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マンション
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「じゃ、雄大はなんで・・・」
それを聞こうとしたら、
「それよりお前、ダチと一緒に来たんだろ。そのゆきやって奴、置いて来て良かったのかよ?今頃ヤられてんじゃねぇの?」
被せるように言われた。
え?明らかに誤魔化そうとしてね?
聞かれたくないんだろうな。
まあこいつが何でも俺に喜んで言うとは、思ってないけどさ。
「由貴哉ね。いいんだよあいつは。なんかSっぽいタチに狙われてたけど、手慣れてそうだったし、今頃天国見せて貰ってんじゃないの?あいつの誘いで俺は地獄見るかと思ったんだからさ、あいつは逆に天国イケて幸せじゃん」
あははって笑ったら、雄大もふっと笑った。
「ひでぇヤツ」
「はぁ?お前に言われたくないんですけどぉ。雄大のがよっぽどじゃん・・・あ!やべぇ、ケーキ忘れてた!」
花音との約束を思い出して慌てたら、雄大が怪訝な声を出した。
「ケーキ?」
「うん、ごめん雄大!どっかケーキ屋さん寄ってくんない?パーティでケーキ貰って帰るね、って花音と約束したんだよ。絶対楽しみにしてるから、持って帰らなかったら泣いちゃう!」
ぱんっと両手を合わせて頼むと、意外にも雄大は「どこでもいいよな」って言ってくれた。
「うん、いいよ。イチゴ乗ってるやつならなんでも!」
「貸し、な」
ニヤっと笑う横顔を見ながら、なんか胸がほわっとした。
やっぱ、前より優しいよぉ。
前だったら絶対、『は?何で俺がそんな事してやんなきゃなんねーの」とか言って無視だったよ。
うん、これやっぱり俺、愛されてるよね?
その後、割と有名な菓子チェーン店で、無事にイチゴのショートケーキをゲットした。
「雄大も食べる?」って聞いたら「あんま甘くねぇやつ」って言うから、甘さ控えめのガトーショコラを買って、ひとまず雄大のマンションにやって来た。
「冷蔵庫、入れさせてよ」
「ん」
一人暮らしでこんなのいる?っていつも思ってたけど、表面が鏡みたいになってるバカでかい冷蔵庫を開ける。
あれ?水と酒くらいしか入ってないと思ったんだけどな。
「なぁなぁ、雄大~。お前いつ自炊するようになったの?何このタッパー?・・・肉じゃがとか似合わねぇ~」
「は?俺じゃねぇよ。ハウスキーパーが勝手に作って置いてんだ。食わねーっつってんのにしつけぇんだよ、あいつ」
面白くなさそうな顔で雄大は煙草に火を点けた。
「え!?食わねーの?もったいなーい。こんな美味そうなのにさ」
今日は散々ご馳走食いまくったから腹は減ってなかったけど、和風だしのいい匂いを嗅いだらちょっとつまみ食いしたくなっちゃった。
「美味いじゃーん。え、じゃあお前食わなかったら、これ捨てられちゃうわけ?もったいないなー」
「知らねーよ」
興味なさそうな雄大の声を聞きながら、つい、ぱくぱく食べてたら、何か違和感。
なんだこれ?
舌でより分けて摘まみ出したら、黒くて長い髪の毛が出て来た。
うわ、藤崎さんの髪か?これ。
いくら美人のでも、髪は食いたくないよ~。でも、しょうがないよね。料理に混じる事なんてよくあるしさ。
ゴミ箱に髪の毛を捨てると、タッパーを戻して冷蔵庫の扉を閉める。
「おい湊、ついでにビール」
「もう~早く言えよ」
今閉めた冷蔵庫をまた開けて、缶ビールを2本取り出して、ソファにふんぞり返ってる雄大に1本渡す。
「はー、やっとゆっくり飲めるわ。お前のせいで面倒くせー事になったし」
嫌味っぽいセリフはスルー。
「俺も飲も~」
雄大の隣に座り込んで、カシュッとプルトップを開けた。
さっきの会場でも少しは飲んだけど、一応帰り電車だし、と思ってセーブしたんだよね。
・・・ってあれ?
「雄大がビール飲んだってことは、俺、電車で帰んなきゃじゃん」
ちらっと時計を見たら21時。
まあ、まだ終電まで時間あるからいいか。
とか思ったらぎしっとソファが揺れて、雄大が俺の肩を抱きながら耳元で囁いた。
「お前、ひょっとしてもう許されてるとか思ってんの?」
「え?だって不可抗力って分かってくれたんだろ。しょうがないことだったじゃん!?」
「ダメ。なんか色々ムカついたからお仕置き」
それを聞こうとしたら、
「それよりお前、ダチと一緒に来たんだろ。そのゆきやって奴、置いて来て良かったのかよ?今頃ヤられてんじゃねぇの?」
被せるように言われた。
え?明らかに誤魔化そうとしてね?
聞かれたくないんだろうな。
まあこいつが何でも俺に喜んで言うとは、思ってないけどさ。
「由貴哉ね。いいんだよあいつは。なんかSっぽいタチに狙われてたけど、手慣れてそうだったし、今頃天国見せて貰ってんじゃないの?あいつの誘いで俺は地獄見るかと思ったんだからさ、あいつは逆に天国イケて幸せじゃん」
あははって笑ったら、雄大もふっと笑った。
「ひでぇヤツ」
「はぁ?お前に言われたくないんですけどぉ。雄大のがよっぽどじゃん・・・あ!やべぇ、ケーキ忘れてた!」
花音との約束を思い出して慌てたら、雄大が怪訝な声を出した。
「ケーキ?」
「うん、ごめん雄大!どっかケーキ屋さん寄ってくんない?パーティでケーキ貰って帰るね、って花音と約束したんだよ。絶対楽しみにしてるから、持って帰らなかったら泣いちゃう!」
ぱんっと両手を合わせて頼むと、意外にも雄大は「どこでもいいよな」って言ってくれた。
「うん、いいよ。イチゴ乗ってるやつならなんでも!」
「貸し、な」
ニヤっと笑う横顔を見ながら、なんか胸がほわっとした。
やっぱ、前より優しいよぉ。
前だったら絶対、『は?何で俺がそんな事してやんなきゃなんねーの」とか言って無視だったよ。
うん、これやっぱり俺、愛されてるよね?
その後、割と有名な菓子チェーン店で、無事にイチゴのショートケーキをゲットした。
「雄大も食べる?」って聞いたら「あんま甘くねぇやつ」って言うから、甘さ控えめのガトーショコラを買って、ひとまず雄大のマンションにやって来た。
「冷蔵庫、入れさせてよ」
「ん」
一人暮らしでこんなのいる?っていつも思ってたけど、表面が鏡みたいになってるバカでかい冷蔵庫を開ける。
あれ?水と酒くらいしか入ってないと思ったんだけどな。
「なぁなぁ、雄大~。お前いつ自炊するようになったの?何このタッパー?・・・肉じゃがとか似合わねぇ~」
「は?俺じゃねぇよ。ハウスキーパーが勝手に作って置いてんだ。食わねーっつってんのにしつけぇんだよ、あいつ」
面白くなさそうな顔で雄大は煙草に火を点けた。
「え!?食わねーの?もったいなーい。こんな美味そうなのにさ」
今日は散々ご馳走食いまくったから腹は減ってなかったけど、和風だしのいい匂いを嗅いだらちょっとつまみ食いしたくなっちゃった。
「美味いじゃーん。え、じゃあお前食わなかったら、これ捨てられちゃうわけ?もったいないなー」
「知らねーよ」
興味なさそうな雄大の声を聞きながら、つい、ぱくぱく食べてたら、何か違和感。
なんだこれ?
舌でより分けて摘まみ出したら、黒くて長い髪の毛が出て来た。
うわ、藤崎さんの髪か?これ。
いくら美人のでも、髪は食いたくないよ~。でも、しょうがないよね。料理に混じる事なんてよくあるしさ。
ゴミ箱に髪の毛を捨てると、タッパーを戻して冷蔵庫の扉を閉める。
「おい湊、ついでにビール」
「もう~早く言えよ」
今閉めた冷蔵庫をまた開けて、缶ビールを2本取り出して、ソファにふんぞり返ってる雄大に1本渡す。
「はー、やっとゆっくり飲めるわ。お前のせいで面倒くせー事になったし」
嫌味っぽいセリフはスルー。
「俺も飲も~」
雄大の隣に座り込んで、カシュッとプルトップを開けた。
さっきの会場でも少しは飲んだけど、一応帰り電車だし、と思ってセーブしたんだよね。
・・・ってあれ?
「雄大がビール飲んだってことは、俺、電車で帰んなきゃじゃん」
ちらっと時計を見たら21時。
まあ、まだ終電まで時間あるからいいか。
とか思ったらぎしっとソファが揺れて、雄大が俺の肩を抱きながら耳元で囁いた。
「お前、ひょっとしてもう許されてるとか思ってんの?」
「え?だって不可抗力って分かってくれたんだろ。しょうがないことだったじゃん!?」
「ダメ。なんか色々ムカついたからお仕置き」
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