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細く開いた障子の隙間から日差しが差し込み、幸成はそれを遮る様に目に腕を当て、ゆっくりと瞼を開けた。
部屋を照らす光の色から朝の早い時間だと判る。
いつの間に眠ったのか、布団に入った記憶すら無く、まだ覚めきれないぼんやりとした頭で昨夜の記憶を手繰った。
慣れない酒を飲み、思いがけない琥珀の言葉に子供の様に泣きじゃくったのは覚えている。
次から次に溢れ出た思いにも、涙にも堪えられなかった。
───何やってんだ……俺は………
酒の力もあったとは言え、ずっと隠していた思いを琥珀にぶつけてしまった。
口にしたところで、何も変わらないと解っていた。
変わることなど無いと思っていた。
それなのに…………
『お前は充分強い』
あの言葉が胸に刺さったまま抜けない。
初めて認めて貰えたと思えた。
ただ目の前で弱っている者を慰めただけだと解っているのに、それでも嬉しかった。
───それにしたって……あんなに泣くなんて……
自己嫌悪から大きな溜息が口から漏れた。
しかし、安心させるようにずっと髪を撫でていた優しい手と、泣いている間抱いていてくれた温かい胸の感覚がまだ残っている。
あの時……それもまた嬉しかったのだ。
凝り固まる様に、決して無くなることのなかった不安が、熱に溶かされる氷の様に消えていった。
琥珀の腕の中が心地よくて、ずっとこの時間が続けば良いと思っていた。
それを思い出しただけで、頬が熱くなり幸成はその熱を誤魔化す様に寝返りをうった。
すると昨夜自分をあやす様に抱いていた男の寝顔が目の前に現れ、思わず目を見張った。
───なんでこの人がここに──!?
『お前が……オレの伽をするか……?』
出会った時の琥珀の言葉を思い出し、ただでさえ熱かった顔が熱を持つように色付いた。
───まさか……!?
飛び起き布団をめくる。
しかし……ちゃんと着物を着ているし、それらしき“違和感”も無い。
「……何を確かめてんだ……?」
安堵の吐息が口から出たのと同時に、背中から揶揄うように鼻で笑う声が聞こえた。
「───え!?…………あ……」
振り向くといつの間に起きたのか、肘を立てそれを枕替わりにした琥珀がニヤリと意地悪く笑っている。
「ガキみてぇに泣き寝入りした奴に手を出す程困っちゃいねぇよ」
その言葉に一層顔を紅く染めて俯く幸成が、余程可笑しいのか意地悪くクックと笑っている。
「…………そんな風に……笑わなくても……」
恥ずかしさから、つい口を衝いて出た言葉にもまた、笑っている琥珀に幸成は余計面白くなさそうに頬を膨らませた。
しかしその様子が、今度は悪戯心をくすぐったのか、琥珀は今まで以上にニヤリと笑うと、布団に置かれたままだった幸成の腕をいきなり引いた。
突然支えを無くし、均衡を取れなくなった身体が琥珀の胸の上に倒れ、意地悪く笑った顔がすぐ傍に近付いた。
「なんなら今からするか?……幸いな事にまだちび達の起きてくる時間まで間がある」
言うのが早いか、琥珀は幸成の細い身体を簡単に閉じ込め、一瞬の内に自分の下へと組み敷いた。
部屋を照らす光の色から朝の早い時間だと判る。
いつの間に眠ったのか、布団に入った記憶すら無く、まだ覚めきれないぼんやりとした頭で昨夜の記憶を手繰った。
慣れない酒を飲み、思いがけない琥珀の言葉に子供の様に泣きじゃくったのは覚えている。
次から次に溢れ出た思いにも、涙にも堪えられなかった。
───何やってんだ……俺は………
酒の力もあったとは言え、ずっと隠していた思いを琥珀にぶつけてしまった。
口にしたところで、何も変わらないと解っていた。
変わることなど無いと思っていた。
それなのに…………
『お前は充分強い』
あの言葉が胸に刺さったまま抜けない。
初めて認めて貰えたと思えた。
ただ目の前で弱っている者を慰めただけだと解っているのに、それでも嬉しかった。
───それにしたって……あんなに泣くなんて……
自己嫌悪から大きな溜息が口から漏れた。
しかし、安心させるようにずっと髪を撫でていた優しい手と、泣いている間抱いていてくれた温かい胸の感覚がまだ残っている。
あの時……それもまた嬉しかったのだ。
凝り固まる様に、決して無くなることのなかった不安が、熱に溶かされる氷の様に消えていった。
琥珀の腕の中が心地よくて、ずっとこの時間が続けば良いと思っていた。
それを思い出しただけで、頬が熱くなり幸成はその熱を誤魔化す様に寝返りをうった。
すると昨夜自分をあやす様に抱いていた男の寝顔が目の前に現れ、思わず目を見張った。
───なんでこの人がここに──!?
『お前が……オレの伽をするか……?』
出会った時の琥珀の言葉を思い出し、ただでさえ熱かった顔が熱を持つように色付いた。
───まさか……!?
飛び起き布団をめくる。
しかし……ちゃんと着物を着ているし、それらしき“違和感”も無い。
「……何を確かめてんだ……?」
安堵の吐息が口から出たのと同時に、背中から揶揄うように鼻で笑う声が聞こえた。
「───え!?…………あ……」
振り向くといつの間に起きたのか、肘を立てそれを枕替わりにした琥珀がニヤリと意地悪く笑っている。
「ガキみてぇに泣き寝入りした奴に手を出す程困っちゃいねぇよ」
その言葉に一層顔を紅く染めて俯く幸成が、余程可笑しいのか意地悪くクックと笑っている。
「…………そんな風に……笑わなくても……」
恥ずかしさから、つい口を衝いて出た言葉にもまた、笑っている琥珀に幸成は余計面白くなさそうに頬を膨らませた。
しかしその様子が、今度は悪戯心をくすぐったのか、琥珀は今まで以上にニヤリと笑うと、布団に置かれたままだった幸成の腕をいきなり引いた。
突然支えを無くし、均衡を取れなくなった身体が琥珀の胸の上に倒れ、意地悪く笑った顔がすぐ傍に近付いた。
「なんなら今からするか?……幸いな事にまだちび達の起きてくる時間まで間がある」
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