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番外編 後日談
11. 若い冒険者達
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すみません、アップの日時を一週間勘違いしていたようです。遅れましたがアップします。
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宿に戻ると、クリスさんが忙しいということと、スレインさん達が帰ってくるタイミングを考えて訪問は3日後の昼過ぎにお願いすると連絡が入っていた。忙しいのに大丈夫なのかな?
サクラの町を散策していたが、勘を取り戻すために訓練場に行ってみる。だいぶ身体の動きと感覚が近づいてきているのでちょっと力試しをしてみたい。
ちなみに前にユータ達に会ったあと、装備は予備品に取り替えることにした。やはりメインの装備だと目立ちすぎると言われたからだ。防具関係は革関係のものになったが、剣がミスリル製なのは仕方が無いだろう。まあ良階位だから武器がこのレベルのものでもおかしくないだろう。
訓練場では知らない人同士でも対戦が出来るようになっているのは昔と変わらない。ただここには全く知った人がいないというのが問題だ。訓練場のチェックは自動になっているから楽だな。
「ほら、かかってこいよ!!!」
訓練場に入ると大きな声が聞こえてきた。もめ事か?と思ってそっちを見てみると、先日見かけたクリスさんに似ている男の子だった。
「お仕置きをするって言っていたのはどの口なんだ?上階位のくせにそんな装備なんて生意気と言っていたが、階位だけが実力を示すものじゃないんだよ!!」
周りにいた人に話を聞くと、叫んでいるのはサクラを中心に活動している王蠍というパーティーのメンバーで、その相手は最近こっちにやって来たパーティーらしい。
王蠍のメンバーは上階位なのにミスリルの装備を身につけていることから因縁を付けられたみたいだ。まあこういう人はどこにでも一定数いるんだな。
王蠍のメンバーは冒険者になってからそれほど経っていないので階位は上階位だが、実力はすでに良階位と言っていいレベルらしい。上階位まではかなりのスピードで昇格したようだが、やはり実績ポイントを貯めるのがきついのだろう。高階位の魔獣を狩らないとなかなか難しいからなあ。
しかしどう考えても実力に差がありすぎるな。さすがに他のパーティーメンバーが止めに入り、負けた方のメンバーは早々に訓練場から出て行った。サクラに来たばかりと行っていたが、おそらくこんなことをしてしまったらここでの活動は厳しいだろうな。逆恨みされなければいいけど・・・。
そう思って彼らを見ていると、こっちに近づいてきた。
「あんたたち、前に少し会ったよな?」
「ええ、そうですね。あのときは知り合いに似ていたのでつい声を上げてしまったんです。」
「ここに来たって事は訓練に来たんだよな。折角だからちょっと手合わせしてくれないか?さっきのあいつらが言ったことではないんだが、そんな装備と言うことはそこそこ実力があるんだろ?」
「おいおい、いきなり失礼すぎるだろ。」
他のメンバーが止めに入ってきたが、折角なので相手したもらおう。
「いや、気にしなくていいですよ。自分たちもちょうど対戦しようと思っていたので相手してくれるなら助かります。一応これでも良階位なので手加減は無用です。」
良階位と言うことに驚いたようだ。年齢的には自分たちの方が下に見られている感じだから仕方が無いのかもしれないな。
「それじゃあ、相手してもらおう。そっちの彼女も同じなのか?」
「ああ、実力は自分と同じくらいだ。」
「アル!!」
「リク、いいだろう。折角だからおまえも相手してもらえよ。ちょうどあっちの女性はおまえに近いスタイルみたいだしな。」
アルと言われた男性はかなりがっちりとした体格で、盾と剣を持っている。ジェンの相手は短剣と盾なので確かに近いスタイルのようだ。
「それじゃあ、お相手願います。」
さっそくアルと言われる剣士と打ち合いを始める。冒険者上がりと言うよりは騎士に近いような動きをしている。そういう人たちに稽古を付けてもらっていたのだろうか?ただなんか動きが・・・。
上階位というにしては実力はたしかに高いんだが、今の自分たちにはまだまだ実力は足りないといった感じか?感覚にずれも感じないし、自分たちの実力も戻ってきたと考えていいのかな。
まったくかなわないと思ったのかかなり悔しそうにしている。ただ怒りにまかせて動きが乱雑になるわけではないのは褒められるところだな。冷静さを欠いてしまったどうしようもないからね。
「デフ!!」
声を上げるといったん少し離れたところに行った。
「アル、さすがにそれは・・・。」
「いいからやれよ。」
ため息をつきながら何かやっている。これはもしかして・・・。
動きを見ていると一気に突撃してきた。速い!!でも分かっていたら対処は簡単だ。突撃の軌道を読んでいたら問題は無い。こっちも土魔法と風魔法で動きを速くしていたしね。躱した後、さらに速い動きで相手に追いついて攻撃を仕掛けると、さすがに降参してきた。
「まいった・・・。」
「アル・・・くんと言ったかな。今回はあくまで訓練と言うことだったと思うんだが、他の人の力を借りるというのは良くないことだな。しかもまだちゃんと身についていないことを無理に使うのも感心しない。まだ制御できないのであればなおさらね。」
さすがにそう言われて落ち込んでいるようだ。
ジェンの方を見ると、どうも相手をすると言うよりは指導しているような状況になっていた。かなり実力差があると言ってもいいかもしれないな。
「ジェン、そろそろいいか?」
「分かったわ。
それじゃあ、このくらいにしておきましょうかね。」
「ありがとうございました!!」
リクと言われた男の子は指導を受けていたというのが分かっていたのか、お礼を言っていた。アルと言われていた男の子は仲間に励まされた後、こちらにお礼を言って出て行った。まあちょっとムキになっていたようだが、礼儀は正しいみたいだな。
「なんかアルドさんと戦っている感じがしたんだけど気のせいかな?」
「私はスレインさんの様に感じたわ。」
「やっぱりそういうことなのかもしれないな。と言うことはまた会うことになるのかな?」
~冒険者Side~
最近地方からやって来た冒険者がいるんだが、どうもたちが悪い。小さな町で良階位となるとその地域ではかなりの実力者という扱いだが、サクラで良階位なんて普通にいるからな。
まあ実害がなければいずれは分かってくるので放置していたんだが、今日も年下の冒険者に因縁を付けていた。ただ運が悪いのはその相手だった。
1年ほど前に冒険者になったばかりだが、もともと実力があったのですぐに上階位まで上がってきた奴らだ。実力だけならすでに良階位と言っていいレベルだが、実績ポイントがたまらなくて上階位にとどまっている。
普通、あれだけの実力があればもっと強い魔獣のいるところに行って実績ポイントを稼ぐのが普通なんだが、事情があるのか、遠征だけで対応しているみたいだ。
因縁を付けた方はあっさりとやられてしまったが、いい薬になっただろう。まあ逆恨みして変なことをしなければいいがな。
そのあと王蠍のメンバーがそこに来ていた他の二人と対戦していた。そっちは見たことのない顔なので地方からやって来た奴らなのかもしれない。
しかし、その実力には驚かされた。王蠍の二人が全く手が出ないのだ。対戦と言うよりは指導を受けている感じになっていたからな。あのメンバーが全く手も足も出ないなんて、あれで良階位なのか?どう考えても優階位の実力はあるだろう。
そのあと二日ほどやって来たので、俺もいろいろと指導をしてもらったが、他の奴らもいろいろと助言を受けていた。若いのにかなり指導が的確で驚きの連続だ。
訓練の間に差し入れをしてくれた果物がかなりうまかった。見たことのなかった果物だったので聞いてみたら、ナンホウ大陸ではありふれた果物らしい。
そう聞いていたんだが、あとで他の奴らからかなりの高級品と聞いて驚いた。20年ほど前は高級品とはいえまだ出回っていたものだが、今ではほとんど出回らなくなったもののようだ。みんながっついて食べていたが、それだけでいったいいくらになることか・・・。
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宿に戻ると、クリスさんが忙しいということと、スレインさん達が帰ってくるタイミングを考えて訪問は3日後の昼過ぎにお願いすると連絡が入っていた。忙しいのに大丈夫なのかな?
サクラの町を散策していたが、勘を取り戻すために訓練場に行ってみる。だいぶ身体の動きと感覚が近づいてきているのでちょっと力試しをしてみたい。
ちなみに前にユータ達に会ったあと、装備は予備品に取り替えることにした。やはりメインの装備だと目立ちすぎると言われたからだ。防具関係は革関係のものになったが、剣がミスリル製なのは仕方が無いだろう。まあ良階位だから武器がこのレベルのものでもおかしくないだろう。
訓練場では知らない人同士でも対戦が出来るようになっているのは昔と変わらない。ただここには全く知った人がいないというのが問題だ。訓練場のチェックは自動になっているから楽だな。
「ほら、かかってこいよ!!!」
訓練場に入ると大きな声が聞こえてきた。もめ事か?と思ってそっちを見てみると、先日見かけたクリスさんに似ている男の子だった。
「お仕置きをするって言っていたのはどの口なんだ?上階位のくせにそんな装備なんて生意気と言っていたが、階位だけが実力を示すものじゃないんだよ!!」
周りにいた人に話を聞くと、叫んでいるのはサクラを中心に活動している王蠍というパーティーのメンバーで、その相手は最近こっちにやって来たパーティーらしい。
王蠍のメンバーは上階位なのにミスリルの装備を身につけていることから因縁を付けられたみたいだ。まあこういう人はどこにでも一定数いるんだな。
王蠍のメンバーは冒険者になってからそれほど経っていないので階位は上階位だが、実力はすでに良階位と言っていいレベルらしい。上階位まではかなりのスピードで昇格したようだが、やはり実績ポイントを貯めるのがきついのだろう。高階位の魔獣を狩らないとなかなか難しいからなあ。
しかしどう考えても実力に差がありすぎるな。さすがに他のパーティーメンバーが止めに入り、負けた方のメンバーは早々に訓練場から出て行った。サクラに来たばかりと行っていたが、おそらくこんなことをしてしまったらここでの活動は厳しいだろうな。逆恨みされなければいいけど・・・。
そう思って彼らを見ていると、こっちに近づいてきた。
「あんたたち、前に少し会ったよな?」
「ええ、そうですね。あのときは知り合いに似ていたのでつい声を上げてしまったんです。」
「ここに来たって事は訓練に来たんだよな。折角だからちょっと手合わせしてくれないか?さっきのあいつらが言ったことではないんだが、そんな装備と言うことはそこそこ実力があるんだろ?」
「おいおい、いきなり失礼すぎるだろ。」
他のメンバーが止めに入ってきたが、折角なので相手したもらおう。
「いや、気にしなくていいですよ。自分たちもちょうど対戦しようと思っていたので相手してくれるなら助かります。一応これでも良階位なので手加減は無用です。」
良階位と言うことに驚いたようだ。年齢的には自分たちの方が下に見られている感じだから仕方が無いのかもしれないな。
「それじゃあ、相手してもらおう。そっちの彼女も同じなのか?」
「ああ、実力は自分と同じくらいだ。」
「アル!!」
「リク、いいだろう。折角だからおまえも相手してもらえよ。ちょうどあっちの女性はおまえに近いスタイルみたいだしな。」
アルと言われた男性はかなりがっちりとした体格で、盾と剣を持っている。ジェンの相手は短剣と盾なので確かに近いスタイルのようだ。
「それじゃあ、お相手願います。」
さっそくアルと言われる剣士と打ち合いを始める。冒険者上がりと言うよりは騎士に近いような動きをしている。そういう人たちに稽古を付けてもらっていたのだろうか?ただなんか動きが・・・。
上階位というにしては実力はたしかに高いんだが、今の自分たちにはまだまだ実力は足りないといった感じか?感覚にずれも感じないし、自分たちの実力も戻ってきたと考えていいのかな。
まったくかなわないと思ったのかかなり悔しそうにしている。ただ怒りにまかせて動きが乱雑になるわけではないのは褒められるところだな。冷静さを欠いてしまったどうしようもないからね。
「デフ!!」
声を上げるといったん少し離れたところに行った。
「アル、さすがにそれは・・・。」
「いいからやれよ。」
ため息をつきながら何かやっている。これはもしかして・・・。
動きを見ていると一気に突撃してきた。速い!!でも分かっていたら対処は簡単だ。突撃の軌道を読んでいたら問題は無い。こっちも土魔法と風魔法で動きを速くしていたしね。躱した後、さらに速い動きで相手に追いついて攻撃を仕掛けると、さすがに降参してきた。
「まいった・・・。」
「アル・・・くんと言ったかな。今回はあくまで訓練と言うことだったと思うんだが、他の人の力を借りるというのは良くないことだな。しかもまだちゃんと身についていないことを無理に使うのも感心しない。まだ制御できないのであればなおさらね。」
さすがにそう言われて落ち込んでいるようだ。
ジェンの方を見ると、どうも相手をすると言うよりは指導しているような状況になっていた。かなり実力差があると言ってもいいかもしれないな。
「ジェン、そろそろいいか?」
「分かったわ。
それじゃあ、このくらいにしておきましょうかね。」
「ありがとうございました!!」
リクと言われた男の子は指導を受けていたというのが分かっていたのか、お礼を言っていた。アルと言われていた男の子は仲間に励まされた後、こちらにお礼を言って出て行った。まあちょっとムキになっていたようだが、礼儀は正しいみたいだな。
「なんかアルドさんと戦っている感じがしたんだけど気のせいかな?」
「私はスレインさんの様に感じたわ。」
「やっぱりそういうことなのかもしれないな。と言うことはまた会うことになるのかな?」
~冒険者Side~
最近地方からやって来た冒険者がいるんだが、どうもたちが悪い。小さな町で良階位となるとその地域ではかなりの実力者という扱いだが、サクラで良階位なんて普通にいるからな。
まあ実害がなければいずれは分かってくるので放置していたんだが、今日も年下の冒険者に因縁を付けていた。ただ運が悪いのはその相手だった。
1年ほど前に冒険者になったばかりだが、もともと実力があったのですぐに上階位まで上がってきた奴らだ。実力だけならすでに良階位と言っていいレベルだが、実績ポイントがたまらなくて上階位にとどまっている。
普通、あれだけの実力があればもっと強い魔獣のいるところに行って実績ポイントを稼ぐのが普通なんだが、事情があるのか、遠征だけで対応しているみたいだ。
因縁を付けた方はあっさりとやられてしまったが、いい薬になっただろう。まあ逆恨みして変なことをしなければいいがな。
そのあと王蠍のメンバーがそこに来ていた他の二人と対戦していた。そっちは見たことのない顔なので地方からやって来た奴らなのかもしれない。
しかし、その実力には驚かされた。王蠍の二人が全く手が出ないのだ。対戦と言うよりは指導を受けている感じになっていたからな。あのメンバーが全く手も足も出ないなんて、あれで良階位なのか?どう考えても優階位の実力はあるだろう。
そのあと二日ほどやって来たので、俺もいろいろと指導をしてもらったが、他の奴らもいろいろと助言を受けていた。若いのにかなり指導が的確で驚きの連続だ。
訓練の間に差し入れをしてくれた果物がかなりうまかった。見たことのなかった果物だったので聞いてみたら、ナンホウ大陸ではありふれた果物らしい。
そう聞いていたんだが、あとで他の奴らからかなりの高級品と聞いて驚いた。20年ほど前は高級品とはいえまだ出回っていたものだが、今ではほとんど出回らなくなったもののようだ。みんながっついて食べていたが、それだけでいったいいくらになることか・・・。
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