転生したら王子だったけど僕だけ前世のまま(モブ顔)だった( ゜д゜)

あんこもっち

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学園編

エリクサーの完成②

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今回僕の作ったエリクサーはフラン先生が作業工程と合わせて細かく分析をするそうだ。

「ちょっと行ってきますねぇ」

彼女はたくさん走り書きしたメモを脇に携えて鍋ごと持って研究室の奥へと籠ってしまい、結局その日は解散ということになった。

研究が進み次第、また僕らを呼び出すらしい。

今回、悪役令嬢ローズマリアは何もすることなくただ立っていただけだった。とはいえ、まるで自分がこの研究のボスであるかのような態度で意気揚々として帰っていったのは何故だろう。理解に苦しむ。

アイリーンはそんな高飛車なローズマリアの後ろ姿を悔しそうに見続けていた。

エリクサー制作二日目、

フラン先生の招集があり、僕は再び先生の研究室へやってきた。

研究室に入るとすぐにフラン先生が猫撫で声で声をかけてきた。

「アレク王子ぃ、体の調子は大丈夫ですかぁ?」

「あ、はい、大丈夫です」
(あ、この人寝てなくね?目のクマが酷いことになってるんだけど)

「そうですか!それは良かったですぅ!さあアレク王子も来たことですし、もう一度エリクサーの作成に挑戦しましょう!」

フラン先生の目の下にはがっつりクマができており、まるで幽鬼のようにユラユラと身体全体が左右上下に揺れていた。しかし対照に精神の方は限りなく元気そうで眼球は血走っている。

(徹夜明けのハイテンションかぁ、この人大丈夫かなぁ)

「さあ!やりますよぉ!!」

こうして二回目の実験のためフラン先生の説明が始まった。

今回は僕がエリクサーを作るのと同時に、他の魔法師もフラン先生の指示に従ってエリクサーを作るそうだ。

ローズマリアとパロム、そしてアイリーンともう二人後から来る人と計五人でエリクサー作りをすることになった。

えいえいおー!

フラン先生はハイテンションで俄然やる気に満ちている。

悲願のエリクサー作成まであと少しなのだ。
気合いが入らないわけがない。今はただ本人のやる気が空回りしないことを祈るばかりだ。

「今回は人数が多いので実験室を借りることにしました。今から実験室に向かいましょう」

フラン先生の後をついていくと実験室と呼ばれる少し広い部屋に着いた。部屋に入ると昔の理科室みたいな部屋には今回の共同研究に参加する生徒がいた。

そこには僕の従者ジョージがいた。

「あれ?ジョージじゃないか」
「アレク王子、今日はどうぞよろしくお願いします」
「アレク様、この方は?」

「あれ?アイリーンはジョージのことを知らないの?」

「はい、存じておりませんわ」

「僕の名前はジョージといいます。以前アレク王子のお世話をしていたサーシャは僕の姉です。今回は土属性の魔法が必要だとのことで是非お手伝いしたいと思って参加しました」

「あらサーシャさんの弟でしたの?」

「はい、僕は三男で他に八人の兄弟がいます」

「そんなにいるの!?」

「姉から聞いていませんでしたか?」

「何にも、いつも小言ばかり聞かされてた」

「ははは!それは姉らしいですね」

「サーシャさんの弟でしたか。わたくしはアレク様の婚約者アイリーンですわ」

「ええ、存じております。こちらこそよろしくお願いします」

「ええ、これからもアレク様のお世話をお願いしますわ」

僕とアイリーンがジョージと話していた時、アイリーンの兄アランが突然割り込んで来た。

「アイリーン、僕のことは無視かい?」

「あら、お兄様、来ていらしたの?」

「ああ、僕も呼ばれたのでね」

「お兄様も今回の研究に参加しますの?」

「そうなんだ。フラン先生がどうしてもって言うから仕方なくね」

実のところアランはローズマリアの命令で参加することになったのだ。第二王子派の二人はアレク王子が伝説の秘薬エリクサーを作ったということに驚き、その研究を邪魔するか、あわよくば研究成果だけ自分たちのモノにしようと考え、研究に参加することにした。

こうして敵側のスパイとなったアランはフラン先生に「魔力が必要なら僕が手伝ってあげても良いですよ?」と言ってきたのである。

もう一つアランは妹のアイリーンが研究に関わっていて自分がその中に入っていないことに不満だったということもある。

兄のプライドなのか面倒この上ない。

アイリーンは兄がローズマリアの子飼いとなっていることをすでに知っている。

おそらく何か企んでいるだろうとは思いながらもしばらくは二人の様子を見ることにした。

(ま、いいですわ。二人ともせいぜい干からびるまで魔力を出し尽くしてもらいましょう)

「そうなのですか!お兄様がいるのであれば心強いですわね!」

表向きは喜びつつも、実の兄に対して結構腹黒い事を考えるアイリーンだった。

「それでは始めましょう!」

全員が集まったところでフラン先生が号令をかけた。

今回のエリクサー研究の役割はアレクが先に作り始める。そして同時に他のメンバーたちもエリクサーを作りはじめた。

「みんな、この鍋にゆっくりと魔力を注いでください」

フラン先生の指示に従ってみんなで魔力を注いでいく。

まぜまぜ、

まぜまぜ、

まぜまぜ。

フラン先生の指示で必死に混ぜること30分。

「そ、そろそろですかね」
 
皆、魔力に余裕がある。ジョージやパロム、ローズマリアもさすがは上級生とあって魔力の流し方が上手い。アイリーンも頑張っているようだが、兄のアランがウザ絡みしてくるので面倒くさそうだ。

全員の魔力はしっかりと薬液に流れたようだ。しかし、なかなか鍋にある液体の色の変化はない。

「んん、そろそろのはずなのですが」

フラン先生も首を傾げている。

「あっ!」

鍋の液体が淡い光を帯び始めた。

「で、出来ましたぁ!」

こうして瓶に移した液体を見てフラン先生はカラーパレットに合わせて確認する。

「ん?こ、これはただのエキストラポーションですぅ」

「エキストラポーション?」

「ハイポーションの上位版ですぅ。これはこれで世紀の大発見なのですけどぉ、エリクサーではないですねぇ」

フラン先生は残念そうに瓶を見ていた。

アイリーン「何が足りないのでしょう」

その場にいる者たちは黙考する。
しかし誰も答えられず、妙案も浮かばないため沈黙がその場を支配する。

「他の属性も必要なのでは?アレク王子が全属性なのであれば水と火、風、土以外の属性も必要ありうるのではないかしら?」

ローズマリアの発言に皆そうかもと頷いた。

フラン「そうですねぇ、他の属性でいうと光と闇ですかねぇ」

アレク「光?」

フラン「ええ、聖属性ともいわれるのですが水属性のポーションと比べると圧倒的に回復力が高い属性ですぅ。どんな病も治るといわれるエキストラポーションも聖属性魔法から作られているので四属性の魔力で作れると判明しただけでも今回の研究も全く無駄ではありません」

アイリーン「この学園にいるのですか?」

フラン「この学園にはアレク王子以外には・・・そういえば聖教会にいますかねぇ、聖女と呼ばれている方が貴重な聖属性魔法の使い手だと聞いたことがありますぅ」

アレク「闇は?」

フラン「これも貴重でしてぇ、たしか毒性魔法を使うファントム君が闇属性の一部を持っていたと思いますぅ」

アイリーン「一部?」

フラン「闇属性でも全てではなくその一部を有した魔法師はいますねぇ、おそらく全ての聖属性と闇属性を有している魔法師は全属性のアレク王子だけだと思いますぅ」

アレク「え!?僕?」

フラン「闇属性はまだまだ謎が多くて解明されていないのですぅ。そもそも使い手が少ないのでぇ」

「「なるほど」」

アイリーンとジョージは頷いた。

ローズマリア「ならばこの研究はどうされますの?」

フラン「そうですねぇ、今から人を集めても間に合いませんしぃ・・・そうですねぇ、それならアレク王子の体の一部を液体に入れてみるのはどうでしょう!」

アレク「・・・え?」

フラン先生の一言でここに居る全ての生徒たちが固まった。
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