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学園編
魔力鑑定の日
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「今日は魔力の測定テストを行います」
いかにも異世界らしいイベントを前にして僕のテンションは上がった。
「これだよ!こういうのを待っていたんだよ!」
僕は浮かれていた。
そりゃそうだ。
今まで異世界転生らしい展開なんてあまりなかったんだもの。そりゃさ、アイリーンとの婚約みたいに美少女ヒロインとの出会いなんて異世界転生モノの中でも王道だと思うよ?
でもさ、ガチムキ騎士からガンガンパワハラめいた無茶修行をさせられてさ、更には魔法師のお爺ちゃんからもスパルタ教育を受けて、なんかさ、生まれてから王子らしさというか華やかさなんて全然無かったと思うよ?
生まれて間もない頃は異世界ハーレムとかスローライフ展開だって期待してたんだよ?
こんな密度の濃い異世界ライフなんて望んでなかった。
まあ、今はアイリーンがいるから良いんだけどね。
でもようやくコレ、異世界転生の王道展開がキタんじゃない?
やっぱり異世界といえば学園モノだよ。
主役はもちろん僕。
いやあ、楽しみだなあ。
「それでは鑑定を始めます。皆さんこちらに来て並んでください」
フラン先生の指示によって生徒たちは列をつくり1人ずつ魔力鑑定を行った。
魔力鑑定は教室の教壇の上にある水晶玉によって測定される。
生徒たちは水晶玉に手をかざすと自分自身の保有する魔力量とその性質を光の色と強さで測定されるのだ。
教壇のとなりにはフラン先生が測定結果を見ながら一生懸命に記入していた。
測定を終えた生徒たちは自分たちの魔法属性と魔力を知って喜ぶ者や落ち込む者と様々だ。自分たちの魔力が客観的に示されるだけでなく、他の生徒たちと比較されるのは辛い事なのだろう。
特に貴族の子たちは大変なようだ。
僕から見たらどんぐりの背比べのようだけど、それでもあの家には負けたくなかったとか、アイツより俺の方が上だったとか、魔力で優劣をつけたがる生徒が多いみたいだ。
どうやら僕とアイリーン、メリア以外の生徒たちは魔力測定を終えたようで、とうとうメリアの番が来た。
メリアが手をかざすと水晶玉は緑色に光り出す。
フラン先生は風の属性だねと言いつつメリアの測定結果を記入用紙に記していた。
続いてアイリーンである。
アイリーンが手をかざすと水晶玉は水色に輝く。しかも光はメリアよりも大きい。
「あなたは水の属性ですね。光が強いので相当の魔力があるようですね」
とフラン先生が興奮していた。
アイリーンは嬉しそうにもとの席に戻った。
いよいよ僕の番だ。
僕は教壇前に移動してすぐに水晶玉に手をかざした。
すると水晶玉は突然に黄金色に光り輝く。
それもアイリーンと比べても格段に強い光だ。あまりにも強い光のため教室中が光で満たされていく。教室にいた生徒たちもその光に当てられたようで眩しくて目を押さえるほどだった。
フラン先生は驚きすぎて呆けた顔をしている。
「ア、アレク王子は、その、黄金色、でしたね。あ、ああの、黄金色は王国史によると、しょ、初代国王のアルテマ様以来いらっしゃらない、ぜ、全属性の魔力です……」
みんな僕の判定に驚き教室は静まり返っている。
黄金色?よくわからないけど凄いんだろーな。初代国王と同じかー、やっぱり異世界転生同士だと魔力にも影響があるのかな。
いやあ僕の時代が来たのかな?
ひょっとしてモテ期到来しちゃう?
まあ、でも僕はアイリーン一筋なんだよね。
あんまりモテると困っちゃう。
僕はチラリと周囲を見渡した。
男子生徒はすげえ!とかやべえ!とか言ってるみたいだけど、女子生徒たちはなんかヒソヒソと何か話しながらチラリチラリとこちらを見てる。
その目は、その、なんかあんまり好意的な視線、じゃないみたいなんだよね。
アレはさ、何というか、僕を奇異的な存在として見てるような目に見える。そんな気がする。何か拒絶というか戸惑いを感じているような、そう、警戒しているような目で見られているように見える・・・・・・まあいいさ、結果には満足だよ。なんてったってさ。全属性なんだもん。僕一人だけなんだもん。
席に戻るとアイリーンとメリアは嬉しそうに手を取り合って喜んでくれていた。
二人が喜んでくれているのなら良かったよ。うん、本当に、やべ、涙が出そう。
僕は嬉しそうに席へと戻った。
席に戻ると隣にはハイテンションのアイリーンが嬉しそうに話しかけてくれた。
「アレク様!初代国王のアルテマ王と同じ全属性だなんて、なんと素晴らしいことでしょう!私も驚きましたわ!」
となりでメリアが静かに同意し頷いている。
前にいる生徒たちもざわざわとしていた。
(おい!全属性ってなんだよ!)
(王族の血が流れていないって誰がいったんだ?)
(ひょっとしてわざわざ水晶玉が光るように細工されていたんじゃないのか?)
などと生徒達がひそひそ話している様子が窺えた。
アイリーンはそうした会話をつぶさにチェックし誰が何を言ったのかを事細かに覚えるのであった。となりのメリアも同じである。アレクはそんな恐いアイリーンの一面には気付かずにただ単純に褒められたことに意気揚々としてだらしない顔で喜んでいるだけだった。
「それでは次に魔法の実力テストを行いまーす!皆さん外の修練場に移動してくださーい!」
フラン先生の指示に従い皆修練場に移動する。
次は魔法の発現テストである。
新入生たちはみんな教師陣の前で魔法を出せるかどうかをチェックされるそうだ。
僕以外の同年代の子供たちはどれだけ魔法が使えるんだろう。
ぼくは少し期待した。
アイリーンは魔力が多かったみたいだし、結構すごい魔法が使えるんじゃないかな。他にも僕のライバルになりそうな奴いるかもしれないし、なんか楽しみだなー。
結果として僕の期待は脆く崩れ去った。
どうやら僕の同年代は平均的にあまり魔法が使えないようだ。ほとんどの生徒は少し魔法を使えるだけでそれも小さな微風を手から放つような程度のもの。火魔法もマッチの火ぐらいの小さな灯火を手から出すだけだ。
ほんの少しの魔法を使っただけでみんなとてつもないほどの疲労感が顔に出ており、額から脂汗を流している。どうやら手加減をしておるわけではなく、本気で、とても苦労して魔法を出していたようだ。魔力数値が高かった子でも魔法行使はまた別の話しみたい。
魔力が少なくても魔法が上手に扱える子もいれば魔力数値が高くてもまだ魔法行使が練習不足で上手く扱えない子もいた。
メリアの番だ。
メリアはまだマシな方でドライヤーの風ぐらいの風魔法を手から出してみせた。それでも発動から30秒ほどで魔法は消える。他の者たちは魔法が発動してから10秒から最長で1分程しか魔法が発現せず、僕にとってはこんなものなのか?と少し驚くほどだった。
あれ?
ひょっとして僕、魔法も最強なの?
また僕の時代到来する?
アレクの鼻が益々伸びた。
ようやくアイリーンの番が来た。
アイリーンが手をかざし、呪文を唱えると手から消防の消化ホースから出てくる水と同じような勢いで水が出てくる。しかも3分以上も魔法は切れる事なく発動し続けていた。
それを見た生徒たちは皆驚いてアイリーンに拍手を送り称賛した。アイリーンは満足そうな顔でアレクとメリアのもとに戻ってくる。
とうとう最後は僕の番だ。
先程の強い光を見た生徒たちが何やら僕に期待の眼差しをおくってくる。
僕は若干緊張しながらも手に魔力を込めた。
ここは異世界転生らしく超高難易度の高位魔法でみんなを驚かせようっかな。
すでに自分がチートであると自覚した僕はどの魔法を出せば皆を驚かせることができるかと考える。
まあ水はアイリーンと同じだから無しで、火は危ないからなー。以前も倉庫を燃やして父に怒られたしな
僕は魔力を練りつつ、何の魔法を使おうか色々考えるうちに時間が経っていった。
周りの生徒たちはなかなか僕の魔法が出てこないのを見て実は魔力があるだけで未だに魔法が使えないだけではないのかとヒソヒソと話す者も出て来た。
おーそうかい、
カチンとくるな。
よし!それならスゴイの見せてやりましょう!
などと強気になってみた。
こうして僕の手から放たれた強い魔力の光は、同時に強烈な竜巻となって眼前に現れた。
ゴウ!!
あれ?
「おい、あれは何だ!?」
「竜巻?」
「え?あれ、魔法なの?」
突然現れた巨大な竜巻を見て周囲の生徒たちがザワザワと騒ぎ出している。
しまった、やらかした!
この竜巻いわゆる風の魔法なんだけど魔力を練りながら考えている間に魔力が溜まりすぎていたみたいだ。
こんなに巨大な竜巻になるなんて・・・。
やばいかも。
僕は意図せず知らず知らずうちに強烈な竜巻を出してしまったのだ。
修練場中心に出現した巨大な竜巻は勢いを増し、その場にいた生徒たちが全員竜巻に巻き込まれてしまった。
一部の生徒はわーっ!とかぎゃー!とか言って竜巻の巻き込まれて上空へと飛ばされてしまった。
かろうじて竜巻に巻き込まれなかった生徒たちは巻き込まれなかっただけで彼らの制服はズタズタに引き裂かれ破けてしまっている。
かろうじてアイリーンとメリアは咄嗟に地面に屈んだために事なきをえたみたいだ。
良かったー。
しかし対応が遅れた者たちはなんとほぼすっぽんぽん。
なんと刻まれた布切れが大事なところを守ってくれてはいるもののほぼ全裸となってしまった。それでも不幸中の幸いか全裸になったのはほぼ男子で女子はかろうじて遠くに逃げていたようだ。
(消えろー!!)
僕は慌てて魔法を止めようとしたが、すでに放たれた竜巻はその魔力がなくなるまで勢いが衰えないみたい。
しばらくの間巨大な竜巻はその威力を少しずつ落としつつ、それでも長い時間の間に修練場を荒らし続ける。
ようやく竜巻が消え去ったと思ったら現状はとても悲惨だった。
修練場の天井はすっぽりと無くなっており、外からは太陽の光が燦々と差し込んできて被害現場の惨状をまざまざと照らし続けている。
そして魔法によって服を剥かれ全裸になった男子生徒たちは大事なところを押さえながら各自蜘蛛の子を散らすように寮に逃げていった。
先生方も呆然としており、どう判定してよいものやらと頭を悩ませている。
(や、やっちまった)
僕は自分がやってしまったことの罪の大きさに今更ながら気づいた。
「ああ、父上におこられる」
父にこっ酷く叱られた時の事を思い出す。
今更ながら僕は自責の念にさい悩まされる。
さすがのアイリーンも今回ばかりは素直に喜べず、ただ驚いて目の前の惨状を見渡すのであった。
この日、アレク王子は強烈な風魔法による鮮烈なデビューを果たした。
彼にとっては伝説の幕開けとなった記念すべき日。
しかしながら伝説となったアレクはその後アーシェラ学園長に呼び出されて事情聴取を受けた後、更に説教されるのであった。
いかにも異世界らしいイベントを前にして僕のテンションは上がった。
「これだよ!こういうのを待っていたんだよ!」
僕は浮かれていた。
そりゃそうだ。
今まで異世界転生らしい展開なんてあまりなかったんだもの。そりゃさ、アイリーンとの婚約みたいに美少女ヒロインとの出会いなんて異世界転生モノの中でも王道だと思うよ?
でもさ、ガチムキ騎士からガンガンパワハラめいた無茶修行をさせられてさ、更には魔法師のお爺ちゃんからもスパルタ教育を受けて、なんかさ、生まれてから王子らしさというか華やかさなんて全然無かったと思うよ?
生まれて間もない頃は異世界ハーレムとかスローライフ展開だって期待してたんだよ?
こんな密度の濃い異世界ライフなんて望んでなかった。
まあ、今はアイリーンがいるから良いんだけどね。
でもようやくコレ、異世界転生の王道展開がキタんじゃない?
やっぱり異世界といえば学園モノだよ。
主役はもちろん僕。
いやあ、楽しみだなあ。
「それでは鑑定を始めます。皆さんこちらに来て並んでください」
フラン先生の指示によって生徒たちは列をつくり1人ずつ魔力鑑定を行った。
魔力鑑定は教室の教壇の上にある水晶玉によって測定される。
生徒たちは水晶玉に手をかざすと自分自身の保有する魔力量とその性質を光の色と強さで測定されるのだ。
教壇のとなりにはフラン先生が測定結果を見ながら一生懸命に記入していた。
測定を終えた生徒たちは自分たちの魔法属性と魔力を知って喜ぶ者や落ち込む者と様々だ。自分たちの魔力が客観的に示されるだけでなく、他の生徒たちと比較されるのは辛い事なのだろう。
特に貴族の子たちは大変なようだ。
僕から見たらどんぐりの背比べのようだけど、それでもあの家には負けたくなかったとか、アイツより俺の方が上だったとか、魔力で優劣をつけたがる生徒が多いみたいだ。
どうやら僕とアイリーン、メリア以外の生徒たちは魔力測定を終えたようで、とうとうメリアの番が来た。
メリアが手をかざすと水晶玉は緑色に光り出す。
フラン先生は風の属性だねと言いつつメリアの測定結果を記入用紙に記していた。
続いてアイリーンである。
アイリーンが手をかざすと水晶玉は水色に輝く。しかも光はメリアよりも大きい。
「あなたは水の属性ですね。光が強いので相当の魔力があるようですね」
とフラン先生が興奮していた。
アイリーンは嬉しそうにもとの席に戻った。
いよいよ僕の番だ。
僕は教壇前に移動してすぐに水晶玉に手をかざした。
すると水晶玉は突然に黄金色に光り輝く。
それもアイリーンと比べても格段に強い光だ。あまりにも強い光のため教室中が光で満たされていく。教室にいた生徒たちもその光に当てられたようで眩しくて目を押さえるほどだった。
フラン先生は驚きすぎて呆けた顔をしている。
「ア、アレク王子は、その、黄金色、でしたね。あ、ああの、黄金色は王国史によると、しょ、初代国王のアルテマ様以来いらっしゃらない、ぜ、全属性の魔力です……」
みんな僕の判定に驚き教室は静まり返っている。
黄金色?よくわからないけど凄いんだろーな。初代国王と同じかー、やっぱり異世界転生同士だと魔力にも影響があるのかな。
いやあ僕の時代が来たのかな?
ひょっとしてモテ期到来しちゃう?
まあ、でも僕はアイリーン一筋なんだよね。
あんまりモテると困っちゃう。
僕はチラリと周囲を見渡した。
男子生徒はすげえ!とかやべえ!とか言ってるみたいだけど、女子生徒たちはなんかヒソヒソと何か話しながらチラリチラリとこちらを見てる。
その目は、その、なんかあんまり好意的な視線、じゃないみたいなんだよね。
アレはさ、何というか、僕を奇異的な存在として見てるような目に見える。そんな気がする。何か拒絶というか戸惑いを感じているような、そう、警戒しているような目で見られているように見える・・・・・・まあいいさ、結果には満足だよ。なんてったってさ。全属性なんだもん。僕一人だけなんだもん。
席に戻るとアイリーンとメリアは嬉しそうに手を取り合って喜んでくれていた。
二人が喜んでくれているのなら良かったよ。うん、本当に、やべ、涙が出そう。
僕は嬉しそうに席へと戻った。
席に戻ると隣にはハイテンションのアイリーンが嬉しそうに話しかけてくれた。
「アレク様!初代国王のアルテマ王と同じ全属性だなんて、なんと素晴らしいことでしょう!私も驚きましたわ!」
となりでメリアが静かに同意し頷いている。
前にいる生徒たちもざわざわとしていた。
(おい!全属性ってなんだよ!)
(王族の血が流れていないって誰がいったんだ?)
(ひょっとしてわざわざ水晶玉が光るように細工されていたんじゃないのか?)
などと生徒達がひそひそ話している様子が窺えた。
アイリーンはそうした会話をつぶさにチェックし誰が何を言ったのかを事細かに覚えるのであった。となりのメリアも同じである。アレクはそんな恐いアイリーンの一面には気付かずにただ単純に褒められたことに意気揚々としてだらしない顔で喜んでいるだけだった。
「それでは次に魔法の実力テストを行いまーす!皆さん外の修練場に移動してくださーい!」
フラン先生の指示に従い皆修練場に移動する。
次は魔法の発現テストである。
新入生たちはみんな教師陣の前で魔法を出せるかどうかをチェックされるそうだ。
僕以外の同年代の子供たちはどれだけ魔法が使えるんだろう。
ぼくは少し期待した。
アイリーンは魔力が多かったみたいだし、結構すごい魔法が使えるんじゃないかな。他にも僕のライバルになりそうな奴いるかもしれないし、なんか楽しみだなー。
結果として僕の期待は脆く崩れ去った。
どうやら僕の同年代は平均的にあまり魔法が使えないようだ。ほとんどの生徒は少し魔法を使えるだけでそれも小さな微風を手から放つような程度のもの。火魔法もマッチの火ぐらいの小さな灯火を手から出すだけだ。
ほんの少しの魔法を使っただけでみんなとてつもないほどの疲労感が顔に出ており、額から脂汗を流している。どうやら手加減をしておるわけではなく、本気で、とても苦労して魔法を出していたようだ。魔力数値が高かった子でも魔法行使はまた別の話しみたい。
魔力が少なくても魔法が上手に扱える子もいれば魔力数値が高くてもまだ魔法行使が練習不足で上手く扱えない子もいた。
メリアの番だ。
メリアはまだマシな方でドライヤーの風ぐらいの風魔法を手から出してみせた。それでも発動から30秒ほどで魔法は消える。他の者たちは魔法が発動してから10秒から最長で1分程しか魔法が発現せず、僕にとってはこんなものなのか?と少し驚くほどだった。
あれ?
ひょっとして僕、魔法も最強なの?
また僕の時代到来する?
アレクの鼻が益々伸びた。
ようやくアイリーンの番が来た。
アイリーンが手をかざし、呪文を唱えると手から消防の消化ホースから出てくる水と同じような勢いで水が出てくる。しかも3分以上も魔法は切れる事なく発動し続けていた。
それを見た生徒たちは皆驚いてアイリーンに拍手を送り称賛した。アイリーンは満足そうな顔でアレクとメリアのもとに戻ってくる。
とうとう最後は僕の番だ。
先程の強い光を見た生徒たちが何やら僕に期待の眼差しをおくってくる。
僕は若干緊張しながらも手に魔力を込めた。
ここは異世界転生らしく超高難易度の高位魔法でみんなを驚かせようっかな。
すでに自分がチートであると自覚した僕はどの魔法を出せば皆を驚かせることができるかと考える。
まあ水はアイリーンと同じだから無しで、火は危ないからなー。以前も倉庫を燃やして父に怒られたしな
僕は魔力を練りつつ、何の魔法を使おうか色々考えるうちに時間が経っていった。
周りの生徒たちはなかなか僕の魔法が出てこないのを見て実は魔力があるだけで未だに魔法が使えないだけではないのかとヒソヒソと話す者も出て来た。
おーそうかい、
カチンとくるな。
よし!それならスゴイの見せてやりましょう!
などと強気になってみた。
こうして僕の手から放たれた強い魔力の光は、同時に強烈な竜巻となって眼前に現れた。
ゴウ!!
あれ?
「おい、あれは何だ!?」
「竜巻?」
「え?あれ、魔法なの?」
突然現れた巨大な竜巻を見て周囲の生徒たちがザワザワと騒ぎ出している。
しまった、やらかした!
この竜巻いわゆる風の魔法なんだけど魔力を練りながら考えている間に魔力が溜まりすぎていたみたいだ。
こんなに巨大な竜巻になるなんて・・・。
やばいかも。
僕は意図せず知らず知らずうちに強烈な竜巻を出してしまったのだ。
修練場中心に出現した巨大な竜巻は勢いを増し、その場にいた生徒たちが全員竜巻に巻き込まれてしまった。
一部の生徒はわーっ!とかぎゃー!とか言って竜巻の巻き込まれて上空へと飛ばされてしまった。
かろうじて竜巻に巻き込まれなかった生徒たちは巻き込まれなかっただけで彼らの制服はズタズタに引き裂かれ破けてしまっている。
かろうじてアイリーンとメリアは咄嗟に地面に屈んだために事なきをえたみたいだ。
良かったー。
しかし対応が遅れた者たちはなんとほぼすっぽんぽん。
なんと刻まれた布切れが大事なところを守ってくれてはいるもののほぼ全裸となってしまった。それでも不幸中の幸いか全裸になったのはほぼ男子で女子はかろうじて遠くに逃げていたようだ。
(消えろー!!)
僕は慌てて魔法を止めようとしたが、すでに放たれた竜巻はその魔力がなくなるまで勢いが衰えないみたい。
しばらくの間巨大な竜巻はその威力を少しずつ落としつつ、それでも長い時間の間に修練場を荒らし続ける。
ようやく竜巻が消え去ったと思ったら現状はとても悲惨だった。
修練場の天井はすっぽりと無くなっており、外からは太陽の光が燦々と差し込んできて被害現場の惨状をまざまざと照らし続けている。
そして魔法によって服を剥かれ全裸になった男子生徒たちは大事なところを押さえながら各自蜘蛛の子を散らすように寮に逃げていった。
先生方も呆然としており、どう判定してよいものやらと頭を悩ませている。
(や、やっちまった)
僕は自分がやってしまったことの罪の大きさに今更ながら気づいた。
「ああ、父上におこられる」
父にこっ酷く叱られた時の事を思い出す。
今更ながら僕は自責の念にさい悩まされる。
さすがのアイリーンも今回ばかりは素直に喜べず、ただ驚いて目の前の惨状を見渡すのであった。
この日、アレク王子は強烈な風魔法による鮮烈なデビューを果たした。
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