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【第一章】一部
【呼び出されし者】03.チュートリアル ~フレイム・ソフトウェア式~
しおりを挟む世界が徐々に暗くなっていき、ついには完全な闇となった。
暫く待ったけど変化なし。
「あれ?いきなり放置?このまま死亡エンドとかじゃないよな?
神様、せめてスタート地点までは送って欲しかったぞ」
なんてごちるが、神様の反応は当然ながら無い。
もしかしてここがスタート地点か?
死んだらここに戻されるなんてな。ここが死後の世界みたいだけどなハハハ
いやいやいやゲームじゃないのだから死んだらお仕舞い。これだけは肝に命じておかないと。
ともかく真っ暗では状況がわからないので灯りが欲しいがライターとか持ってない。
星空が見えないので外では無さそう。
そうだスマホ持ってたなと尻ポケットから取り出してみると充電催促のメッセージが出ている。
時刻を確認する
表示は「04/08 02:21」となっている。
「結構時間経ってるんだな」
俺が美術館を訪れたのは「3/30」の午前中で火災が発生したのが少し早めの昼前に付属カフェで軽い食事を摂った後だからお昼過ぎくらいのはず。
1週間以上経っていることになる。
よくもまあバッテリーが持ったもんだ。スタミナモード凄いな、ちょっと見直したぞザニー。
ライトを点けてみる。
光が届く範囲が薄ぼんやり浮かび上がる。周囲には壁は見えないので結構広い場所らしい。天井も見えない。広すぎだろ。
バッテリー切れの警告音が鳴り勝手にスリープモードになるmyスマホ。再び真っ暗闇だよ。
うん、こんな時こそ魔法だよ!と魔術式一覧を呼び出す。
自分の作った魔法のクリエイトウォーターの他にライトとかいくつかの魔法があった。
さっき神様のところで見たときは一覧には無かった魔法たちだ。
プリセットってことなんか?
魔術一覧
・クリエイトウォーター
・ライト
・ダーク
・ファイア
・アイス
ライトを選択する。
【ターゲットを指定してください】
「どうしよう、灯りを手に持ちたくはないからなぁ。もし魔獣とか居たらこんな暗闇の中じゃ格好の的になるもんな。」
ということで床を手で触りながら床を選択
【規定値の明るさと持続時間で実行しますか?】
承認すると、耳障りな音が俺の口から響くと途端に足下を中心に周囲が明るくなる。うぉまぶし
しかし壁は相変わらず見えず天井もまだ見えない。
床を見る限り規定値だと半径5mくらいは照らし出されてるので天井はそれ以上ってことだよな。どんだけ高いんだよ。
視界の隅にあるMPゲージが徐々に回復していくのに気付いた。
見た感じ1秒に1MPが回復してるみたいだ。
今更ながらMPのMaxを見てみると120となってるが、これが多いのか少ないのかはわからないけど今のライトで減ったのは10くらいだったので12回は連続で唱えられる。しかも自然回復も遅くはないので無理しなければ枯渇は避けられそうだ。
埒があかないので光が届く限界のところでライトを選択して今度は規定値ではなく明るさを調節することにした。
【明るさ追加消費MPを指定してください】
1MP単位で上限の確認は一先ず保留して、1を指定し実行を承認する。
結果からいうと半径が約6mになった。
最初のライトの範囲からの目測だけどそう間違ってはいないだろう。
「単純に1MPにつき半径1m追加ということかな」
最初に点けたライトはまだ消えていない。先ほどと同じように光が届く限界のところでまたライトを使おうと思って端の方へ歩いていく。
これで今照らされている範囲での最大直線距離は約11m
面倒になってきたので範囲拡大+20で実行!
「壁は・・・近くに在ったんだな。この壁、光を全く反射していない。」
ライトで照らされている範囲の床の途中から突然闇の壁が生えているため床の形が浮かび上がっている。
床はおおよそ幅30m奥行き30mな正方形
部屋のなかは四隅には高さ1mほどの円柱があるくらいでその他には何も無い。
恐る恐る闇に触れてみると床と似たような感触が指に伝わる。
「となると出入口はどこだ?」
そう壁すべてが光を反射しないので見た目では出入口が分からないからだ。
仕方なく闇の奥の壁に触れなが移動する。
結果、一周したけど壁は均一で出入口のような窪みはどこにも無かった。
ぐぬぬぬ、いきなり行き詰まったぞ。
神様、いくらなんでもヒントくらいくれても良かったんじゃね?
ゲームならば手持ちの物で解決出来るようにしてあるけど・・・
俺の使えるものってのは魔法だけだよな
となると怪しいのは一覧に追加されてた魔法だよなぁ
追加された魔法は4つ
部屋を見渡して、4つの円柱・・・・アハハハハ、そんなベタな落ちは無いですよね。いやまさかね。
円柱を調べることにした。
円柱の天辺に文字が彫られている。
【◇△○◎□●◎■】
へぇ文字の翻訳はルビになるのか。
便利だけどこれじゃ文字覚えないだろうな。読めてもきっと書けない。
文字の意味から予想は付いたけど、他のも調べてからだな
【※◎■】
【☆■◆□○△▽】
【○△▼◆●▲】
ベタでした。
しかも闇以外は捻りもないぞ!
試しに効果時間が長いのが判ってる光からやっていく。
円柱の天辺をターゲットとしてライトを放つ
次の柱に向かっていく。
次は炎
ファイア初使用
【規定値で実行しますか?】
ついでだから追加で何が出来るのか知っておこうかな。
【熱量、範囲、効果時間】
規定値の範囲がどれくらいなのか分からないのが怖いな。
あと2ヶ所廻るから試しに効果時間だけ増やしてみるかと効果時間+20で実行。
現れた炎は掌に乗る程度の大きさだった。
次、アイス
ファイアと同じく追加の確認
【熱量、範囲、効果時間】
一緒かよ!
熱量がわからねぇ +にすると温度が上がるのか下がるのか
結果+が243までだったので察した。
ファイアと同じく効果時間だけ増やした。
最後の闇に向かうときに異変に気付いた。
「・・・光が消えてる」
光の柱の天辺に点したライトが消えていた。
効果時間は追加してるからまだまだ余裕。というか先に床に点したライトはまだ存在してる。
理由があるはず。仮説を試してみるか。
安らぎの円柱にダークをくべてみる。
他の柱を確認してみるとファイアが消えている。
規定値のファイアの持続時間が解らないので、少し先の床に向けて規定値ファイアを放つ。30秒ほどで消えた。持続時間+1にしてみると1分くらいなので30秒づつ増えていくから+20なら10分半
そうなるとやはり円柱のファイアが消えるのは早すぎる。
順番に点すと2つまでしか残らないってことか。
「なんとなく意図が解ってきた気がする。きっと同時に点けないとダメなんだよね」
チュートリアルっぽいな。ヒントないけど。
あのフレイム・ソフトウェアさんですらヒントはくれてたぞ!かの会社のゲームはチュートリアルで余裕で殺されるけど。・・・いやまさかね。。。アハハハ
早目に攻撃と回復の魔法作っておいた方が良さそうだと思い始め気を引き締める。
いや今はまず同時に点す方法を考えよう。
考えてみれば魔導の瞳のメニューをまだ全然調べてないな。
メニュー、改めて見るとすかすかだな。
魔法
ヘルプ
魔術作成
魔術式一覧
スキル
ヘルプ
一覧
アクティブ
パッシブ
装備
ヘルプ
武装
防具
ステータス
ヘルプ
コンフィグ
あからさまな歯抜けあるし、なによりスキル以降の項目なんてさっきまで無かったぞ!
メッセージがポップアップする。
【魔術チュートリアル(初級)クリアにより機能の一部が解放されました】
【チュートリアル(全般)各ヘルプを確認することで機能が解放されます】
うん、あーそうですね。取って付けたように表示されるメッセージ。
オンラインゲームのチュートリアルそのまんまって感じですかね。
ともかく魔法のヘルプを確認するか
ヘルプ
索引
検索
検索できるのならそれにこしたことはないよな。
検索条件と出てくる。文字列だけでなく細かい指定もできるようだ。
まずは「マルチキャスト」で検索するとヒットしましたよ。
マルチキャストというそのものずばりな項目があったので内容を見てみる。
『マルチキャストとは、複数の魔術を同時展開および発動をすることです。
使用方法は、魔術一覧からマルチキャスト欄に対象を設定しておくことで可能となります。
マルチキャスト欄に設定する魔術は同一魔術式を複数回設定することも可能です。
なおマルチキャスト欄は増設することで複数のマルチキャストを控えておくことが可能となります。』
魔術一覧を開いてみる。
さっきまで無かった空き空間にマルチキャスト欄というのが追加されていた。
早速、ライト、ダーク、ファイア、アイスをセットして決定する。
【マルチキャスト1のショートカットを作成しました】
【マルチキャストクイックメイクが解放されました】
メイン画面にアイコンが出来ている。なるほど。
クイックメイクはたぶんわざわざ魔術一覧ウインドウを開かなくても作成できるとかだろうな。戦闘中とかにいちいちウインドウ開いてなんてやってられんからね。
では次に「マルチロック」を検索
『マルチロックとは、複数目標に対してアクションを起こす際に使用されます。
またマルチキャストでそれぞれの魔術を特定した目標に使用する場合は、目標をロックする際にマルチキャスト内のどれを使用するか指定してください。また既にロックしている場合でもマルチキャスト内から指定すれば設定可能です。
但し、マルチキャスト内にひとつしか設定されていない魔術を複数目標へ設定は出来ません。設定されている魔術の数までしか目標設定は出来ません。
マルチロック数がマルチキャスト内に登録されてる魔術数よりも少ないなどの場合は、目標指定されていない魔術は発動しません。
逆に同一ロック対象に複数の魔術を指定することは可能です。』
なるほど忙しないけど有用だね。
一目標に対して同時に魔法ばかすか撃ち込むことも可能ってことか。
【マルチロックが解放されました】
なにはともあれ実践してみよう。
それぞれの柱を見てそれぞれ対応する魔術を意識してロックしてゆく。
おお、ロックした目標にマークがついて分かりやすい。
おまけに視界の外の場合でも視界の隅に居る方向が判るようにマークが付いてて分かりやすい。
ロックした目標の下にマルチキャストで設定した魔術名が表示されているので確認も出来るんだな。
試しに闇と氷を入れ換えて指定してみるとちゃんと変わってる。
ロックを戻していざ実行。
「マルチキャスト1発動」
声に出す必要は無さそうだけどなんとなく叫んでみた。
そして自分の口と鼻から耳障りな音が不協和音のカルテットを奏でる。
同時にすべての円柱に魔術が発動する。
するとズズッズズズズ・・・と石が擦れる音が聞こえてきた。
闇と氷の円柱があった壁の真ん中辺りが引っ込んでいく。
「これでやっと出れ・・・」
引っ込んだ先から何かが入ってくるのが見える。
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次回「イベントバトル ~フレイム・ソフトウェア式~」
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