常世の守り主  ―異説冥界神話談―

双子烏丸

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番外編 その4 それから……

再会 その1

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 ―――― 

「おやおや、もしかしてお邪魔、だったかな?」

 と、そんな時ある人物が、ルーフェ達のいる所へと現れた。
 ルーフェは声のした方を見ると……。

「あっ! トリウスさん……お久しぶりです」

 現れたは、魔術師のトリウスだった。
 
「ふふふ。元気そうで何よりだとも。……エディアさんも、もう立派な母親とは、驚きだ」

 エディアもまた、トリウスに挨拶をする。

「お待ちしていました、トリウスさん。
 今日はこちらに来るって聞いていましたから、腕によりをかけてご馳走を用意したもですよ」

「ほうほう、それは……楽しみだ」

「どうか期待、してくださいね。
 ……ところで」



「あー! 何だろ、これっ!」

「小さくてピカピカして、綺麗ね」

「きえー、きえー」
 
 子供たち、ルイにエリナ、それにリリアは、鞄に座っている小さな精霊、ウィルに見とれていた。
 ウィルも三人をきょろきょろと見て、少し緊張しているようだった

「……子どもたちも、気になっているみたいですね。
 あの小さい子、何なのかしら?」

 どうやらエディアも、ウィルを気になったようだった。
 トリウスはふふっと、含み笑いをする。

「この子は、ウィル。今は私とともに暮らしている、精霊だよ。
 私も、あれから色々とあってな。……まぁ、ここでは何だ、詳しいことは後で話すとしよう」

 ルーフェは頷く。
 
「ええ。――せっかく来たのですから、家でゆっくりして下さい。
 ラキサたちも、来るのですよね。それを待ちながら……ね」



 ――――

 家に入り、椅子に腰掛けゆっくりとする、トリウス。

「……うむ。この紅茶、実に格別だな」

「ありがとうございます。ふふ、召使いだったころには、よくこうして紅茶を、ルーフェさまに用意したものです」

 エディアはニコッと、嬉しそうに笑う。
 ちなみにルーフェも、その傍で同じく紅茶を口にしていた。

「エディアの入れてくれる紅茶は、世界一なんです。
 ……それに、エディア」

「えっ?」

「くすっ、さっき僕のことをさん付けで呼んだね。
 最近はめっきり聞かなくなったから、ちょっと懐かしいってね」

 ルーフェは可笑しそうに、くすくすと笑った。
 これにはエディア。恥ずかしさで赤面してしまう。

「うう……、ルーフェの、いじわるです」

「ふふっ」

 そう恥ずかしがって、少しふくれっ面の彼女。
 これはこれで――。やっぱり可愛いなと、つい思ってしまうルーフェだ

「おやおやおや、ルーフェもなかなか、隅には置けないな」
 
「トリウスさん……余計なこと、言わないでくださいよ」

 そんな気持ちを覗かれた感じがして、今度はルーフェが赤面する番だった。

「それは失敬。……ちなみに、私のウィルは、向こうで遊んでいるようだね」



 
 そう、今は別の部屋で、子供三人はウィルと一緒に遊んでいた。
 ちなみにまだずっと小さい、赤ちゃんのリースはベッドでぐっすりだ。
 もう眠くなって、しまったらしい。

「遊び相手が出来て、みんな嬉しいのさ。精霊なんて見るの、初めてだから」

 ルーフェはそう、トリウスに話す。
 
「喜んでくれて、私も嬉しいとも。
 ……さて、もうそろそろ、ラキサも来ていいと思うのだが、どうだろうな?」


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