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プロローグ
しおりを挟むうるさい歓声とガチャガチャ食器が触れ合う音で騒がしい店内。
テーブルに置いてたスマホからポコン、と通知音がしたから、俺はすぐにメッセージアプリを開いた。
メッセージは2人から来てる。
『今夜9時に家来いよ』
いつも通り、あっさりした簡単なメッセージが一つ。
もう一つは、
『湊くん、今夜会ってくれるんだよね?美味しいご飯ご馳走するよ。プレゼントもあるんだ。俺、湊くんに会えるのすごく、すっごく楽しみにしてる。湊くんの全てが愛しいよ、湊くん大好き。愛してるよ』
花束を差し出すクマのスタンプ付きの長文メッセージだった。
★★★
なあ、響ぃ。お前だったらこれ、どっちに行く?
え、当然、後の長文メッセージの奴、一択だろって?
そっかぁ。でも俺はさ。
『おけ』
あっさりしたメッセージを送って来た奴にだけ、そう返信した。
長文のやつは、既読スルー。
え?酷いって?
んー。いや俺だってさ。
長文メッセ君が世間一般的には、受けるタイプだってのは分かってるよ。
優しいし、気遣いも出来るし、何より俺にベタ惚れだしさ。
だったら、何の問題もないじゃん、って?
でもね。
ダメなんだよ。
しょーがないじゃん。人間なら、誰でも好き嫌い、ぴんと来る、来ないってあるだろ?
長文メッセの奴はさ、『こない』んだよ。
あっさりメッセの奴は控えめに言ってクズだし、クソだし、冷たいし、俺の事だって都合のいい道具だとしか思ってない奴なんだけど。
でもさ。
こいつと俺、セックスの相性最高なんだ。
とにかくさ、毎回むっちゃくちゃ気持ちいいわけ。
これまでこんなにイッた事ある?ってくらい、イけるんだよ。
え?そんな事で、俺を大事にしない奴と付き合うな、って?
あはは、俺の事心配してくれてんの?やっぱりお前優しいなー。
でもいいんだよ。
あいつ、ちんこデカいし、俺の当てて欲しいとこ突きまくってくれるし、絶倫だから何回もヤれるし、俺の趣味にもノリノリで付き合ってくれるし。
ヤりたい時だけ会って、面倒臭いこと一切求めて来ないしさ。
だから俺、あいつの性格がクソだろうとクズだろうと、どうでもいいんだ。
すげー気に入ってるよ、あいつの事。
最高のヤリ友だよ。
・・・え?
呆れたって?
お似合いだって?
あははっ、そうでしょ?
あ、制服、持って来てくれてありがとね。
ん?
いやいや~変な事には使わないよ?
ちゃーんと洗って返すし!
そんな心配そうな顔しなくても、大丈夫大丈夫!
じゃあ俺、先帰るね。
このあと、彼女と会うんでしょ?
あ~、はいはい、分かってるって。邪魔者はさっさと退散するよ!じゃね!
******
7万文字くらいを目指してまして、今6万文字くらい書けてるのでしばらくは毎日投稿出来そうです!初日なので3話連続投稿します。読んで下さってありがとうございます!ちょっとでも「面白い」「先が気になる」と思って頂けましたら、ぜひブクマや感想などよろしくお願いいたします。
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