離婚前提の仮面結婚のはずが、妊娠してしまったのですが…?〜夫は最初から私じゃない誰かを愛していました。〜

五月ふう

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43.会いたかったよ!

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Side ティーナ
 
 第3王子アドルフが主催する豪華なパーティは、煌びやかな光と音楽に包まれながらつつがなく進んでいた。私はブレイブの妻として、彼に付き添い、何人かの貴族に挨拶をして回る。微笑みを絶やさないように気を付けながらも、時折酷く気分が悪くなった。

(だいじょうぶよ、平静を装って。)

自分に言い聞かせて、何とか背筋を立たせる。

パーティが後半に差しかかろうとした頃、華やかな会場の中で一際目立つ存在が私たちに近づいてきた。第3王子アドルフだ。高身長に輝く金髪、そして誰もが見惚れる整った顔立ち。彼の口元には、いつもいたずらっぽい笑みが浮かんでいる。

「あ!いたいた!」

アドルフ王子が私たちに気づき、手を振りながらこちらに向かってくる。その声は遠くにいてもはっきりと聞こえるほど明るく、周囲の人々が振り返るのが分かった。

「おーい!ティーナ!会いたかったよ!」

その声に、会場中の注目が私たちに集まる。私は困惑しながら軽く会釈をしたが、その間にアドルフ王子が私に近づき、何の前触れもなく私をハグした。

「えっと、ご機嫌うるわしゅうございます、殿下。」

慌てて一歩引きながら頭を下げる。ブレイブは、驚いたように目を丸くしている。

「いつも主人がお世話になっております。」

その言葉を聞いたアドルフ王子は、大げさにうなずきながら笑った。

「ご機嫌うるわしゅう!ティーナ!さあ、行こう!」

その瞬間、王子は私の腕を取り、自分の腕に絡めた。

(え?何?)

状況が飲み込めないまま、私は目をぱちぱちさせた。

「おいっ、何してるんだ!」

焦った声が響く。ブレイブが一歩前に出て、アドルフ王子を鋭く睨んだ。

「殿下、ティーナは僕の妻ですっ!」

しかし、アドルフ王子は意に介さず、肩をすくめて軽く笑った。

「泣かせてばっかりのダメ男に言われたくないね。」

その一言に、ブレイブが息を飲むのが分かった。

「僕はティーナに話があるんだ。ブレイブはここで待ってな。」

言い放つと、アドルフ王子は私の手を引き、どんどん歩き出した。

「待て、アドルフ!」

ブレイブが制止しようとするが、アドルフは右手に呪文を唱えて、ブレイブに放つと、ブレイブは動かなくなった。

(どうしてこんなことに・・・?)

 私も何が起きているのか分からず、アドルフ王子に引かれるまま進むしかなかった。

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