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学園編
剣術大会②
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《サラ視点》
とうとう私の出番だ。
私は息を大きく吐き闘技場へと向かった。
闘技場に出た私の目の前には既に兄セドリックがいる。
「サラ久しぶりだな」
「ええ、兄上もお元気そうで」
「まさかお前と戦うとはな」
「本当に」
「まあ、どれだけお前が強くなったのか見てやろう」
「よろしくお願いします」
二人は同時に構える。
同じ武門。
構えも同じ。
兄妹ゆえ、互いの癖は既に知り尽くしている。
剣を構えて二人は互いに見つめ合った。
暫しの沈黙が闘技場を支配する。
はじめっ!
「はぁ!」
私は速攻で兄に近づき上段から斬りつける。兄は慎重に受け止めて切り返してきた。それを避けてまた攻撃、私たち二人はひたすら攻撃と反撃を繰り返していた。
観客たちが驚いたのはその剣戟の応酬の速さだ。皆、息をするのも忘れてしまうぐらいに二人の攻撃の応酬は苛烈だった。
兄はどちらかというとカウンター狙いが多く攻撃を受けてからの反撃を得意としている。
私は力はないものの持ち前の速さで相手を翻弄させるほどの多角的な攻めを得意とする。
私たちはお互いの闘い方を知っているせいか、もう五分以上同じような剣戟を繰り返していた。
私たちは互いに汗だくになりながらもひたすら攻防を繰り返している中で兄が私に話しかけてくる。
「サラ、なにやら、上機嫌の、ようだな」
「え?」
「口が、ニヤついて、いるぞ」
知らぬ間になぜか私は笑みを浮かべていたようだ。
なぜだろう。
兄と戦うのがこんなにも嬉しいのか。
いや、
今まで全く敵わなかった兄とここまで戦えることが嬉しいのだ。
自分の成長を確かめられているようで私の心の中は嬉々としていた。
(ああ、私は、愉しいのか)
セドリックもサラの成長を喜んでいるようで対戦相手であるサラを睨みつつも口角は上がっている。
「兄上の方がこそ、何やら愉しそうですね」
「ああ、愉しいさ。サラ、強くなったな」
「いえ、まだまだ、兄上とは、もっと、戦えることを、証明、したいです」
二人は一旦互いに距離を取り、再び剣を構え直す。
「ふっ、しばらく会わないうちに生意気になったものだ」
「私だってもう子供ではありませんから」
「そうだな」
サラは体力の限界を無視して力強く踏み込み、剣を突き出したまま突進する。
「兄上!まだまだこれからですよ!」
セドリックの喉元を突き立てるようにサラの突撃は更に加速した。
警戒したセドリックも反撃すべく剣を構えた。
(いつもの特攻か、やはり成長したとはいえ、まだまだ癖は直らないようだな)
猪突猛進
セドリックはサラの突撃をそう呼んでいる。
幼少の頃よりサラの苦し紛れの特攻を難なく跳ね除けてきた。
いつもと同じだ。
(動きが直線的すぎて合わせやすい)
サラの動きに合わせてセドリックは反撃の構えに入る。
しかしサラは更に成長していた。
たった一度だけの好機
いつもの突撃による突きの攻撃からフェイントを仕掛けたのだ。
いままでフェイントをしなかったサラが突然仕掛けてきた。
そのことにセドリックは驚いた。慌てて体勢を整えようとしたが、間に合わずサラの剣を横腹に受けてしまう。
「うっ!」
やった!
私は初めて兄に攻撃が当たったことに喜んだ。
しかし、
カランーー。
「え?」
知らぬ間に持っていた剣は振り払われており私の後ろには自分の剣が落ちていた。
そして意識を前に向けると兄の剣は既に私の首元に突きつけられている。
「くっ!」
「それまで!」
私は油断してしまった。
攻撃が当たった時に力を抜いてしまい、その隙を狙われて剣を振り払われてしまったのだ。
「セドリックの勝ち!」
私は、負けた。
一瞬の隙が命取りであるとはこのことなのだな。今回の敗北で私はそれを痛切に感じた。
呆然と立ち尽くした私に兄は剣を拾い返してくれる。
「サラ、強くなったな」
セドリックの脳裏には負けて泣きじゃくる子供の頃のサラが浮かんだ。そして目の前にいる成長した妹とソレが重なって見える。
(本当に、強くなった)
セドリックは兄としてサラの成長を誇らしく思った。
「あ、兄上、あ、ありがとう、ございました」
「さっきのフェイントは良かったよ。ただそれが敗因だったな。次は気をつけろよ」
「は、はい、う、うぅ・・・」
兄は私の肩をポンポンと叩いて颯爽として立ち去った。
私は、また、負けてしまったのか。
試合が終わった直後、私の足がすでに限界を超えていることを訴えてくる。鈍く重い足を引き摺りながら私は待機室へと戻っていった。
♢
《アレク視点》
サラが僕のもとに戻ってくると周りにいた同じ学年の生徒たちがサラを褒め称えた。
「サラさん凄かったです!」
「上級生にあそこまで闘えるってすごいです!」
「ビックリしたよ!息をするのも忘れるぐらいに凄い試合だった!」
サラは周囲の反応に驚き、「いやあ、ははは」と言って負けたことを引きずっていた。
僕もサラを慰めようかな。
「上級生によくやったよ!あのフェイントは良かった!」
「ありがとうございます、でも、負けてしまいましたので」
「負けは恥じゃない。また更に強くなるための発奮材料でしかないんだ。サラはまだまだ強くなるよ」
「は、はいぃ」
サラは涙目になり顔を隠した。
気持ちの整理をしているのだろう。
しばらくしてアイリーンが待機室にやってきた。
「サラ、素晴らしい戦いでした。負けたとしてもあなたはまだ一年生。確かな実力は示せたと思いますわ」
「は、はい、ありがとうございます」
サラは気落ちしたままだったが、慰められるほどに今度は敗北への罪悪感が募ってきたのか愛想笑いをしてトボトボと観客席に行ってしまった。
アイリーンもこれ以上のフォローは無理だと判断してサラと同じ席へと行ってしまった。
二人が去った後、僕は一人待機室に残されてしまった。
しばらくして他の選手たちが闘技場に出ては敗退者たちは待機室から去っていった。
どうやら一回戦最後の試合が終わったようだ。
次はいよいよ二回戦だ。
「それでは二回戦を始めます」
Aブロックの試合は8試合ほどあった。
Bブロックも同じだろう。
「そういえばシード枠ってあるのか?」
僕はもう一度トーナメント表を見ると、シード枠は最上級生である四年生のみと決まっているようだ。
「次の相手はと、あ、シード枠の上級生かあ」
なんと次の二回戦目の相手はシード枠だった。
しかもシード枠の選手に勝っても次の相手は先程サラと戦っていたセドリックになるかもしれないみたいだ。
セドリックが無事二回選を勝ち進めることになれば僕はサラの兄と戦うことになる。
もしサラが勝っていたらサラと戦うことになっていたのかもしれない。抽選なんだろうけど、なんか選別がえげつないな。
「運営もむごいなー」
僕がのんびりと待機室で休んでいると闘技場から大きな声援が聞こえてくる。
よほど人気のある生徒なのだろうと僕は闘技場を見て思わず顔を顰めてしまった。
「それでは二回戦からシード権のある選手が登場します」
「四年生カイン!」
観客席は大きな声援でカインを讃える。
(アイツかよ!)
アイリーンを懸想する美丈夫カイン。
ワーワーキャーキャーと女生徒たちの声援が響く中、カインが出場した。
対して三年生で強そうなまたガタイの良い生徒が出てくる。
(あれ?なんかさっき戦った奴と似てないか?)
同一人物じゃないよな。
顔が似ているなと思った僕は一応トーナメント表を確かめてみた。カインはBブロックの方で互いに決勝戦にまで勝ち進めることができれば、僕は再びカインと戦うことになる。
それを知った僕はまた鬱蒼となった。
「マジかー、またアイツと戦うなんてめんどくさいな」
しかし逃げることはできない。
アイリーンの前で負けることもできない。
「やってやろうじゃないか!」
僕は拳を握りしめて決意を固める。
「あ、そういや、あのおっさんみたいな上級生はなんだったっけ」
僕は再びトーナメント表を見る。
トーナメント表を見てわかったことは先に僕と戦っていた方が兄でカインの相手は弟の方のようだった。
苗字か同じだったからね。
僕に負けた兄の方は今は観客席で弟を応援しているようだ。
僕は思う。
異世界モノで出てくるこういった老け顔キャラって本当に十代なのか?
ほんとよくあるよな。
いつもの疑問である。
「始め!」
掛け声と共にガタイの良い三年生はカインに攻撃する。ガタイの良い三年生はニヤニヤとしながらカインに攻撃する。
対してカインは冷静に剣を受け止めて切り返す。カインは攻守ともにバランス良く、相手の方は力技で押し込んでいくタイプの選手だ。
しばらくして三年生が仕掛けてきた。
剣で斬り込むようにするところを身体ごとタックルする様にカインにぶつかったのだ。故意であれば反則なのだが、わざとらしくもたまたまバランスを崩してそうなったかのように見せる技術はすごかった。
しかしカインは押し倒されることなくタックルを受け止めて、しかもバランスを崩した相手を投げ飛ばしてしまう。
観客たちは騒ぎ出す。
アイリーン「反則じゃありませんの?」
サラ「いや、ギリギリ大丈夫のようです、審判も何も言ってきませんし」
アイリーン「でも相手を投げましたわよ?反則負けで良いのでは?」
サラ「うーん、そうですね。でも反則ではないようです。審判も何も言わないので大丈夫みたいですね」
アイリーン「解せませんわ。あんな奴負けてしまえば良いのに」
アイリーンはカインが優位なためか、悔しそうに扇子を握りしめた。
三年生は自分から仕掛けたにもかかわらず、思わぬ反撃で恥をかかされたことに腹を立てた。そして乱暴な程に剣を振り回してカインを斬りつける。
カインはそうした三年生の攻撃を鼻で笑い、最小限の動作で攻撃をかわし、剣で受け止め、そして反撃する。
あっという間に劣勢になった三年生は焦りながらも攻撃をするしかなかった。
そしてとうとう優劣が決まる。
「それまで!」
カインは相手の首に剣を当てたあと、とうとう相手も負けを認めて項垂れる。実力の違いを見せつけるような試合だった。
とうとう私の出番だ。
私は息を大きく吐き闘技場へと向かった。
闘技場に出た私の目の前には既に兄セドリックがいる。
「サラ久しぶりだな」
「ええ、兄上もお元気そうで」
「まさかお前と戦うとはな」
「本当に」
「まあ、どれだけお前が強くなったのか見てやろう」
「よろしくお願いします」
二人は同時に構える。
同じ武門。
構えも同じ。
兄妹ゆえ、互いの癖は既に知り尽くしている。
剣を構えて二人は互いに見つめ合った。
暫しの沈黙が闘技場を支配する。
はじめっ!
「はぁ!」
私は速攻で兄に近づき上段から斬りつける。兄は慎重に受け止めて切り返してきた。それを避けてまた攻撃、私たち二人はひたすら攻撃と反撃を繰り返していた。
観客たちが驚いたのはその剣戟の応酬の速さだ。皆、息をするのも忘れてしまうぐらいに二人の攻撃の応酬は苛烈だった。
兄はどちらかというとカウンター狙いが多く攻撃を受けてからの反撃を得意としている。
私は力はないものの持ち前の速さで相手を翻弄させるほどの多角的な攻めを得意とする。
私たちはお互いの闘い方を知っているせいか、もう五分以上同じような剣戟を繰り返していた。
私たちは互いに汗だくになりながらもひたすら攻防を繰り返している中で兄が私に話しかけてくる。
「サラ、なにやら、上機嫌の、ようだな」
「え?」
「口が、ニヤついて、いるぞ」
知らぬ間になぜか私は笑みを浮かべていたようだ。
なぜだろう。
兄と戦うのがこんなにも嬉しいのか。
いや、
今まで全く敵わなかった兄とここまで戦えることが嬉しいのだ。
自分の成長を確かめられているようで私の心の中は嬉々としていた。
(ああ、私は、愉しいのか)
セドリックもサラの成長を喜んでいるようで対戦相手であるサラを睨みつつも口角は上がっている。
「兄上の方がこそ、何やら愉しそうですね」
「ああ、愉しいさ。サラ、強くなったな」
「いえ、まだまだ、兄上とは、もっと、戦えることを、証明、したいです」
二人は一旦互いに距離を取り、再び剣を構え直す。
「ふっ、しばらく会わないうちに生意気になったものだ」
「私だってもう子供ではありませんから」
「そうだな」
サラは体力の限界を無視して力強く踏み込み、剣を突き出したまま突進する。
「兄上!まだまだこれからですよ!」
セドリックの喉元を突き立てるようにサラの突撃は更に加速した。
警戒したセドリックも反撃すべく剣を構えた。
(いつもの特攻か、やはり成長したとはいえ、まだまだ癖は直らないようだな)
猪突猛進
セドリックはサラの突撃をそう呼んでいる。
幼少の頃よりサラの苦し紛れの特攻を難なく跳ね除けてきた。
いつもと同じだ。
(動きが直線的すぎて合わせやすい)
サラの動きに合わせてセドリックは反撃の構えに入る。
しかしサラは更に成長していた。
たった一度だけの好機
いつもの突撃による突きの攻撃からフェイントを仕掛けたのだ。
いままでフェイントをしなかったサラが突然仕掛けてきた。
そのことにセドリックは驚いた。慌てて体勢を整えようとしたが、間に合わずサラの剣を横腹に受けてしまう。
「うっ!」
やった!
私は初めて兄に攻撃が当たったことに喜んだ。
しかし、
カランーー。
「え?」
知らぬ間に持っていた剣は振り払われており私の後ろには自分の剣が落ちていた。
そして意識を前に向けると兄の剣は既に私の首元に突きつけられている。
「くっ!」
「それまで!」
私は油断してしまった。
攻撃が当たった時に力を抜いてしまい、その隙を狙われて剣を振り払われてしまったのだ。
「セドリックの勝ち!」
私は、負けた。
一瞬の隙が命取りであるとはこのことなのだな。今回の敗北で私はそれを痛切に感じた。
呆然と立ち尽くした私に兄は剣を拾い返してくれる。
「サラ、強くなったな」
セドリックの脳裏には負けて泣きじゃくる子供の頃のサラが浮かんだ。そして目の前にいる成長した妹とソレが重なって見える。
(本当に、強くなった)
セドリックは兄としてサラの成長を誇らしく思った。
「あ、兄上、あ、ありがとう、ございました」
「さっきのフェイントは良かったよ。ただそれが敗因だったな。次は気をつけろよ」
「は、はい、う、うぅ・・・」
兄は私の肩をポンポンと叩いて颯爽として立ち去った。
私は、また、負けてしまったのか。
試合が終わった直後、私の足がすでに限界を超えていることを訴えてくる。鈍く重い足を引き摺りながら私は待機室へと戻っていった。
♢
《アレク視点》
サラが僕のもとに戻ってくると周りにいた同じ学年の生徒たちがサラを褒め称えた。
「サラさん凄かったです!」
「上級生にあそこまで闘えるってすごいです!」
「ビックリしたよ!息をするのも忘れるぐらいに凄い試合だった!」
サラは周囲の反応に驚き、「いやあ、ははは」と言って負けたことを引きずっていた。
僕もサラを慰めようかな。
「上級生によくやったよ!あのフェイントは良かった!」
「ありがとうございます、でも、負けてしまいましたので」
「負けは恥じゃない。また更に強くなるための発奮材料でしかないんだ。サラはまだまだ強くなるよ」
「は、はいぃ」
サラは涙目になり顔を隠した。
気持ちの整理をしているのだろう。
しばらくしてアイリーンが待機室にやってきた。
「サラ、素晴らしい戦いでした。負けたとしてもあなたはまだ一年生。確かな実力は示せたと思いますわ」
「は、はい、ありがとうございます」
サラは気落ちしたままだったが、慰められるほどに今度は敗北への罪悪感が募ってきたのか愛想笑いをしてトボトボと観客席に行ってしまった。
アイリーンもこれ以上のフォローは無理だと判断してサラと同じ席へと行ってしまった。
二人が去った後、僕は一人待機室に残されてしまった。
しばらくして他の選手たちが闘技場に出ては敗退者たちは待機室から去っていった。
どうやら一回戦最後の試合が終わったようだ。
次はいよいよ二回戦だ。
「それでは二回戦を始めます」
Aブロックの試合は8試合ほどあった。
Bブロックも同じだろう。
「そういえばシード枠ってあるのか?」
僕はもう一度トーナメント表を見ると、シード枠は最上級生である四年生のみと決まっているようだ。
「次の相手はと、あ、シード枠の上級生かあ」
なんと次の二回戦目の相手はシード枠だった。
しかもシード枠の選手に勝っても次の相手は先程サラと戦っていたセドリックになるかもしれないみたいだ。
セドリックが無事二回選を勝ち進めることになれば僕はサラの兄と戦うことになる。
もしサラが勝っていたらサラと戦うことになっていたのかもしれない。抽選なんだろうけど、なんか選別がえげつないな。
「運営もむごいなー」
僕がのんびりと待機室で休んでいると闘技場から大きな声援が聞こえてくる。
よほど人気のある生徒なのだろうと僕は闘技場を見て思わず顔を顰めてしまった。
「それでは二回戦からシード権のある選手が登場します」
「四年生カイン!」
観客席は大きな声援でカインを讃える。
(アイツかよ!)
アイリーンを懸想する美丈夫カイン。
ワーワーキャーキャーと女生徒たちの声援が響く中、カインが出場した。
対して三年生で強そうなまたガタイの良い生徒が出てくる。
(あれ?なんかさっき戦った奴と似てないか?)
同一人物じゃないよな。
顔が似ているなと思った僕は一応トーナメント表を確かめてみた。カインはBブロックの方で互いに決勝戦にまで勝ち進めることができれば、僕は再びカインと戦うことになる。
それを知った僕はまた鬱蒼となった。
「マジかー、またアイツと戦うなんてめんどくさいな」
しかし逃げることはできない。
アイリーンの前で負けることもできない。
「やってやろうじゃないか!」
僕は拳を握りしめて決意を固める。
「あ、そういや、あのおっさんみたいな上級生はなんだったっけ」
僕は再びトーナメント表を見る。
トーナメント表を見てわかったことは先に僕と戦っていた方が兄でカインの相手は弟の方のようだった。
苗字か同じだったからね。
僕に負けた兄の方は今は観客席で弟を応援しているようだ。
僕は思う。
異世界モノで出てくるこういった老け顔キャラって本当に十代なのか?
ほんとよくあるよな。
いつもの疑問である。
「始め!」
掛け声と共にガタイの良い三年生はカインに攻撃する。ガタイの良い三年生はニヤニヤとしながらカインに攻撃する。
対してカインは冷静に剣を受け止めて切り返す。カインは攻守ともにバランス良く、相手の方は力技で押し込んでいくタイプの選手だ。
しばらくして三年生が仕掛けてきた。
剣で斬り込むようにするところを身体ごとタックルする様にカインにぶつかったのだ。故意であれば反則なのだが、わざとらしくもたまたまバランスを崩してそうなったかのように見せる技術はすごかった。
しかしカインは押し倒されることなくタックルを受け止めて、しかもバランスを崩した相手を投げ飛ばしてしまう。
観客たちは騒ぎ出す。
アイリーン「反則じゃありませんの?」
サラ「いや、ギリギリ大丈夫のようです、審判も何も言ってきませんし」
アイリーン「でも相手を投げましたわよ?反則負けで良いのでは?」
サラ「うーん、そうですね。でも反則ではないようです。審判も何も言わないので大丈夫みたいですね」
アイリーン「解せませんわ。あんな奴負けてしまえば良いのに」
アイリーンはカインが優位なためか、悔しそうに扇子を握りしめた。
三年生は自分から仕掛けたにもかかわらず、思わぬ反撃で恥をかかされたことに腹を立てた。そして乱暴な程に剣を振り回してカインを斬りつける。
カインはそうした三年生の攻撃を鼻で笑い、最小限の動作で攻撃をかわし、剣で受け止め、そして反撃する。
あっという間に劣勢になった三年生は焦りながらも攻撃をするしかなかった。
そしてとうとう優劣が決まる。
「それまで!」
カインは相手の首に剣を当てたあと、とうとう相手も負けを認めて項垂れる。実力の違いを見せつけるような試合だった。
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