猫好きが転生したら世界最強のテイマーになりました!?

白鷺人和

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十話

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「何故かって?大事な新人を守る為だよ、君のような悪漢からね」

「おいおい散々な言われようだなぁ、ちょっと遊んでただけだぜぇ?」

柔らかな語り口調とは裏腹に、二人の間に不穏な空気が立ち込めていた。グランさんは大槍を持った手に力を込め、レオルダスも鋭い視線をグランさんに浴びせている。

そんな二人のやり取りの端で、私は状況が飲み込めずにいた。
グランさんが、何でここに……?

「なんなら、次はアンタと遊んでも良いんだぜぇ……ッッッッ!!!?」

グランさんに顔を近付け凄んだレオルダスの首もとに、目映い白銀の剣が差し込まれた。

「それ、僕も混ぜてくれないかな?レオルダス」

「カサンドラ、お前まで……」

突如として現れたのは、まるでお伽の国の騎士のような男だった。

整っているが柔和な色白の顔と目映い金髪。
レオルダス程ではないが190センチはあろうかと言う巨駆。
そして、煌びやかな装飾のされた白銀の盾と鎧。

誰?この人……。

困惑する私を他所に、三人の男たちのにらみ合いは続いた。

最初に音をあげたのは、レオルダスだった。

「やめだやめだ!!アンタらとヤり合うにはコンディションが悪すぎらぁ……」

そう言った直後、レオルダスは無造作に私の髪から手を離した。
自由落下する私をまた別の誰かが受け止めた。セイラさんだった。

「ココロ様!!大丈夫ですか!!!?」

上から覗き込むセイラさんの顔は、涙でクジャグシャになっていた。

「ごめんなさい、私がココロ様の行き先を教えたばっかりに……ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい!」

セイラさんは、泣きじゃくりながらひたすらに謝っている。
あぁ、セイラさんがグランさんを呼んでくれたのか……。

視界の端に、元気に帰っていくレオルダスの姿が見えた。

「処分は、追って連絡するよ」

身震いするほど冷たくグランさんが言った。

「おーう、楽しみにしてるぜ」

そう言うとレオルダスは振り返ること無く去っていった。

よかった、アイツがいなくなって……。
マグちゃんと金ちゃんは……?

かろうじて動く目線だけをマグちゃんと金ちゃんに向けると、何やら魔術師のような人たちが魔法を掛けていた。

「あれは……?」

掠れた声で尋ねると、セイラさんの表情が更に曇った。

「あれはバトルギルドでも生え抜きの回復術師達です。大丈夫手すから、あとは任せてください」

私はコクりと頷いた。もう喋る気力すらも残っていない。

徐々に視界が暗くなっていく。セイラさんがまた何か言ってるけど、もうそれも聞こえない。

あぁ、意識が無くなっていく……。
まだ……ご褒美……貰ってないのになぁ……。

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