神託が下りまして、今日から神の愛し子です！ 最強チート承りました。では、我慢はいたしません！

連載

お父様が引きこもりに

PCもどきというのも烏滸がましい程に簡素なセットを作り出し、それでも機能はバッチリなリーゼあるあるで産み出されたソレの使い方を説明すると、お父様はうんうんと何度も頷いた。

そして、私の顔を覗き込む。

その顔は、もう使ってもいいかい？と、発音していないのにしっかり伝わる表情で…


PCもどきの正面の席を譲ると、最初は人差し指でカタ、カタとぎこちなくキーボードもどきを押して居たお父様。

じーっと微動だにせず盤面を見つめたかと思ったら、プログラマー？！って速度で全ての指を駆使してキーボードもどきを叩き出した


そーっと背後から覗き込んで見れば、しっかりと文章が構成されている。

嘘でしょ…
私の数倍速いんだけど？！

お父様ってハイスペックだろうとは思っていたけど天然チートなのかな？
能力高すぎない？？


タイピング音が止んだかと思えば、マウスもどきをカチカチと操作して、プリンターもどきからプリントされた紙が排出された

「リーゼ！素晴らしいものをありがとう！！お礼にほら！これをあげよう！！」

テンションの高くなったお父様は、王家の封印がされた封筒を私によこした

封筒の表には、お父様と私の名前が連盟になっている

なのに封印も解かれてないのは何故だろう？と思いつつ、貰った＝私のものだから封印を割って中の手紙を読んでみると…

ローゼリア(旧ローゼバルト)伯爵領地の領主を正式に、リーゼロッテ・フォン・ローゼバルトとする
効力は、私がこの文章を手にした瞬間より

的な内容だった

「えっ？！お父様？！」

「リーゼは、ローゼリアを大事にしていたから卒業後に譲渡しようと思っていたんだけどね？この様な道具であれ程素晴らしい書類を作れるなら能力も問題ないしね？私も、これから色々と忙しくなりそうだからね」

……いや、絶対にいっぱいやりたい事あるから、ローゼリアはリーゼに任せた！！
って聞こえるんだけど？

でも、ローゼリアの正式な領主だー！！
これで、お父様への申請の手間を無くせるぞー！！

「お父様ありがとうございます！」

「こちらこそ！ローゼリアを頼んだよ」

画面に釘付けのまま私に手を振るお父様


今すぐローゼリアに飛んで行きたい
でも、学園だけは卒業しなければ
んーっジレンマが凄い
学園の郊外学習をローゼリアでやってみないかって提案してみるのはどうかな
なんて私がウキウキとローゼリアに思いを馳せていた日から1週間後

「お嬢様、なんて物をお作りになられたのですか」

と、マイセンからお父様が王宮に出社もせず執務室に篭もりっぱなしだと聞かされた時には、引きこもりお父様が爆誕したのだと焦ったのは言うまでもない