがいっぱいで、心が癒されるな。」
「そうですよね。私もこの空間にいるだけで癒されるんです。この小人の置物を見てください。こんなに小さなかごの中にフランスパンや果物まで入っていますよ。こちらの置物は子犬の親子ですね。可愛らしいですね。」
「こちらの置時計も小さな花の模様がちりばめられていて可愛いな。」
「ええ、とても可愛らしいですね。カルロス様お願いがあります。」
「なんだい?」
「ここで何かお揃いの物を買いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ロザリー嬢とお揃いの物を持てるのか、それは幸せだ。」
「そ、そうですか、では選びましょう。」

私たちは色々なものを見て、結局、組み紐にすることにしたの。赤と紫と青色の入った組み紐。ブレスレットにできるように玉を付けることにして玉はピンクゴールドにしてもらうことになって出来上がるのに一時間ほどかかると言われた私たちは隣のカフェで食事をすることにしたの。
「カルロス様出来上がるのが楽しみですね。」
「ああ、すごく楽しみだ。」
カフェに入ると、そこにはイザベラ兄弟がいて、思わず出ようかと思ってしまったわ。だって、イザベラには碌なこと言われない気がするんですもの…。私が目でカルロス様に訴えると、
「他の場所にしようか。」
と小さな声で言ってくれたわ。私が頷いて出口に向かっていると、イザベラに気付かれてしまったわ。
「あら、ロザリーじゃない。どうして帰るのよ?ああ、ここではお相手の方が気まずいのね。お洒落なカフェですものね。」
「失礼なことを言わないでイザベラ…。」
「ベラ、そんな言い方するものではないよ。ロザリー嬢すまないね。お詫びにこの席を使っておくれよ。」
「お兄様、まだ料理がきておりません。」

「それも食べてもらえばいいだろう。ほら、ベラ行くよ。大事なデートの邪魔をするものじゃないよ。帰りにベラの好きなクレープ屋さんに寄って帰るからさぁ行こう。」
「本当ですか?お兄様。」
「ああ、僕が嘘をついたことがある?」
「ありません。ロザリーごめんなさい。料理も食べていいわよ。じゃあね。」
あっという間にイザベラたちは帰ってしまったの。もう、だからイザベラは苦手なのよ。
「なるほど、ロザリー嬢がイザベラ嬢のことが苦手なのもよく分かる。」
「本当に申し訳ありません。いつもこんな感じなんです。言いたいことだけ言って…。でも、すごく悪い子ってわけでもないんです。私が困っている時にはぎゃあぎゃあ言いながらも助けてくれますし、だから嫌いではないんですが、苦手なんです。」
「ジルド殿も大変だな。」
「ジルド様が甘やかしすぎたのだと思うんです。イザベラは綺麗ですし、お洒落ですし、刺繍も上手なんですよ。すべてにおいて完璧なのですが、あの性格だけが欠点なんです。なのにいつも微笑んでお許しになられて。」
「料理がきたみたいだよ。せっかくだから頂こうか。何を頼まれたのかな?」
「たぶん、ここで人気なのはパフェとモンブランのケーキなのでそちらだと思いますよ。」

思った通り、運ばれてきたのはモンブランとイチゴパフェだったわ。でもこの席は、入り口に近いから入って来てすぐに目が合ってお互いが気まずくならないように、衝立があるのだけれど、カルロス様は大きいから衝立から上に頭が出ているわ。これではカルロス様がのぞき見をしているみたいだわ。私は気になって店員さんに、
「お願いがあるのですが、衝立が少し低いようでもう少し高くしてもらうことはできませんか?」
「失礼しました。変えますね。」
すぐに店員さんが変えてくれたのは良かったのだけど、全体がぐるっと背の高い壁で囲われた状態になってしまい、個室のようになってしまったわ。
「カルロス様、個室のようになってしまいましたわ。」
「ああ、でも周りを気にせずに食べられるのはありがたいよ。さぁ食べよう。」
「そうですね。まぁ、なんて美味しいイチゴなのかしら、ソフトクリームも濃厚で美味しいです。」
「私の方のモンブランも栗の味がしっかりして美味しい。」
「そうですか。美味しそうですね。」
「ふふふ、食べたいのかい?こちらは手をつけていないからどうぞ。」

「いいのですか?では私のパフェもこちらは手をつけておりませんのでどうぞ。ふふふ。」
「「美味しい。」」
本当に美味しかったわ。食べ終わったら、一時間以上経っていて、慌てて組み紐を取りに行ったわ。
雑貨屋で組み紐を受け取って、私はいま、カルロス様の腕に組み紐を付けているんだけど、手首が三十センチくらいあるなんて、うふふ、頼もしいわね。これはもう太ももよね。思わず撫でてしまったわ。
「できました、きつくはないですか?」
「ああ、大丈夫だ。ありがとう。」
「では、私の方もお願いします。」
「ああ、分かった。ロザリー嬢の腕は折れてしまいそうだな。」
「そんなに弱くはないですわ。」
「痛くはないか。」
「優しくやってくださっているのでくすぐったいくらいですわ。」
「そ、そうか、つけれたよ。」
「ありがとうございます。カルロス様とお揃いなんてすごく嬉しいです。」
「ああ、私もだ。」
このあと本当は他にも色々と行きたかったのだけど、カルロス様が国王陛下から呼び出され、カルロス様は王宮に行かないといけなくなったの。ちょっと残念だったけど、3日後に会いに来てくださると言われたからそれだけで十分だわ。

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