水晶龍といっしょ ~ダンジョン巡って魔王の種もぎ~(仮題)

眠り草

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【第一章】一部

【呼び出されし者】25.クミンの母

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「ポーション、ありがとうございました。お陰で助かりました」

クミンを抱えているので、軽く上半身を傾け妙齢の美女にお礼を陳べる。

「いいえ、こちらこそ娘のクミンを助けて頂き親として心から感謝しておりますの。ありがとうございました」

クミンの母?!
とても子持ちとは思えないスタイルと妖艶さ。なによりその狂暴なまでの双丘!ナタルゥなんて比じゃない。よくその形をササエテイラレマスネ。ブラも着けずにその形を維持するってどういうこと?
その見事な体型を殆ど隠してない衣装に支える機能はどう見てもありません。
魔法か?魔法なのか?!

「クミンのお母さんでしたか。もしかしてあのダンジョンシードを倒してくれたのは貴女ですか?」

俺が寄生されそうになったところを助けて貰ったのだ。2度も助けて貰ったことになる。

「はい、私でございます。先祖からダンジョンシードは死にそうになると近くの者に寄生することが伝えられておりましたので」

「2度も助けていただいたことになりますね。本当にありがとうございます。
警告がなければあのまま寄生されて礎にされるところでした」

クミンママは微笑みながらゆっくりと左右にかぶりを振り

「娘の命の恩人を死なせてしまっては娘に恨まれてしまいますからね。ふふふ」

慈愛に満ちた笑みでクミンをみつめる。

クミンママはしゃがみこむとクミンの頭を撫でながら

「クミン、お仕事お疲れ様。よく頑張り約束を守りましたね。お母さん嬉しいわ。
それにしてもそこまで他の人に懐かれちゃうとお母さんちょっと嫉妬しちゃうわぁ」

クミンは相変わらず俺にしがみつき頭をグリグリ俺の胸に擦り付けている。
可愛ぇ。世のお父さん達の気持ちが理解できました。きっと今俺はだらしない顔をしているんだろうな。

俺はクミンの両肩を優しく掴んで胸から少し離しクミンの顔が見えるようにする

「クミン、お母さんにお仕事のこと伝えないとね。ほら立って、お母さんにクミンは頑張りましたって言おうね」

うるうる目で見つめられるとそのまま抱き締めたくなるけど、我慢してクミンの両脇を支えて持ち上げお母さんの方に向かい合わせる。

クミンはしゃくりあげながらのそのそと立ち上がる。

「ひっく・・ぐす。お、かあさん。クミンは稀人様を、ぐす、みつけることができました。わぁぁぁぁぁんお母ざぁぁぁん。クミン頑張ったよ!!一杯頑張ったよぉわぁぁぁぁぁん」

クミンは言い終わるとお母さんに飛び付き盛大に泣きじゃくる。
クミンママは優しくクミンの頭を撫でながら

「クミン、巫女の務め、よく果たしました。良く頑張りましたねクミン」

クミンママはゆっくりしゃがみこむとクミンを力強く抱き締めていた。

感動の親子の再会だ。水を差すのも無粋だろうと、俺は振り返りクミン親子のために声を掛け辛く所在なさげにしているダラ達に向き合う。

「ダラさんたちもありがとうございます。
 特にナタルゥ、弓はナイスタイミングだったよ。ほんと助かったよ」

ナタルゥの顔がみるみる赤くなっていくのがわかる。
首を高速で左右に振りながら両手を前に突き出して手の平を凄い速さで振っている。
誉められ慣れていないのかな。リアクションが激しくて可愛い。ういやつじゃw


「無事なんとか囚われの身からは解放されましたので、これからどうしましょうか。ダラさんたちはどうしますか?」

「それでしたら・・」

と後ろから声が掛かる。

「私達の村に是非お越し下さい。ここからですと人族の街はかなり遠いですから」

クミンママがクミンを抱っこしてこちらに来る。

「アミラド殿!・・・何故此処に?」

ダラは驚いた顔をしている。クミンママを知っているようだ。

「ダラ様、この度は我ら聖地の魔獣討伐をして頂きありがとうございました。お陰様で稀人様をお迎えすることが出来ました。私の村一同の代表としてお礼申し上げます」

クミンママはクミンを片手で抱いて頭を下げた。
なるほどダラさんたちに仕事を依頼したのはクミンママらしい。

「稀人様、ダラ様御一同、是非私達の村にお越し下さい」
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