神託が下りまして、今日から神の愛し子です! 最強チート承りました。では、我慢はいたしません!

しののめ あき

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課外学習

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引きこもりお父様は、お母様に一喝されたようで食事は家族と時間を合わせて取るようになった。

「仕方ないお父様よねぇ。」

と、眉を下げながら笑うお母様。

「ティア。申し訳なかった。今までの書類等を全部作り直していて夢中になってしまっていたんだ。これから、もう少し休み休み行うと誓うよ。」

お父様がお母様を見つめながら反省した表情でそう伝えた。
結婚して20年位経ってるのに2人は新婚かのように仲が良い。
羨ましい。

そういえば…

「お父様、お母様。明日から私、課外学習の期間でした」

「そうかそんな時期か」

「課外学習は、色々と大変だったわね。」

「まぁ、リーゼなら心配ないだろうが」

「そうだけれど、リーゼ。無茶をしては駄目ですよ?貴女ってばやりすぎてしまいそうだもの。」

2人の反応に苦笑いするしかない。
課外学習とは、王都の外れにあるダンジョンに入る事である。
普段は、騎士を目指す人や傭兵の訓練所として保管されている魔物が発生する地下層の事らしい。

いくつもの階層にわかれていて、地下に行けば行く程強い魔物が発生するのだとか。

そして年に一度、課外学習として学園から生徒が見学に行くというカリキュラムがある。
なんの為かと言うと、魔獣の恐ろしさを知らなければいくら対処法を学ぼうとも身につかないからだとか。
少なからず魔獣の被害はあるもので、ローゼリアにも辺境で魔獣被害を受けた人達を受け入れたのも記憶に新しい。

魔獣について正しく学ばなければ、将来自分が魔獣と対峙した時、治めている領地に魔獣が出た時の対処に遅れが出ると考えられている。
その為の課外学習だ。
学園の行事である為、深い層には行かず護衛の騎士を連れて行き騎士の訓練として使われている5階層の手前、4階層までしか進む事もない。
護衛騎士が用意出来ない場合は、学園が依頼して王宮騎士団の新兵が護衛するので、1人の生徒につき、1人の護衛がつく事になっている。


「私の護衛は、ブライアンに頼もうと思っています。」

「そうだな。ブライアンなら普段からリーゼの専任でもあり、ローゼリア騎士団の副団長だ。腕もたつだろう。」

「リーゼ。本当に気を付けるのよ?」

ブライアンの同行に笑顔で頷いたお父様と、私の身を案じているというよりは、私が何かしでかさないかを心配しているお母様に、返事を返し食事も終えたので自室に戻る事にした。
あとは、夫婦水入らずでお過ごし下さいな。

自室に戻る途中で、王宮から帰ってきたエディお兄様と遭遇した。

「エディお兄様、お帰りなさい。」

「リーゼ。ただいま。明日は課外学習らしいじゃないか。城でレオンハルト殿下に伺ったよ。」

「そうなんです。今日まで伝え忘れていました。」

「リーゼなら心配ないと思うけど、良からぬ考えを持つものはいるから気を付けるんだよ?あと、リーゼも無茶をしないようにね。」


エディお兄様は、私の頭をポンポンとすると、明日の為に早くお休みよ。私は、父上に話があるから行くね。と言って去って行った。

お父様とお母様の言葉をエディお兄様から纏められたような気がして少しニヤっとしてしまった。
親子だな、兄妹だなと、嬉しくなったからだ。

前日の報告になってしまった事を反省しつつ、お兄様の言う通り早くに休んでしまおう。
アンナが開けてくれた自室の扉をそう決めてくぐった。

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