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36. 終わらせなくては side ブレイブ
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Side ブレイブ
(二人は何を話しているんだ?)
ティーナが寝室でレオンと話をしている間、僕はそわそわしながらリビングで待っていた。
チクタクチクタク
時が進むのがやけに遅く感じる。
ガチャリと扉が開いて、ティーナとレオンが一緒に部屋を出てきた。
「お待たせしました。」
そう言って頭を下げるティーナは、先ほどより少し元気になったように見えた。レオンとティーナの間に流れる空気が柔らかくなっている。
(いやだな…)
レオンと視線を合わせずに、僕は尋ねた。
「その…体調はどうだい?」
「少し、寝たらすっかりだ。夜遅くに迷惑をかけたな。」
そう言って、レオンは僕に謝罪した。
(意外と、まともな奴なのか?)
「俺はしばらくハルトン国に残ることにした。…なんかあればすぐ頼れよ。」
そう思わせぶりにティーナに目配せするレオン。
(やっぱこいつ嫌いだ。)
「今の時間に出てってどうするの?」
「どっかの宿は空いてるだろ。何とか探す。じゃあな。」
そう言って、ドアを開けたレオンを思わず呼び止めた。
「待て!倒れたばっかりで、宿を探し回るのは大変だろう。知り合いが宿をやっているから、部屋が空いているか聞いてみようか?」
「いいのか?」
レオンが驚いた顔で僕を見ている。
「ああ。もちろんだ。」
「ありがとう。助かるよ。お前、いいやつだな。」
レオンがざっくばらんな口調で言うから、少し照れてしまう。
「そ、そんなことはないさ…。」
****
ミミの宿について、ドアベルを押すと、いつものようにミミは満面の笑みで向かい入れてくれた。その笑顔を見るたびに、僕は心の底から安心するのだ。
「いらっしゃい!ブレイブとティーナちゃんと…おや?」
レオンは迷うことなく、ミミの前にいき
「レオン・ダルトン。トール国で医者をしている。ティーナの元婚約者だ。」
と自己紹介をした。
「あらぁ。」
それほど動じる様子もなく、ミミは口を押さえると、レオンとブレイブを交互に見た。
「遠いところ、よく来てくれたね。疲れているでしょう。お部屋はこっちよ。」
「あ…私、案内しましょうか?」
「よろしくね~。」
楽しそうにひらひらと手を振って送り出すミミ。
「なんだかおもしろいことになってるわね。」
(ミミは僕の味方じゃないのか?)
そんなガキっぽい考えをばれないように、平静を装って会話を続けた。
「その…ティーナのことが心配になって、ハルトン国まで来たらしい。」
「元…婚約者ねぇ。まだまだ、ティーナちゃんのことが大好きなように見えたわ。」
「どうだか…。」
「ピンチね、ブレイブ。」
「そんなことない!僕はもうすでに、ティーナの夫だ!」
つい向きになって言い返すと、ミミは真顔でまっすぐに僕を見た。
(怒られるっ。)
反射的にそう思った。小さいころから、ほとんど家にいなかった母の代わりに、僕を叱るのはいつもミミだった。いつもの笑顔がなく、正面から僕を見て、彼女は叱るのだ。
「ねえ、ブレイブ。宿の何人かのお客さんが私に、リリーちゃんと二人でブレイブが屋台を歩いていたって教えてくれたよ。」
「それは違うっ、あの日は僕とティーナとリリーの3人で出かけていて…。」
「宝石店でリリーちゃんに何かを買ってあげたのかい?」
「そ、それはそうだけどっ、その…断れなくて…。」
「ブレイブは気づいているかわからないけど、その日くらいから、ティーナちゃん、時々ひどく悲しい顔をしているんだよ。何があったか、詳しく聞く気はないけれど、ブレイブの行動が、ティーナちゃんを傷つけたのは確かだよ。」
ミミの言葉は正しい。僕は彼女の目を見ることができずにうなだれた。
「ね、ブレイブ。私は、あんたが誰のことを好きでも構わない。だけど、どっちつかずの態度をとって、誰かを傷つける人にはなってほしくないんだよ。」
ミミの言葉に、僕はがっくりと項垂れた。その通りすぎて、返す言葉がない。
僕の様子を見て、耳は肩をポンポンと叩いて笑った。
「わかればよろしい。ほら、美味しいお菓子があるんだ。お土産に持ってきな。」
やっぱり、ミミはいつも優しい。
ミミの人生が平坦なものじゃない、厳しいものだったって、僕はわかってる。もしかしたら、多分僕より。それでもいつもポジティブで、間違った僕を叱ってくれる彼女がありがたいと思う。
(もう、いい加減リリーと縁を終わらせなくては。)
僕はそう、心に決める。
(二人は何を話しているんだ?)
ティーナが寝室でレオンと話をしている間、僕はそわそわしながらリビングで待っていた。
チクタクチクタク
時が進むのがやけに遅く感じる。
ガチャリと扉が開いて、ティーナとレオンが一緒に部屋を出てきた。
「お待たせしました。」
そう言って頭を下げるティーナは、先ほどより少し元気になったように見えた。レオンとティーナの間に流れる空気が柔らかくなっている。
(いやだな…)
レオンと視線を合わせずに、僕は尋ねた。
「その…体調はどうだい?」
「少し、寝たらすっかりだ。夜遅くに迷惑をかけたな。」
そう言って、レオンは僕に謝罪した。
(意外と、まともな奴なのか?)
「俺はしばらくハルトン国に残ることにした。…なんかあればすぐ頼れよ。」
そう思わせぶりにティーナに目配せするレオン。
(やっぱこいつ嫌いだ。)
「今の時間に出てってどうするの?」
「どっかの宿は空いてるだろ。何とか探す。じゃあな。」
そう言って、ドアを開けたレオンを思わず呼び止めた。
「待て!倒れたばっかりで、宿を探し回るのは大変だろう。知り合いが宿をやっているから、部屋が空いているか聞いてみようか?」
「いいのか?」
レオンが驚いた顔で僕を見ている。
「ああ。もちろんだ。」
「ありがとう。助かるよ。お前、いいやつだな。」
レオンがざっくばらんな口調で言うから、少し照れてしまう。
「そ、そんなことはないさ…。」
****
ミミの宿について、ドアベルを押すと、いつものようにミミは満面の笑みで向かい入れてくれた。その笑顔を見るたびに、僕は心の底から安心するのだ。
「いらっしゃい!ブレイブとティーナちゃんと…おや?」
レオンは迷うことなく、ミミの前にいき
「レオン・ダルトン。トール国で医者をしている。ティーナの元婚約者だ。」
と自己紹介をした。
「あらぁ。」
それほど動じる様子もなく、ミミは口を押さえると、レオンとブレイブを交互に見た。
「遠いところ、よく来てくれたね。疲れているでしょう。お部屋はこっちよ。」
「あ…私、案内しましょうか?」
「よろしくね~。」
楽しそうにひらひらと手を振って送り出すミミ。
「なんだかおもしろいことになってるわね。」
(ミミは僕の味方じゃないのか?)
そんなガキっぽい考えをばれないように、平静を装って会話を続けた。
「その…ティーナのことが心配になって、ハルトン国まで来たらしい。」
「元…婚約者ねぇ。まだまだ、ティーナちゃんのことが大好きなように見えたわ。」
「どうだか…。」
「ピンチね、ブレイブ。」
「そんなことない!僕はもうすでに、ティーナの夫だ!」
つい向きになって言い返すと、ミミは真顔でまっすぐに僕を見た。
(怒られるっ。)
反射的にそう思った。小さいころから、ほとんど家にいなかった母の代わりに、僕を叱るのはいつもミミだった。いつもの笑顔がなく、正面から僕を見て、彼女は叱るのだ。
「ねえ、ブレイブ。宿の何人かのお客さんが私に、リリーちゃんと二人でブレイブが屋台を歩いていたって教えてくれたよ。」
「それは違うっ、あの日は僕とティーナとリリーの3人で出かけていて…。」
「宝石店でリリーちゃんに何かを買ってあげたのかい?」
「そ、それはそうだけどっ、その…断れなくて…。」
「ブレイブは気づいているかわからないけど、その日くらいから、ティーナちゃん、時々ひどく悲しい顔をしているんだよ。何があったか、詳しく聞く気はないけれど、ブレイブの行動が、ティーナちゃんを傷つけたのは確かだよ。」
ミミの言葉は正しい。僕は彼女の目を見ることができずにうなだれた。
「ね、ブレイブ。私は、あんたが誰のことを好きでも構わない。だけど、どっちつかずの態度をとって、誰かを傷つける人にはなってほしくないんだよ。」
ミミの言葉に、僕はがっくりと項垂れた。その通りすぎて、返す言葉がない。
僕の様子を見て、耳は肩をポンポンと叩いて笑った。
「わかればよろしい。ほら、美味しいお菓子があるんだ。お土産に持ってきな。」
やっぱり、ミミはいつも優しい。
ミミの人生が平坦なものじゃない、厳しいものだったって、僕はわかってる。もしかしたら、多分僕より。それでもいつもポジティブで、間違った僕を叱ってくれる彼女がありがたいと思う。
(もう、いい加減リリーと縁を終わらせなくては。)
僕はそう、心に決める。
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