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過呼吸

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 息が出来ない。

喉に、なにかが詰まっているような、、、
胸を圧迫されているような感覚。

 思い出す。考える。
 
 思い出すな!考えるな!

 そう私の心と、体が、訴えている。

 初めて、過呼吸をおこしたのは、心が壊れる少し前。
 突然、呼吸が出来なくなった。
仕事場での、部長朝礼の時だった。
 
 私は、元々、あがり症だった。
すぐ顔が真っ赤になる。声が震える。
緊張で頭が真っ白になる事も、しばしばあ
った。

 真っ赤になる🟰気が弱いだけ

という、心ない一言を吐いた男性もいた。

壊れた心は、戻らない。元には戻せない。

 その代わり、別の物を手に入れた。

 信じない。期待しない。考える事だ。

 疑り深く信用しない事だ。相手に何も望まない事。
 期待すれば、裏切られ、信じれば、騙され利用された。


 考えて、泣いて。何度も繰り返し、思い出し、他の方法は、あったのか、自分の何がいけなかったのか、、、。

、、、疲れてしまった。

 壊れた心で、出した結論。
「  全てが、自業自得なのだ。  」
 
 人も自分も大切にしてこなかった自分自身。その人の本質をみようとしなかった自分。人に依存する事で押さえつけた心。その場しのぎで続けた人間関係。考える事をやめた事。
 私は、上手く立ち回れなかった。
 人が求める対応が出来なかった。

 ニコニコ笑って、全てを受け流すことが私には難しかった。
子供のままの私には
「大人の対応、心遣い」が出来なかった。

 善い事。悪い事。
自分の行いは全て自分に必ず返ってくる。

 私の行いは、返ってきただけなのだ。
何度も、振り返る機会。やり直せる時。が存在した。

 でも、私は逃げ出したのだ。
言い訳をして、現実と向き合ってこなかった。
だから私は、今、たった独りなのだろう。

人を壊すのは簡単だった。

 無視。
 無関心。
 価値観の否定。
 存在の否定。

 無視され、価値観や存在意義を否定された時、私の心は完全に壊れた。

 お金でも、楽な生活でも無かった。
望んだのは、ほんの小さな幸せだった。
笑って過ごせる毎日。働いて、普通に過ごす日々。そばに寄り添う優しい家族。

どんなに望んでも、手に入らない普通の日々。
 家族は死んでしまった。
 友人とは縁を切った。
 薬が無くては生きることもできなくなってしまったボロボロの体。
    壊れた心。

よく夢を見る。大切な親友との夢。
母、祖母、姉が出てくる夢。

夢の中にいたくて、よく眠る、、、



 姉との関係を考え直す。今では、住んでいる所も知らない。
 
 私はどう立ち回れば良かったのだろうか。

考えれば、考えるほど、、、
「息ができない。」
 










次から、年齢順に書いていきます。
よろしくお願いしますm(*_ _)m








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