アラサー超えの私たち、都市伝説で噂になってる廃病院にノリで行ってみたんだけど……

大濠泉

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◆3 山奥の廃病院

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 月夜の晩ーー。
 私たちは、山奥の廃病院に到着した。

 表玄関はさくで閉められ、倒れかけた看板がには『立入禁止』と書いてあった。
 が、もちろん無視して柵を超え、私たちは建物内へと侵入する。

 玄関の自動ドアのガラスは割れており、天井には壊れた蛍光灯があるだけ。
 もちろん人の気配けはいなんかしない。
 所々、壁や廊下の塗装ががれ、泥水や木材の破片、紙切れなどが錯乱していた。
 そんな中、私たちは懐中電灯やスマホであかりをともし、面白半分にキャッキャとはしゃぎ合いながら歩いていった。

 彩子は事前情報を仕入れていたらしく、

「YouTuberがここを訪れたとき、こっちの奥にメインの部屋があるって言ってたのよね」

 と言って、ズンズン進んでいった。

 そこここに落書きがあって、カルテらしきものが散らばってはいた。
 だが、廃墟ならではの、お決まりの様子が見られるだけだった。
 演出効果を盛り上げるおどろおどろしい音楽が流れるわけでもない。
 映画の雰囲気に比べたら、怖さが段違いで少なかった。

 でも私たち三人しかまわりで歩いてるものがいないと言う孤独感が、次第に身にみて感じられてきて、三人ともが口をかなくなっていた。

 そのままズンズン、廊下を奥まで進む。

 「ここよ」

 と、彩子が扉を開ける。

 中に入ったら、白い壁に囲まれた密室があった。
 デカい照明機器が天井から伸び、いくつものモニターがついた機械が銀色のワゴンにせられ、そこから何本ものコードやパイプやらが床をっていた。
 そして、いかにも人を乗っけるような感じの鉄製の台がど真ん中にあった。

「手術室!?」

 私が口に手を当ててつぶやくと、彩子が得意げに眼鏡を光らせた。

「そう。ここが、三人の女性が閉じ込められた現場。
 通気口が上についてるけど、それだけで、後はーー」

 と彩子が上の方を懐中電灯で照らしながら語ったとき、いきなり背後で大きな音がした。

 バタン!

 扉が閉まったのだ。

 玲奈がケラケラ笑った。

「ちょっとやめてくんね?
 このタイミングはナシっしょ。
 えりかなんでしょ、こういうことやるの。
 効果アリすぎ」

 私は喉を震わせる。

「私、何もしてないわよ」

 彩子が懐中電灯を片手に、無表情で突っ立っている。
 玲奈は「ウソでしょ、ねえ!?」と言いながら扉を押す。

 この扉は手術室に入るため、患者を載せた担架が出たり入ったりするはず。
 だったら、押せば開くかと思った。
 が、取っ手口もないのに、開く気配がない。

「何よ、これ?」

 慌てた玲奈は、ダンダン、と派手な音を立てて体当たりをする。
 が、それでもびくともしない。

「冗談でしょ?」

 と、私が喉を震わせると、彩子が静かに断定した。

「私たちーー閉じ込められた……」
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