水晶龍といっしょ ~ダンジョン巡って魔王の種もぎ~(仮題)

眠り草

文字の大きさ
8 / 47
【第一章】一部

【呼び出されし者】05.本編スタート ~フレイム・ソフトウェア式~

しおりを挟む
「ドナドナドーナドナー♪」

歌を口ずさみながら、回復魔術の糸口として魔力注入による再生治療促進というのを考えてみたのを試すために魔術礎を探していた。

俺の乏しい医学知識からだが胚性幹細胞を対象から抽出するなり生成して増殖させることで回復はできるだろうと思い付き、これをどのように組み上げるのかに頭を捻っていた。

最初に左肩に開いた穴3つの傷口をアナライズで確認するが出てくるのは傷の具合と治癒の経過状況とHP3相当ということだけだった。

刺創 径22mm 深度20mm
出血微量 化膿なし 回復中
HP-1

刺創 径20mm 深度18mm
出血微量 化膿なし 回復中
HP-1

刺創 径16mm 深度16mm
出血微量 化膿なし 回復中
HP-1

傷口洗っておいたから化膿はしなくて済んだようでなによりだ。
傷口の大きさにあまり違いがないからか減ったHPはみな同じ。



というしょぼげなアナライズ結果を見ててふと幹細胞を思い出したので細胞を意識して再度確認する。

【スキル:アナライズ に 生体組成解析 を追加しました】
【魔術礎:血液細胞群 を解放しました】
【魔術礎:リンパ細胞群 を解放しました】
【魔術礎:幹細胞群 を解放しました】
【魔術礎:筋細胞群 を解放しました】
【魔術礎:遺伝子 を解放しました】

おっし!これで回復魔術への可能性の芽がでてきた。

まずは

幹細胞群にある【胚性幹細胞】と【周辺魔素】【魔素吸収】を選択する。
【周辺魔素】【魔素吸収】を使うのは自分の魔力ではなく周囲にある魔素を使えれば魔力の節約ができないかと組み込んでみた。
これだけだと自然治癒と違いが判らなそうなので【魔力制御】を追加して回復を促進できないかを確認してみることにする。

【胚性幹細胞】(【周辺魔素】【魔素吸収】)+【魔力制御】】(【周辺魔素】【魔素吸収】)

魔術式生成を実行する。

【対象が曖昧なため生成出来ませんでした】

あー、エラーで返ってきた。

「胚性幹細胞だけだとダメってことか。一人一人遺伝子が違うから?」

エラーの原因を首を捻りつつも不足しているという情報を考え【遺伝子】を追加してみる。

(【遺伝子】【胚性幹細胞】(【周辺魔素】【魔素吸収】))+【魔力制御】(【周辺魔素】【魔素吸収】)

再度生成。

【対象が曖昧なため生成出来ませんでした】

再びのエラーメッセージ

「これでもダメかぁ・・・」

何が足りないのか分からず行き詰まる。
こんな時はヘルプ先生にお願いしてみるか。
遺伝子の礎を検索する。
【遺伝子とは生物を形成するための設計図に相当するたんぱく質です。4種のたんぱく質からなり(中略。遺伝子の解説で欲しい情報ではないので)。生物は個体毎に遺伝子情報が異なるため、アナライズにて個体毎に遺伝子情報を取得する必要があります。】

エラーメッセージの対象ってのの意味がやっとわかった。魔術礎の遺伝子てのは概念であって実際の遺伝子情報はアナライズして取得しなきゃ植物なのか動物なのかすらわからないから曖昧と言われたわけか。

胚性幹細胞は卵細胞の時にしか無さそうな記述だったので直接使えそうに思えなかったのでアナライズした情報から遺伝子を基に胚性幹細胞を作るように組み換えてみた。

(【アナライズ変数】【遺伝子】(【周辺魔素】【魔素吸収】)→【胚性幹細胞】)+【魔力制御】(【周辺魔素】【魔素吸収】)

3度目の正直

【ヒール(仮) を魔術式一覧へ登録しました】
一応魔術式はできたけど、想定通りの結果になるのか不安なので名称は(仮)にしておいた。
早速左肩の傷口で実験してみる。

傷口をロックしてからアナライズ、魔力制御で加速と魔力密度を増やして発動してみる。
傷口が温かくなってきたので効いてる感じがするので良く観察してみると、傷口の淵から肉が盛り上がりじわじわと閉じていく。・・・グロ!

痛みが引いていく。およそ10秒程度で穴は塞がり、瘡蓋かさぶたになり剥げ落ちて綺麗な元の肌に戻った。

成功!
MPを確認すると全回復するところだったので10程度の消費だったようだ。
これなら連発できそうで心強いな。


魔素吸収で相手の魔術から魔素を奪って邪魔できそうだと思い付いたので試しに作ってみることにした。

【魔術式アナライズ変数】【魔力制御】+【魔素吸収】

かなり適当だが試しに魔術式作成したら成功したので機会があれば誰かの魔術相手に試してみたい。

【マグジャマを魔術式一覧へ登録しました】
ネーミングセンスないのは理解してる。うん、センス無いわ俺。








「荷馬車が揺ーれるぅ♪」


ガタゴトと揺れて乗り心地は最悪だ。


「神様・・・ふ ざ け ん な ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ」



俺 within 鉄格子 of 馬車

現実逃避するために回復魔術を作っていたが完成して傷も治り現実に戻ってきた。あ、いや、回復魔術作ったのも現実なんだけどね。

いくらフレイム・ソフトウェアでも奴隷としての輸送スタートなんてそこまで酷いのは無かっただろぉぉぉぉぉぉ!!
あ、お前もそうなるんだよって牢屋にぶち込まれるのはあったかも・・・



マンティコアを倒して壁や結界的な魔術を用意した辺りで異様な睡魔に襲われて気絶するように眠りに落ちたような記憶まではあるんだけど、目を覚ましたらこうなってました。

何を言っているのかわからないが俺も何をされたのかポルナrf



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...