転生したら王子だったけど僕だけ前世のまま(モブ顔)だった( ゜д゜)

あんこもっち

文字の大きさ
39 / 77
学園編

授業の初日①

しおりを挟む
《side:アレク》

「朝か・・・」

つい七時に起きるはずが早朝五時に起きてしまった。しかも何故かサーシャもジョージも叩き起こして既に支度を整えているんだよね。

ということで、このまま二度寝しようと思っていた僕は仕方なく起きることにした。

「ボルト様が朝の鍛錬は怠らない様にと仰ってました」

そう言ってサーシャは剣と鍛錬用の服を差し出してくる。彼女のとなりには眠そうに欠伸をするジョージがいたので申し訳なく感じてしまう。

学園にきても鍛錬から逃げられないとは。

僕は観念して着替えを始めた。

ジョージの欠伸が移ったのか、つられて僕も欠伸をしてしまう。やっぱり眠たいんだなと頭では理解はしつつ寮の外を出て朝の鍛錬をした。

環境の変化もあり、久しぶりの鍛錬ではあったけど幼少からの習慣にはなっていたのですぐにいつも通りに体が動くようになった。

鍛錬を終えて部屋に戻るとすでに食事が用意されていたので朝食を摂った。本当は寮の食堂で皆と一緒に食事をしたいのだけどね。

まあ部屋に戻ったら既に食事が用意されてるんだから贅沢は言ってられないよな。

さっさと朝食食べて学園に行かなくちゃ。

アレクは王子とは思えないほどの速さで朝食を平らげた。



《side:ジョージ》

俺の名はジョージ。

現在アレク王子の従者として身の回りの世話をしている。

これもサーシャ姉さんからの強い希望(脅し)もあってのこと。

正直言ってこの仕事するのにも気が進まなかったのだけどね。姉さんはいいよな。自分はこの仕事辞めたら実家に帰って結婚するんだもんな。

俺なんて卒業までこの王子の世話役をやらなくちゃならないんだぜ?

だからやんわり断ろうと思ったさ。

でも残念ながら姉さんの拳には勝てなかった。

あん時の姉さん本当に怖かったな。
あの時の姉さんの目、
ほんと、あの人さ。人殺した事あるんじゃないの?

本当に人殺しかと思うほどに怖かった。

あの人(サーシャの婚約者)もさ、姉さんと結婚して大丈夫なのか?

俺だったら嫌だな。
あんな怖い女とは本当に結婚したくないな。

マジで無理。

あと王子の世話?

ええ?本当に俺やらなくちゃいけないの?

アレク王子もさ、ああ見えて一応は王族だし立場が違うのはわかるけどさ。

なんで俺なの?
他にも候補者いなかったの?

あーあ、本当に、ついてねーなー。

アレク王子が学園に入学して二日目。

今日も朝早くから姉さんに叩き起こされた。
アレク王子の朝の鍛錬に間に合うように支度をしなくちゃならないんだってさ。

俺、朝苦手なんだよな。
アレク王子は既に起きていて、姉さんいわく学園に入学する前から何年もずっと毎朝早く起きてたらしい。

マジかよ。
あの王子すげえな。
ていうか姉さんの引き継ぎ終わったら俺が毎朝起きることになるの?

マジかー。

やっぱり姉さんに殴られるだけで済むんなら従者の仕事断っておけば良かったな。

まーでも引き受けたからにはやるしかないよな。

ウチみたいな貧乏男爵家なんて、吹けば飛ぶようなもんだし、王子に気に入られれば卒業してもそれなりの待遇はあるだろうしさ。

やるしかないよな。

ま、卒業までは頑張ってお世話するとしますかね。

ジョージはアレクの着替えを用意しつつ、自分も学園に行く準備をするのであった。



《side:アレク》

食事を終えた僕は制服に着替えて学園の校舎へ向かった。

途中アイリーンと会うと彼女は嬉しそうに手を振って挨拶してくれた。

「アレク様おはようございます!今日から授業が始まりますわね。私も楽しみですわ」

「おはようアイリーン!僕も楽しみだよ」

アイリーンの可愛いムーブはいつ見ても最高だ。

今世は顔はモブ顔だけどさ、これはリア充なんじゃない?

えへへ。

・・・いかん。

王子らしく威厳ある態度で接しないとな。

彼女の側にはどことなく儚げな美少女メリアが静かに後について来てる。

朝から美少女2人と並んで歩けるなんて最高だね。

リア充最高!

えへへ。

・・・いかん。

なんか調子に乗っている時に限ってサーシャの冷たい目を思い出してしまう。

あの憐れみというか人をまるで虫ケラのように見る冷たい眼差し・・・。

ぶるるっ、思い出しただけでも鳥肌が立ってきた。

いかんな、

そうだった、メリアにも挨拶しなきゃ。

「メリアもおはよう」

「殿下おはようございます」

「アレク様、いよいよ今日から授業が始まりますわね。わたくしとても楽しみですわ」

「僕も楽しみ」

僕ら三人は仲良く教室に向かった。

教室の入ると半分ぐらい席が埋まっており、美少女ふたりと一緒にいる僕には男子生徒たちからの嫉妬の念と怨念の眼差しが飛んでくる。僕はそれを避けつつ後ろの席が空いていたため昨日と同じように並んで席に座った。

「それでは授業を始めます」

タイミング良くフラン先生が教室に入ってくるとすぐに授業を始めた。

(点呼とかは取らないんだな)

前世の学校と違って生徒が来ているかどうか確認するための点呼を取らないことに驚きだけど、これなら無断欠席してもバレないかも。

でもなー。

隣には真面目なアイリーンがいるのだ。
欠席すればすぐにバレるだろうし何より毎日アイリーンに会いたい。

授業をボイコットする意味もなかった。

「それでは昨日入学式で国王様からのお話でもありましたが、この国の初代国王アルテマ様がこの学園の創立者であり、この国の成り立ちと学園創立の理念を学んでまいりましょう」

フランは張り切りながら授業を始めた。

この国の成り立ち。

サトゥーラ国建国の王アルテマの伝記。

今から2500年前、アルテマはこの世界において最強の戦士であり全属性の魔法が使える魔法師でもあった。

当時世界には魔獣が数多く生息しており、アルテマはより強い魔獣を求めて各地も巡っており魔獣の被害に遭った地へ赴いては嬉々として魔獣を倒していた。

アルテマは強い魔獣と戦うことに生きがいを感じており生粋のバトルジャンキーであった。

そうして戦いを通じて強さを求めたアルテマに転機が訪れる。

今の王都の地に突如空から巨大な龍が現れたのだ。

背後には大群の竜族の軍勢を引き連れており、竜の軍勢は口から炎を出して多くの人々を殺し町を焼き尽くした。

そして当時あった王国は一日で滅びたのである。

竜の軍勢に怯えた周辺国は竜族との戦いに対し終始劣勢を強いられる。

困窮した人々は縋るように当時最強の戦士と名高いアルテマに竜退治を依頼したのであった。

アルテマは意気揚々として巨大な龍に戦いを挑む。しかし、空からの攻撃に対し対策がないアルテマは苦戦する。

一方的に炎で焼かれ、火傷を負うアルテマだったが、剣ではなく魔法での戦いに集中し、風の魔法で翼を切り裂き、雷の魔法で龍を地上に引き摺り下ろした。
それからは剣でもって戦い龍の首を一刀両断し、ついに龍はアルテマの手によって倒されたのである。

親玉を倒された竜族たちはやがて劣勢となり、遂には退却して空から姿を消したのである。

そうして勇者となったアルテマは当時、王族の生き残りであった王女と結婚して滅びた国を再建することを決める。

王となった勇者アルテマの影響力は次第に強くなり後には建国の王として、そして新しい国家として人々から認識されるようになったのである。

アルテマは強い武人であったが、王として政治ができる力量はなかったため、国家運営のための人材養成が課題となり、各地から有望な人材を募り、また人材養成の場として学園を創立したのであった。それから五百年、王の願いによってできた学園は、多くの有望な人材を輩出し王国の繁栄を築き上げたのである。

人材養成によって成長した人たちは国に貢献し、やがてはその褒章として貴族となり領地を与えられるようになった。そして王都は王族が治め、領地を与えられた貴族たちは領地を治め、国民からは税を徴収するようになっていった。

「このように建国の父である初代国王アルテマの偉大な功績によって私たちがいまこの学園に居られるのです!」

フラン先生は最後にはハイテンションで解説する。話し終えた後は生徒たちから盛大な拍手を送られてフラン先生はまんざらでもなさそうだ。

その証拠に彼女は達成感に満ち溢れた笑みを浮かべている。けっこう可愛らしい先生だな。

それはそうと。

(ほんとアルテマ王の話は耳タコだよ。もう何回聞いたことか)

王族として王国史を教えられるのは当たり前で僕は幼少の頃からアバウト先生からアルテマ王の話を何度も何度も聞いている。

その度に初代国王は自分と同じ異世界転生もしくは転移者なのかなとも思ったんだよな。

どうせサトゥーラって王国の名前もさ、前世の苗字が「里浦」とかだったりするんじゃない?まあアルテマってのはよくわかんないけどさ。

なんとなくそんな気がする。

その後は学園の授業科目の説明が始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

処理中です...