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第3話・第一次エバーシュタインさんの乱です
エバーシュタインさんの乱(ダイジェスト版)
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ある夜。なんらかの手段で私のトリップ特典を知ったらしいエバーシュタインさんは、城の大広間に全ての導き手と騎士を集めました。
そして関係者全員の前で、私が『風丸を幸せにする力』で、彼を洗脳している説を提唱しました。
突然の容疑に狼狽えるばかりの私を、律子さんは懸命に庇ってくれました。しかし第三者的な立場の星月さんとクレイグさんは
「まぁ、確かに普通ならエバーシュタインさんより相楽さんがいいとは思わないかな?」
「第一印象ではエバーシュタインがいちばん人気だったわけだしな」
私も性格的に合わなくても、エバーシュタインさんの絶世の美貌は魅力だなと思います。風丸は嫌がっていましたが、エバーシュタインさんとダンジョンに行くとポロリもあるみたいですし。
性格は怖いエバーシュタインさんですが! 絶対に裸も綺麗なんだろうなって! 正直ちょっと興味があります!
当事者のくせに揺らいでしまう私の代わりに、やはり律子さんが
「その第一印象トップのエバーシュタインさんから、あなたは星月さんに主を変更したでしょう。風丸が中身も見たうえで、別の主を選んだって何もおかしくはないよ」
クレイグさんは当初エバーシュタインさんに仕えようとしましたが、彼女に粗末に扱われて気分を害し、星月さんに変更しました。
律子さんの言うとおり、いくら見た目が良くても中身が嫌と言うことが、風丸にも起こりうるはずですが
「その相手が明らかに、風丸にのみ影響する能力を持っていなければですよ」
エバーシュタインさんの言うとおり、相手が私だから疑惑が生じます。今まで考えてもみませんでしたが、単にエバーシュタインさんが嫌なだけなら、律子さんの班に入ることもできたはずです。
風丸がエバーシュタインさんの横暴にしばらくは耐えていたのは、アルゼリオさんと共闘できたほうが楽だから。でもその考えでいけば、騎士の居ない私に仕えるより、支援魔法の使い手であるユエル君と組めたほうが、風丸にとって魅力的なはずです。
改めて考えると、風丸が私を選んだ理由は不自然で、自分自身違うとは言い切れなくなり
「り、律子さん、もういいです」
「由羽ちゃん? もういいって」
「自分では洗脳しているつもりは無かったんですが、確かに私の能力は風丸になんらかの影響を及ぼす力のようですし。彼の得になるならともかく、もし知らずに洗脳しているんだとしたら、彼女の言うとおり居なくなったほうがいいのかも」
エバーシュタインさんの言うとおり、帰るべきだと納得しかけた時。
「ちょっと、お姉さんがた。女同士で盛り上がっているところ悪いけど、そもそも俺はマスターちゃんに特別な感情なんて無いぜ?」
私への好意ごと洗脳疑惑を否定してくれたのは、まさかの風丸自身でした。
それから風丸は今までの鬱憤を全てぶつけるかのように、鋭い毒舌でエバーシュタインさんを口撃するとともに、彼女の外見詐欺を暴きました。同じ世界の人間とは思えないくらい綺麗だなーとは思っていましたが、どうもエバーシュタインさんの類まれなる美貌は彼女のトリップ特典だったようです。
私の不正を暴くつもりが、逆に皆の前で外見の偽りを指摘されたエバーシュタインさんは、ブルブルと恥辱に震えて
「もういいです! 私がせっかく心配してあげたのに、そんなに疑うなら! あなたなんてそのブスの食い物にされたらいいのよ!」
「り、リーゼ!」
お供のアルゼリオさんとともに、どかどかと足音を立てて大広間を後にしました。
エバーシュタインさんが去った後も、本当は風丸を洗脳しているんじゃないかと不安だったのですが
「まだそんなこと言ってんのかよ。さっきも言っただろ。俺はマスターちゃんに特別な感情なんか無いってさ」
「ほ、本当ですか? ちっとも好きじゃない?」
念を押す私に、風丸はおどけた笑みを浮かべて
「ちっとも好きじゃなーい。利用価値しか感じてなーい」
「やったー! 利用価値だったー!」
風丸にハッキリ利用目的だと言ってもらえて、すごくホッとしました。風丸いわく私は彼に対して最も気前のいいマスターだそうです。確かに私は風丸に対して「心臓を捧げよ」の精神で生きていますので、自分よりも常に彼の都合が優先です。
この世界ではヒロインの手料理を食べるとステータスが強化されるので、律子さんと一緒に日々の食事も作っています。常人ゆえ他の皆さんと比べれば低めの気力と体力を補うために、エナドリ代わりのポーションを大量購入する以外は、収入のほとんどを風丸のために使っています。
思ったよりも私、風丸に尽くせていたんですね。やった!
まさかの洗脳疑惑にうっかり帰るところでしたが、他ならぬ風丸が私をいちばん便利だと言ってくれるなら、これからも全力で彼に尽くしたいと思いました。
そして関係者全員の前で、私が『風丸を幸せにする力』で、彼を洗脳している説を提唱しました。
突然の容疑に狼狽えるばかりの私を、律子さんは懸命に庇ってくれました。しかし第三者的な立場の星月さんとクレイグさんは
「まぁ、確かに普通ならエバーシュタインさんより相楽さんがいいとは思わないかな?」
「第一印象ではエバーシュタインがいちばん人気だったわけだしな」
私も性格的に合わなくても、エバーシュタインさんの絶世の美貌は魅力だなと思います。風丸は嫌がっていましたが、エバーシュタインさんとダンジョンに行くとポロリもあるみたいですし。
性格は怖いエバーシュタインさんですが! 絶対に裸も綺麗なんだろうなって! 正直ちょっと興味があります!
当事者のくせに揺らいでしまう私の代わりに、やはり律子さんが
「その第一印象トップのエバーシュタインさんから、あなたは星月さんに主を変更したでしょう。風丸が中身も見たうえで、別の主を選んだって何もおかしくはないよ」
クレイグさんは当初エバーシュタインさんに仕えようとしましたが、彼女に粗末に扱われて気分を害し、星月さんに変更しました。
律子さんの言うとおり、いくら見た目が良くても中身が嫌と言うことが、風丸にも起こりうるはずですが
「その相手が明らかに、風丸にのみ影響する能力を持っていなければですよ」
エバーシュタインさんの言うとおり、相手が私だから疑惑が生じます。今まで考えてもみませんでしたが、単にエバーシュタインさんが嫌なだけなら、律子さんの班に入ることもできたはずです。
風丸がエバーシュタインさんの横暴にしばらくは耐えていたのは、アルゼリオさんと共闘できたほうが楽だから。でもその考えでいけば、騎士の居ない私に仕えるより、支援魔法の使い手であるユエル君と組めたほうが、風丸にとって魅力的なはずです。
改めて考えると、風丸が私を選んだ理由は不自然で、自分自身違うとは言い切れなくなり
「り、律子さん、もういいです」
「由羽ちゃん? もういいって」
「自分では洗脳しているつもりは無かったんですが、確かに私の能力は風丸になんらかの影響を及ぼす力のようですし。彼の得になるならともかく、もし知らずに洗脳しているんだとしたら、彼女の言うとおり居なくなったほうがいいのかも」
エバーシュタインさんの言うとおり、帰るべきだと納得しかけた時。
「ちょっと、お姉さんがた。女同士で盛り上がっているところ悪いけど、そもそも俺はマスターちゃんに特別な感情なんて無いぜ?」
私への好意ごと洗脳疑惑を否定してくれたのは、まさかの風丸自身でした。
それから風丸は今までの鬱憤を全てぶつけるかのように、鋭い毒舌でエバーシュタインさんを口撃するとともに、彼女の外見詐欺を暴きました。同じ世界の人間とは思えないくらい綺麗だなーとは思っていましたが、どうもエバーシュタインさんの類まれなる美貌は彼女のトリップ特典だったようです。
私の不正を暴くつもりが、逆に皆の前で外見の偽りを指摘されたエバーシュタインさんは、ブルブルと恥辱に震えて
「もういいです! 私がせっかく心配してあげたのに、そんなに疑うなら! あなたなんてそのブスの食い物にされたらいいのよ!」
「り、リーゼ!」
お供のアルゼリオさんとともに、どかどかと足音を立てて大広間を後にしました。
エバーシュタインさんが去った後も、本当は風丸を洗脳しているんじゃないかと不安だったのですが
「まだそんなこと言ってんのかよ。さっきも言っただろ。俺はマスターちゃんに特別な感情なんか無いってさ」
「ほ、本当ですか? ちっとも好きじゃない?」
念を押す私に、風丸はおどけた笑みを浮かべて
「ちっとも好きじゃなーい。利用価値しか感じてなーい」
「やったー! 利用価値だったー!」
風丸にハッキリ利用目的だと言ってもらえて、すごくホッとしました。風丸いわく私は彼に対して最も気前のいいマスターだそうです。確かに私は風丸に対して「心臓を捧げよ」の精神で生きていますので、自分よりも常に彼の都合が優先です。
この世界ではヒロインの手料理を食べるとステータスが強化されるので、律子さんと一緒に日々の食事も作っています。常人ゆえ他の皆さんと比べれば低めの気力と体力を補うために、エナドリ代わりのポーションを大量購入する以外は、収入のほとんどを風丸のために使っています。
思ったよりも私、風丸に尽くせていたんですね。やった!
まさかの洗脳疑惑にうっかり帰るところでしたが、他ならぬ風丸が私をいちばん便利だと言ってくれるなら、これからも全力で彼に尽くしたいと思いました。
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