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なんでいたの?
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「じゃあ湊に選ばせようぜ。俺とお前、どっちに付いて行きたいか」
「―――は?」
アズマは面食らった顔をしてる。
雄大は意地悪い顔で面白そうにニヤニヤした。
「お前さ、そんなに湊の事愛してんだったら、湊の選択は尊重してやれんだろ?なぁ、湊ちゃん。はっきりしてやれよ。お前は誰にどうされたいかをさ。こいつに甘やかされて一生飼い殺されたいのか、それとも二度と他の奴としたいって気持ちが湧かねーくらい、俺に征服されて俺だけに服従するって誓うか、選べよ」
「え」
ゆ、雄大のやつぅ。
俺が絶対雄大のこと選ぶと思って、とんでもない事言いやがって。
『俺に征服されて俺だけに服従する』って何だよぉ!
「ほら湊。さっさと言えよ。別にいいんだぜ、この執着心が強そーなヤンデレ男選んだってさ?こいつのチンコ気に入ってんだろ?いいじゃねぇか。こいつに飼われた方がお前も幸せなんじゃねぇの?」
「雄大?」
めちゃくちゃ意地悪い顔してるくせに、そんなことを言う雄大の顔は、俺には泣き出しそうなのをガマンしてる時の、花音と同じに見えた。
「そ、そうだよ、湊くん。こんなS男より俺の方が湊くんのこと、大事にするし絶対幸せにするよ!」
雄大の言葉を何言ってんだこいつ、って顔で聞いてたアズマが、勢いづいたみたいに言う。
・・・まったく。
「雄大さぁ、お前ってホントは俺のことめちゃくちゃ好きだよね?」
「はぁ!?何言って――――」
眉をしかめた雄大が言い終わらない内に、俺は雄大の首にぎゅっとしがみ付いた。
「俺がお前以外のやつ、選ぶわけないだろ。俺、お前になら何されてもいいし、俺が好きなの、お前だけだってば、マジで」
「・・・いーのかよ、俺だけに服従するって誓うんだぜ?もう二度と他の誰ともヤれねぇんだぞ」
「いいに決まってんじゃん。ほら、早くお前んち、行こ?」
あざといかな~って思いながらも、そう言って上目遣いに雄大を見つめてやったら、雄大の張り詰めてた雰囲気が緩んだのが、俺にも分かった。
「はっ、お前ってマジでアホだよな」
「はぁ?何言ってんの?」
むっとして言い返そうとしたら、雄大は俺を抱き込んだまま、エレベーターに乗り込んだ。
「っつーわけだから、しょうがねぇよな。じゃあな。もうこいつにちょっかい掛けんなよ」
「ごめんね、アズマくん。俺みたいなのには、アズマくんはもったいないよ」
「そ、そんな・・・湊くん・・・」
エレベーターのドアが閉まる直前、アズマが床にへたり込むのが見えて、ちょっと可哀想になった。
「おい、あいつの事、可哀想とか思ってんじゃねぇだろうな」
「えっ、な、何言ってんの」
いきなり見透かされてドキッとする。
「そ、それより雄大!なんでこんな所にいたの?偶然過ぎない?まあ、俺は助かったんだけどさぁ」
慌てて話を逸らしたら、
「・・・そんなのどうでもいいだろ。それよりお前、あいつとヤったのかよ?いつ?まさかさっきまでヤってたんじゃねぇよな?」
逆に詰められてのけぞる。
「違うって!いやそりゃ、前、ヤったことあるのは確かだけどぉ~、雄大にイヤーカフ貰ったちょっと前にはもう、切れてたんだって!メッセージアプリでもブロックしてたし!なのに今日偶然ここで会っちゃって、俺だってびっくりしたんだからさ!」
ジト目の雄大に、俺は必死で説明したよ。
「だからさ、由貴哉がミーハー過ぎんのが悪いんだって。乱交パーティなんて1ミリも知らなかったしさ。そもそも俺は乗り気じゃなかったのに、可哀想だから付き合ってやっただけなんだからね?」
まくし立てたら、「ふーん」とか「へー」ってどうでも良さそうに聞いてた雄大だけど、地下駐車場に着く頃には、俺のこと殺しそうだった目も大分和らいではいた。
「・・・まー、大体分かったけど。とりあえず乗れよ」
雄大が自分の車の運転席に手を触れると、キュキュッと音がしてハザードが点滅する。
「うん」
助手席側に回って乗り込むと、すぐに雄大は車を走らせた。
少しは怒りも収まったとは思うけど、まだちょっとピリついてるなぁ。
うーん、乱交パーティだったのはびっくりしたし、今頃由貴哉の奴は新たな扉開いてる最中かなぁとか考えたけど、やっぱり、あのタイミングで雄大が現れたことが気になるんだよね。
もしかして、こいつもあのパーティに参加する予定だったとか、そんなんじゃないよね?
でも余計なこと聞いて、怒らせちゃったらなぁ。せっかく今、機嫌戻って来てんのに。
ああ、気になる。
いいや、ちょっとジャブ打ってみて、ダメそうだったら話題変えよ。
「あ、あのさぁ。雄大、ひょっとしてあの乱交パーティの事、知ってたっぽい?ほら、一般人はなかなか参加できないって聞いてたし、セレブばっかり集まるパーティだって由貴哉が言ってたからさぁ、雄大もそういう繋がりで知ってたのかなぁってさ、あはは・・・」
ドキドキしながら雄大の横顔を見る。
「・・・まぁな。大体あのビルかもう一つの方でやってるってのは知ってる」
「へ、へぇー、そうなんだぁ。じゃあ、ひょっとして今日参加する予定だったとか?あ、前にも参加してたりして~。いや別に雄大の自由なんだけどさ!」
詮索すんじゃねぇとか怒られるかな?って思ったけど、雄大は「はぁ?」って呆れた声をあげた。
「俺があんなの行くわけねぇだろ。ヤる相手に困ってるわけでもねぇのに。あんなとこ行ったら、ガチゲイに狙われてきめぇだけだっつぅの」
「あ、そうなんだぁ」
なんかすっごいホッとした。
ん?でもそしたら、なんで雄大はあんな所にいたの?
「―――は?」
アズマは面食らった顔をしてる。
雄大は意地悪い顔で面白そうにニヤニヤした。
「お前さ、そんなに湊の事愛してんだったら、湊の選択は尊重してやれんだろ?なぁ、湊ちゃん。はっきりしてやれよ。お前は誰にどうされたいかをさ。こいつに甘やかされて一生飼い殺されたいのか、それとも二度と他の奴としたいって気持ちが湧かねーくらい、俺に征服されて俺だけに服従するって誓うか、選べよ」
「え」
ゆ、雄大のやつぅ。
俺が絶対雄大のこと選ぶと思って、とんでもない事言いやがって。
『俺に征服されて俺だけに服従する』って何だよぉ!
「ほら湊。さっさと言えよ。別にいいんだぜ、この執着心が強そーなヤンデレ男選んだってさ?こいつのチンコ気に入ってんだろ?いいじゃねぇか。こいつに飼われた方がお前も幸せなんじゃねぇの?」
「雄大?」
めちゃくちゃ意地悪い顔してるくせに、そんなことを言う雄大の顔は、俺には泣き出しそうなのをガマンしてる時の、花音と同じに見えた。
「そ、そうだよ、湊くん。こんなS男より俺の方が湊くんのこと、大事にするし絶対幸せにするよ!」
雄大の言葉を何言ってんだこいつ、って顔で聞いてたアズマが、勢いづいたみたいに言う。
・・・まったく。
「雄大さぁ、お前ってホントは俺のことめちゃくちゃ好きだよね?」
「はぁ!?何言って――――」
眉をしかめた雄大が言い終わらない内に、俺は雄大の首にぎゅっとしがみ付いた。
「俺がお前以外のやつ、選ぶわけないだろ。俺、お前になら何されてもいいし、俺が好きなの、お前だけだってば、マジで」
「・・・いーのかよ、俺だけに服従するって誓うんだぜ?もう二度と他の誰ともヤれねぇんだぞ」
「いいに決まってんじゃん。ほら、早くお前んち、行こ?」
あざといかな~って思いながらも、そう言って上目遣いに雄大を見つめてやったら、雄大の張り詰めてた雰囲気が緩んだのが、俺にも分かった。
「はっ、お前ってマジでアホだよな」
「はぁ?何言ってんの?」
むっとして言い返そうとしたら、雄大は俺を抱き込んだまま、エレベーターに乗り込んだ。
「っつーわけだから、しょうがねぇよな。じゃあな。もうこいつにちょっかい掛けんなよ」
「ごめんね、アズマくん。俺みたいなのには、アズマくんはもったいないよ」
「そ、そんな・・・湊くん・・・」
エレベーターのドアが閉まる直前、アズマが床にへたり込むのが見えて、ちょっと可哀想になった。
「おい、あいつの事、可哀想とか思ってんじゃねぇだろうな」
「えっ、な、何言ってんの」
いきなり見透かされてドキッとする。
「そ、それより雄大!なんでこんな所にいたの?偶然過ぎない?まあ、俺は助かったんだけどさぁ」
慌てて話を逸らしたら、
「・・・そんなのどうでもいいだろ。それよりお前、あいつとヤったのかよ?いつ?まさかさっきまでヤってたんじゃねぇよな?」
逆に詰められてのけぞる。
「違うって!いやそりゃ、前、ヤったことあるのは確かだけどぉ~、雄大にイヤーカフ貰ったちょっと前にはもう、切れてたんだって!メッセージアプリでもブロックしてたし!なのに今日偶然ここで会っちゃって、俺だってびっくりしたんだからさ!」
ジト目の雄大に、俺は必死で説明したよ。
「だからさ、由貴哉がミーハー過ぎんのが悪いんだって。乱交パーティなんて1ミリも知らなかったしさ。そもそも俺は乗り気じゃなかったのに、可哀想だから付き合ってやっただけなんだからね?」
まくし立てたら、「ふーん」とか「へー」ってどうでも良さそうに聞いてた雄大だけど、地下駐車場に着く頃には、俺のこと殺しそうだった目も大分和らいではいた。
「・・・まー、大体分かったけど。とりあえず乗れよ」
雄大が自分の車の運転席に手を触れると、キュキュッと音がしてハザードが点滅する。
「うん」
助手席側に回って乗り込むと、すぐに雄大は車を走らせた。
少しは怒りも収まったとは思うけど、まだちょっとピリついてるなぁ。
うーん、乱交パーティだったのはびっくりしたし、今頃由貴哉の奴は新たな扉開いてる最中かなぁとか考えたけど、やっぱり、あのタイミングで雄大が現れたことが気になるんだよね。
もしかして、こいつもあのパーティに参加する予定だったとか、そんなんじゃないよね?
でも余計なこと聞いて、怒らせちゃったらなぁ。せっかく今、機嫌戻って来てんのに。
ああ、気になる。
いいや、ちょっとジャブ打ってみて、ダメそうだったら話題変えよ。
「あ、あのさぁ。雄大、ひょっとしてあの乱交パーティの事、知ってたっぽい?ほら、一般人はなかなか参加できないって聞いてたし、セレブばっかり集まるパーティだって由貴哉が言ってたからさぁ、雄大もそういう繋がりで知ってたのかなぁってさ、あはは・・・」
ドキドキしながら雄大の横顔を見る。
「・・・まぁな。大体あのビルかもう一つの方でやってるってのは知ってる」
「へ、へぇー、そうなんだぁ。じゃあ、ひょっとして今日参加する予定だったとか?あ、前にも参加してたりして~。いや別に雄大の自由なんだけどさ!」
詮索すんじゃねぇとか怒られるかな?って思ったけど、雄大は「はぁ?」って呆れた声をあげた。
「俺があんなの行くわけねぇだろ。ヤる相手に困ってるわけでもねぇのに。あんなとこ行ったら、ガチゲイに狙われてきめぇだけだっつぅの」
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