不可侵領域

千木

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 窓の向こうに広がる空。オレンジと空色が混ざり合って、マーブル柄を吸い込んだ雲が泳いでいる。少しばかり早足な速度に、風が強いことが感じられた。まもなく、夕食の時間を告げる鐘が鳴るだろう。
 事務室にはセイとシスター長しかいなかった。二人とも黙々と仕事をしていて、時々作業音と、シスター長がコーヒーを啜る音が響くだけの静かな空間。
 重なった新聞を纏め、余った紐を切ってから、セイは一息吐く。単調な仕事ではあるが、散らかっていたものが纏まり整頓される様は気持ちが良く、決して嫌いな作業ではなかった。壁際に束を寄せてから、少ない残りの新聞を丁寧に揃える。広告が時々挟まっているのを抜いて、重ねて、ふとセイの手が止まった。それから、渋い顔をする。

「(やはり高い)」

 それは新しいマンションの広告だった。長らく空き地だった場所に、富豪が三階建てのマンションを建てたと。部屋は独り身用で、広くはない。新築だから綺麗ではあるが、設備などに特段珍しいものもなく、平々凡々な造り。それでも、この程度でさえ、今のセイの手持ちでギリギリ届くかといった値段だった。
 やたらと地価が高いのは、この辺りの特徴だ。ストリートのテナントになかなか新しい店が入らないのも、森の中の小屋を教会が間借りしている理由もそこにある。衣食住の内、住む場所の確保がとにかく難しい。それこそ、そこさえクリアしてしまえば後は何とでもなるくらいに。任務を行うことによって他のシスターよりずっと貯蓄があるセイでさえ、住居のあてにまごつく程だ。
 集合住宅の部屋を買うのも借りるのも高く、一世一代の決め事扱いだ。一軒家を持つならば大変裕福で、加えて別荘や不動産を持とうものなら富豪認定。もちろん大抵の人は手の届く範囲ではないから、一人部屋をシェアする者も少なくないし、それは大抵容認されている。
 しかし目の不自由なレンと二人で住むのなら、もう少し広い部屋が欲しかった。初めは粗末な部屋を借り、その後の収入で引っ越す、ということも、そもそも粗末な部屋さえ高額なこの場所では難しいのだ。此処だけは妥協が出来ない。結ばれたあの日から、レンは主任を本当に躱しきっているらしく、毎夜のように一緒に任務に出ている。もう少し頑張ればと、先日言い合ったばかりだ。それでなくとも、手持ちはあればあるだけ良い。

「もう少し隠れてやりなさいな」
「ひゃっ」

 不意に声を掛けられ、変な声が上がる。顔を上げると、いつの間にか目の前に呆れ顔のシスター長が立っていた。部屋の隅の床に座るセイの隣に、よいしょ、と声を上げながらどっしりと腰を下ろした。

「あら、良い物件じゃないの。アンタくらい頑張っていたら、足りるんじゃ?」
「あぁ、はい。ぎりぎり……でも、」
「新築でこれは安い方だと思うわよ。まぁ、二人には足りないかしら」
「ッ!?」

 小さな声で交わされていた会話に反比例して、セイは大きく動揺した。シスター長はしーっと人差し指を自分の唇に当て、それからにんまりと笑う。

「気づくわよ~。前言ったでしょ?貴女、綺麗になったわねって」
「そ、そういう意味だったのですか。てっきり揶揄われているのかと……」
「いやだわ、そんな無粋な揶揄はしないわよ。貴女、本当に綺麗になったわ。恋を知った女の顔してる」
「……」
「男性は特にだけど、他人を嫌厭していた貴女だからこそ、私とっても嬉しいのよ?」

 にこにこと笑うシスター長に、セイはやり場なく俯く。自分だって、未だに信じられないのだ。結構な月日が経ったのに、お互い飽きることも慣れることもなく、好きが重なっていくだけなんてことが現実にあり得るなんて。過去の自分に言ったって、到底信じないだろう。

「でも……大丈夫?レンくんでしょ?主任のお気に入りじゃ、さぞ……」
「ま、待ってください!何故それを、」
「だから、見ればわかるわよ。彼のことは、赤ちゃんの時から知ってるもの。むしろ貴女より、彼の方が全然変わったじゃない」
「そ、そうなのですか?」
「そうよ~」

 シスター長は「どっこいしょ」と野太い声を出しながら立ち上がると、自分の机に向かい、一つの写真立てを手に取るとすぐに戻ってきた。床に座り、立ち上がる動作がなかなか大変らしく、今度は壁に背中を預け、ずるずると滑らせながら腰を下ろす。そして、写真立てをセイの前に差し出した。

「ほら、これがレンくん」

 教会の中庭。見慣れた場所で、シスター長と子供たちが写っている古びた写真。シスター長が指差した先に、一人の男の子がいた。夜空色の髪に、月を彷彿する瞳。見覚えのある彼は朗らかな笑みを此方に向けている。

「……可愛い」
「レンくん、昔から優しくて聡明な子で、花の世話を率先してやってくれていたわ。目が不自由なことも、捨て子だってことも人前じゃ悲観しない子でね。でも、やっぱり神父になって、此処の風習を受け入れなくちゃいけなくなってから、少しずつ冷たい印象になっていったわ。表面上は変わっていなくてもね」
「……」

 薄く張りついた埃を指ではらうと、画質の荒い写真も多少見やすくなった。幼いレンが、白い花を持って笑っている。包帯はつけていない。まだ番探しを強要されていない頃の、純粋な笑顔。

「でも最近、表情が柔らかくなったと思ってたの。貴女と同時期に雰囲気が変わって、貴女と彼が一緒にいるところを見るようになって……この間は墓参りまで一緒に行ったんでしょ?それでわからないは、ちょっとねぇ」
「シスター長、まさかどなたかにお話をされたりなんてことは、」
「しないわよ。さすがにね。相手がレンくんじゃ、余計に……」
「……それは、彼が主任のお気に入りだからですか」

 セイが深刻そうな顔をシスター長に向ける。シスター長はただ頷いた。

「貴女たちが公言しないってことは、番じゃなかったんでしょ」
「はい」
「番を見つけるのは簡単じゃないわ。そうでないカップルや夫婦の方が大半よ。此処でも私みたいに、番を見つけられなかったシスターや神父ばかり。番でなくても、そもそも恋人が出来なくても、出世は出来ないけど、それなりには生きてはいけるのよ。でも、主任は許さないでしょうね」
「……」
「せめて、主任の直属でなかったらまだ良かったのにね。それでなくとも今、主任はイライラしてる筈だから」
「彼にですか?」
「それもあるけど、主任は今ちょっと危うい立場にいるの」
「……?」

 シスター長はキョロキョロと辺りを見回して、それから誰もいないことを確認すると、こっそりと囁く。

「此処に主任が二人いるのは知ってるわね?」
「はい」
「その二人がトップ争いをしているのも」
「はい。くだらないと思ってはいますが」
「二人とも番を見つけたことで、主任という立場に上がることが出来たわけなんだけど。そろそろ後継者が欲しいって話でね。で、もう一人の主任の方の後継者候補である神父が、この間、番を見つけられたの」
「!」
「わかるでしょ?」

 セイは頷いて、奥歯を軋ませた。
 トップ争いをしている相手が強いカードを手に入れた今、主任はとにかく焦っているだろう。今まで以上にレンに圧を掛けてくる可能性が高い。いや、もしかしたら心配させまいと隠しているだけで、もう掛けられているのかもしれない。そう思うと無性に彼のことが心配になって、セイは立ち上がった。

「セイ。私は応援してる。上の難しい話に口を出せないのは、申し訳ないんだけど……」
「いいえ。教えてくださって、本当に感謝しています」
「この束一つで終わりでしょ?夕飯前に顔見てきたらどう?」
「……はい。ありがとうございます」

 番でないシスター長の話など、主任が聞く耳を持たないのは明白だ。けれどこうやって自分の身を案じてくれる人がいることは、素直に嬉しかった。彼女の優しさに甘んじて、セイは事務室を出る。今なら、彼は何処にいるだろうかと思案して、廊下を歩いていく。
 孤児院にはいない。食堂にはまだ姿を見せていない。薄暗くなった中庭に、人の姿はない。
 ふと、吹き抜けから見えた下の階にレンの後ろ姿があった。早足で近くの階段を降りる。角を曲がろうとして、セイは咄嗟に身を隠した。

「いい加減にしてもらおう」

 聞こえた主任の声は普段より低く、明らかに怒りを帯びていた。皆食堂に集まっていて、今この場所に人の気配は無い。

「レン、最近のお前の行動は目に余る。番を探さず何をしている」
「任務に従事しておりますが」
「その割には教会に渡す額が少ない。何を考えているか知らないが、余計なことはせず、まず番を見つけることを優先しろ」
「お言葉ですが、番はそうは見つかりません。《神から授かりし縁》ゆえ」
「口答えをするな。だからこそ女性との機会を恵んでやっているのだ」
「番探しに関わらず、人との出会いの機会を持つことはもちろん素敵なことです。しかし、性行為を前提に出会い、それだけ行い、その縁が切れるのであれば、話が違うかと」
「レン」

 ドスの効いた低音に、セイの肩が跳ねた。今にも爆発しそうな怒りが、その場に静かに響いて身体を震わせる。

「お前が此処まで反抗的になるとは思わなかった。ただ私の言うことを聞いていれば良いのに」
「俺もいい歳です。自分で考える"一人の男"になったというだけですよ。遅すぎるくらいです」

 直接その怒りを受けている筈のレンの声音は、震えてもいない。真っ直ぐに言葉を紡いでいる。

「嘆かわしい。育ててやった恩は何処に行ったのだ」
「今もひしひしと感じております。障害を持つ俺が此処まで生きるだけの教養をつけてくれたのは貴方ですから」
「ならば、」
「けれど、自分を殺して従う理由にはなりません。番は大切にされる縁ではありますが、無理矢理に見つけ探すものではありません。神が与えてくださるものだと、貴方が教えてくださった筈です」
「……そんな御託は良いのだよ。番を探せ」
「嗚呼、御託という言葉など、聞きたくありませんでした。この教会のトップ争いに、俺を巻き込まないでいただきたい」
「……黙れ!」

 逆鱗に触れたように、主任が声を張り上げた。びりびりと空気が振動するが、レンはそれでも動揺を見せていないようだった。重い沈黙がその場にのしかかる。

「俺を優秀とみなし、優遇してくださることはありがたいことです。けれど俺は、これ以上女性を軽んじる男にはなりたくないし、神を貶す人間にもなりたくないのです」
「お前は、私がその二つに当てはまる人間だと言いたいのか」
「少なからずこの風習は、本来神職者にあるまじきことであると考えます。神から授かる大切な縁を、人間が欲の為に利用するなど、冒涜以外の何ものでもない。染みついて、慣れて、本来番とは何だったかを見失った我々は、神に懺悔し赦しを請うべきです」

 セイは息を殺して、会話を聞いていた。心臓がやたらと煩く鼓動する。
 レンが言っているのは正論だと思った。そして、堂々とそう言い放つ彼がとても格好良く思えた。彼は彼の立場を、現在進行形で自ら危うくしている。けれど、ずっと押し隠し、躱し続けていた彼が、真っ向から意見を言うことは、きっと今まで無かっただろう。言葉をしっかりと刻む。
 しかし、此処ではこんな意見は異端とされることもわかっていた。この考えが異端とされるから、こんなにしっかりとした理由がなくとも、セイは此処が嫌いなのだから。
 再びの沈黙。セイから二人の姿は見えない。

「そうか」
「お分かりいただけましたか」
「嗚呼、お前がわからず屋の恩知らずと言うことが」
「……」
「追放しよう。身寄りの無い障害者のお前が、此処から今すぐ追い出されて生きていけるほど、この世界は優しくはないぞ」
「(ーー!!)」

 飛び出しかけて、セイは感情を抑え込む。今すぐ叩いてやりたい衝動を必死に堪える。今飛び出して主任を叩いても、何にもならない。ならないけれど、どうにも腹の虫がおさまらない。主任はレンを嘲笑うかのような声音で続ける。

「せめてもの情けだ。明日の夜まで待ってやる。私に謝罪し、一層番探しに尽くすなら追放は撤回する」

 大きな溜息が聞こえた。怒りではなく、呆れを纏ったそれは、もちろんレンの口から漏れ出したものだ。

「育ての親のように思っていた貴方が、主任神父として人々を導く立場の貴方が……恩を盾に脅してくるとは思いませんでした」
「私だってこんな手荒な真似はしたくない。けれど、お前が番を見つけてくれなくては困るのだ。番が見つかれば、結局は運命の相手が見つかることになる。お前の為にもなるのだぞ」
「……考えさせてください。必ず、お返事いたします」

 そう言って、レンは踵を返した。此方に来る足音に、セイは慌ててその場を後にする。逃げる必要は無かったが、今此処で鉢合わせても、どんな顔をすれば良いかわからなかったから。

「(神父様が、追放?)」

 そんなことが起こり得ていい筈はない。けれど、彼が此処に残るには、先程の言葉を撤回して再び従順になる他ない。そんなことも、許せない。
 今夜、彼は任務のために、いつも通りの場所に来てくれるだろうか。そうしたら、話してくれるだろうか。
 もし来なかったら?来たとして、打ち明けてくれなかったら?
 打ち明けてくれたとして、自分には何が言えて、何が出来る?

「(どうしたらいい……!?)」

 困惑を隠せない顔では、食堂に向かうことは出来なかった。
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