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ロッカの街〜アイオール皇国
第33話 砕けるものと砕けぬもの
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全身を鉄の鎧で包んだ巨人はその手に握った分厚い剣を振り下ろした。
俺とジャックがそれぞれ弾けるように左右へ動き、それをかわす。
肉厚の剣は地面をまるでバターかなんかのようにやすやすと抉った。
「おう、これは凄いパワーだな……でもスピードがないからそれほど怖くない……か?」
剣をかわせた事で一息つきながらそんな事を考えていると、ジャックがその手をするどい爪に変えて鉄巨人に斬りかかる。
鉄巨人は反応出来なかったのか、ジャックの攻撃はその胸元に吸い込まれた。
——ギャイィィン
そんな金属を叩きつけ合った音が響き、ジャックは弾け飛んだ。
攻撃を受けたはずの鉄巨人は……全くの無傷。
おそらくかすり傷すらついていないだろうな。
「マスターっ! あの鎧はかなりの硬さですね。まるで攻撃が通りません」
「そうか、じゃあ次は俺がいってみよう」
俺はそういうと鉄巨人へと駆け寄った。
そんな俺を目の端に捕らえたか、鉄巨人は横薙ぎの剣を振るってきた。
「フッ……」
俺は短く息を吐くと、その剣の下をくぐり抜けるようにして鉄巨人の足元に滑り込む。
そしてそのままの勢いで思いっきり右足をぶん殴った。
——ゴイィィィィン……
その鎧はまるで鐘のような音を鳴らした。
鉄巨人は俺の拳の威力に押されたか、一瞬たたらを踏む。
どうにか倒れずに持ち直したその巨人の鎧は、少し凹んだようにも見えるが……。
「うわぁ……結構力を入れたのにあれか」
「マスター、盗賊から奪った武器の中に打撃系の武器はありませんでしたか?」
「打撃系というとハンマーとかそういうのか?」
「ええ。あいつには私の爪だと相性が悪いので……」
「そうか。剣は大分売ってしまったが、そういう武器は残っていたような気がするな。……ちょっと待ってろ」
俺は反撃とばかりに繰り出してきた鉄巨人の突きをかわして、距離を取った。
ジャックはそんな俺へ鉄巨人が向かわないように、とまとわりついてくれている。
相性が悪いといっていた爪でも注意を引くことくらいは出来るようだ。
それを確認した俺は台帳を取り出して、馬車の中の物を確認する。
「ハンマー……ハンマー……っと。お、バトルハンマーというのがあるな」
俺はそれを確認すると馬車まで走る。
馬車から念じるだけで荷物を取り出せるのはいいけど、触れていないと効果がないのがちょっと不便だ。
馬車まで来ると、ゴンザさんをはじめとした馬車の面々が外に降りていた。
聞けば、いざという時に馬車ごと潰されないように、とミルカが提案したらしい。
「この馬車は見たことがねぇとんでもない硬さの金属で出来てやがるから”あれ”に踏まれようが大丈夫だって俺は言ったんだがなぁ……」
ゴンザさんはそういいながら鉄巨人を見ている。
馬車から鉄巨人まではそれなりの距離があるのに、それでもなお大きく見える。
おそらく三メートルはあるだろうな。
俺は急いで馬車に触れると、バトルハンマーを取り寄せる。
それから気になっていることを尋ねた。
「セフィーはどうだ?」
かがみ込んで治療をしているローズの下ではセフィーが手足をバタつかせていてとても苦しそうだ。正直見ていられないほどの暴れようだな。
「傷はすぐに治ったのですが……やはり、毒の方は……」
ローズが苦虫を噛み潰したような顔をしながら言葉を絞り出した。
あの優男は解毒薬などないと言っていたが、魔法でもダメか。
となるとセフィーの命はもう……。
「ねぇご主人さま……フィズもあの巨人と戦いに行っていい?」
フィズが怒りに震える声でそんなことを言い出した。
確かにフィズの蹴りなら効くかもしれない。
でもフィズの小さな体であの攻撃を受けたらどうなってしまうだろうか。
いや、やっぱりダメだ……そう言おうとフィズの方を見ると、既に人型になっていて戦闘準備は万端という様子だった。
興奮しているからか、その額の角はしまい忘れている。
「フィズ、角が…………いや、待てよ?」
「え、角がどうしたの?」
「なぁフィズ、昨日の俺にしたみたいに出来ないか!?」
「昨日みたいにって…………あ、解毒!?」
フィズは俺が言いたかったことを汲み取ってくれた。
昨日見た、いや感じたあの力があればセフィーの毒がもしかしたら浄化できるのではないだろうか?
「ちょっとやってみてくれないか!?」
「わ、わかったわ!」
フィズは頷くとセフィーの元へ駆け寄っていった。
「それじゃ俺はジャックのところに戻るからな!」
俺はみんなにそう声をかけて、鉄巨人と戦っているジャックの元へと戻った。
「すまん、遅くなった!!」
見れば、ジャックは頭から青い血を流している。
「すみません、油断して剣がかすってしまいました」
「大丈夫か!?」
「ええ、戦えないほどではありません!」
瞳に強く赤い光を灯しながらそういうジャックに、バトルハンマーを手渡す。
「本当は休んでろって言ってやりたいが……本当にいけるか?」
「もちろんですとも! 動かぬ雨樋として何百年も休みましたから……もう休みなどは永遠に要りませんっ!!」
そう言い切ると、ジャックはハンマーを肩に担いで空へ飛び上がった。
鉄巨人がそんなジャックへ剣を振り上げようとしたので、俺はすかさず鞭でその腕を絡めとる。
「ぐぐっ……」
鞭を絡めた俺は、その巨人のパワーで地面を引きずられる。
「確かにとんでもないパワーだ……だけど俺だってパワーじゃ負けてないんだよ!」
俺はそう叫ぶと、足を踏ん張って鞭を力いっぱい引く。
「グ、グオォォォォォッ」
鉄巨人は焦りを滲ませた叫びを上げると、その足をふわりと浮かせた。
「おらあぁぁぁっ!」
バランスを崩した鉄巨人に追い打ちをかけるよう鞭を引くと、ズドンという爆発音のような轟音を響かせながら巨人は地面に堕ちた。
「ジャアァァァックッ!!」
俺がそう叫ぶと、ジャックは空から流星のように降ってきて砂埃の中の巨人にハンマーを叩きつけた。
——バキィィィンッ!
そんな鉄が砕け散るような音が辺りに響いた。
「やったかっ!?」
砂煙が晴れるとそこには鎧の胸部を凹ませた巨人がいた。
「マスター、すみません。ハンマーが砕けてしまいました……」
「くっ……やつの鎧の方が硬かったってことか?」
「ええ。ハンマーがもっと硬い金属であれば良かったのですが、盗賊の集めたような粗悪品では……」
もっと硬い……?
俺はその言葉に引っかかりを覚えた。
ついさっきそんな話を聞いたような……。
「ガァッ! グオォォォォォッ!!」
鉄巨人は怒りを含んだ咆哮をあげながら体を持ち上げる。
その鎧は、先程とは少し違う形をしていた。
それは何人も近づかせない、という意思の現れか。
鎧の表面からは短く鋭い棘が何本も生えていたのだ。
「おいおい、そんなのに触れたら人間おろしになっちまうぞ……」
そんな俺の呟きを聞いたか、鉄巨人はタックルの構えを取る。
その鎧ごとぶつかってくるつもりだろうか。
「まぁかわしちまえばなんてことは……っ!?」
ダメだ、俺の後ろには馬車がある……つまりそこにはフィズが、リリアが……なにより毒で苦しむセフィーがいる。
もし俺がかわしたとして、そのまま止まらなければ馬車まで行ってしまうだろう。
そうしたらみんなは……。
「行かせられるわけがないっ!」
俺が決意すると同時に、力を溜めていた鉄巨人が突進を仕掛けてきた。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
俺はみんなを守るように腕を広げると——全身に棘を生やした鉄巨人とぶつかった。
俺とジャックがそれぞれ弾けるように左右へ動き、それをかわす。
肉厚の剣は地面をまるでバターかなんかのようにやすやすと抉った。
「おう、これは凄いパワーだな……でもスピードがないからそれほど怖くない……か?」
剣をかわせた事で一息つきながらそんな事を考えていると、ジャックがその手をするどい爪に変えて鉄巨人に斬りかかる。
鉄巨人は反応出来なかったのか、ジャックの攻撃はその胸元に吸い込まれた。
——ギャイィィン
そんな金属を叩きつけ合った音が響き、ジャックは弾け飛んだ。
攻撃を受けたはずの鉄巨人は……全くの無傷。
おそらくかすり傷すらついていないだろうな。
「マスターっ! あの鎧はかなりの硬さですね。まるで攻撃が通りません」
「そうか、じゃあ次は俺がいってみよう」
俺はそういうと鉄巨人へと駆け寄った。
そんな俺を目の端に捕らえたか、鉄巨人は横薙ぎの剣を振るってきた。
「フッ……」
俺は短く息を吐くと、その剣の下をくぐり抜けるようにして鉄巨人の足元に滑り込む。
そしてそのままの勢いで思いっきり右足をぶん殴った。
——ゴイィィィィン……
その鎧はまるで鐘のような音を鳴らした。
鉄巨人は俺の拳の威力に押されたか、一瞬たたらを踏む。
どうにか倒れずに持ち直したその巨人の鎧は、少し凹んだようにも見えるが……。
「うわぁ……結構力を入れたのにあれか」
「マスター、盗賊から奪った武器の中に打撃系の武器はありませんでしたか?」
「打撃系というとハンマーとかそういうのか?」
「ええ。あいつには私の爪だと相性が悪いので……」
「そうか。剣は大分売ってしまったが、そういう武器は残っていたような気がするな。……ちょっと待ってろ」
俺は反撃とばかりに繰り出してきた鉄巨人の突きをかわして、距離を取った。
ジャックはそんな俺へ鉄巨人が向かわないように、とまとわりついてくれている。
相性が悪いといっていた爪でも注意を引くことくらいは出来るようだ。
それを確認した俺は台帳を取り出して、馬車の中の物を確認する。
「ハンマー……ハンマー……っと。お、バトルハンマーというのがあるな」
俺はそれを確認すると馬車まで走る。
馬車から念じるだけで荷物を取り出せるのはいいけど、触れていないと効果がないのがちょっと不便だ。
馬車まで来ると、ゴンザさんをはじめとした馬車の面々が外に降りていた。
聞けば、いざという時に馬車ごと潰されないように、とミルカが提案したらしい。
「この馬車は見たことがねぇとんでもない硬さの金属で出来てやがるから”あれ”に踏まれようが大丈夫だって俺は言ったんだがなぁ……」
ゴンザさんはそういいながら鉄巨人を見ている。
馬車から鉄巨人まではそれなりの距離があるのに、それでもなお大きく見える。
おそらく三メートルはあるだろうな。
俺は急いで馬車に触れると、バトルハンマーを取り寄せる。
それから気になっていることを尋ねた。
「セフィーはどうだ?」
かがみ込んで治療をしているローズの下ではセフィーが手足をバタつかせていてとても苦しそうだ。正直見ていられないほどの暴れようだな。
「傷はすぐに治ったのですが……やはり、毒の方は……」
ローズが苦虫を噛み潰したような顔をしながら言葉を絞り出した。
あの優男は解毒薬などないと言っていたが、魔法でもダメか。
となるとセフィーの命はもう……。
「ねぇご主人さま……フィズもあの巨人と戦いに行っていい?」
フィズが怒りに震える声でそんなことを言い出した。
確かにフィズの蹴りなら効くかもしれない。
でもフィズの小さな体であの攻撃を受けたらどうなってしまうだろうか。
いや、やっぱりダメだ……そう言おうとフィズの方を見ると、既に人型になっていて戦闘準備は万端という様子だった。
興奮しているからか、その額の角はしまい忘れている。
「フィズ、角が…………いや、待てよ?」
「え、角がどうしたの?」
「なぁフィズ、昨日の俺にしたみたいに出来ないか!?」
「昨日みたいにって…………あ、解毒!?」
フィズは俺が言いたかったことを汲み取ってくれた。
昨日見た、いや感じたあの力があればセフィーの毒がもしかしたら浄化できるのではないだろうか?
「ちょっとやってみてくれないか!?」
「わ、わかったわ!」
フィズは頷くとセフィーの元へ駆け寄っていった。
「それじゃ俺はジャックのところに戻るからな!」
俺はみんなにそう声をかけて、鉄巨人と戦っているジャックの元へと戻った。
「すまん、遅くなった!!」
見れば、ジャックは頭から青い血を流している。
「すみません、油断して剣がかすってしまいました」
「大丈夫か!?」
「ええ、戦えないほどではありません!」
瞳に強く赤い光を灯しながらそういうジャックに、バトルハンマーを手渡す。
「本当は休んでろって言ってやりたいが……本当にいけるか?」
「もちろんですとも! 動かぬ雨樋として何百年も休みましたから……もう休みなどは永遠に要りませんっ!!」
そう言い切ると、ジャックはハンマーを肩に担いで空へ飛び上がった。
鉄巨人がそんなジャックへ剣を振り上げようとしたので、俺はすかさず鞭でその腕を絡めとる。
「ぐぐっ……」
鞭を絡めた俺は、その巨人のパワーで地面を引きずられる。
「確かにとんでもないパワーだ……だけど俺だってパワーじゃ負けてないんだよ!」
俺はそう叫ぶと、足を踏ん張って鞭を力いっぱい引く。
「グ、グオォォォォォッ」
鉄巨人は焦りを滲ませた叫びを上げると、その足をふわりと浮かせた。
「おらあぁぁぁっ!」
バランスを崩した鉄巨人に追い打ちをかけるよう鞭を引くと、ズドンという爆発音のような轟音を響かせながら巨人は地面に堕ちた。
「ジャアァァァックッ!!」
俺がそう叫ぶと、ジャックは空から流星のように降ってきて砂埃の中の巨人にハンマーを叩きつけた。
——バキィィィンッ!
そんな鉄が砕け散るような音が辺りに響いた。
「やったかっ!?」
砂煙が晴れるとそこには鎧の胸部を凹ませた巨人がいた。
「マスター、すみません。ハンマーが砕けてしまいました……」
「くっ……やつの鎧の方が硬かったってことか?」
「ええ。ハンマーがもっと硬い金属であれば良かったのですが、盗賊の集めたような粗悪品では……」
もっと硬い……?
俺はその言葉に引っかかりを覚えた。
ついさっきそんな話を聞いたような……。
「ガァッ! グオォォォォォッ!!」
鉄巨人は怒りを含んだ咆哮をあげながら体を持ち上げる。
その鎧は、先程とは少し違う形をしていた。
それは何人も近づかせない、という意思の現れか。
鎧の表面からは短く鋭い棘が何本も生えていたのだ。
「おいおい、そんなのに触れたら人間おろしになっちまうぞ……」
そんな俺の呟きを聞いたか、鉄巨人はタックルの構えを取る。
その鎧ごとぶつかってくるつもりだろうか。
「まぁかわしちまえばなんてことは……っ!?」
ダメだ、俺の後ろには馬車がある……つまりそこにはフィズが、リリアが……なにより毒で苦しむセフィーがいる。
もし俺がかわしたとして、そのまま止まらなければ馬車まで行ってしまうだろう。
そうしたらみんなは……。
「行かせられるわけがないっ!」
俺が決意すると同時に、力を溜めていた鉄巨人が突進を仕掛けてきた。
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