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7.食事係に任命されました
しおりを挟む「駆け落ち相手に捨てられた・・・ねぇ。」
山賊のボスは私を哀れみの目で見つめた。
「はい・・・。」
山賊のボスの元に連れた私は、先ほどの嘘をもう一度繰り返した。
デンバー国の貴族だが、一緒にザルトル国に来た婚約者に捨てられた、と。実際に私は婚約者の母に家を追い出されているので、あながち嘘ではない。
「嘘をついているわけでは・・・ないよね?」
ボスは他の山賊とは違う細身の男。ナイフよりもワイングラスが似合いそうだ。彼は眼鏡の奥から冷たい目で私を睨みつける。
「は・・・はい。」
私は震えながら頷いた。
「ま・・・そんな嘘をつく必要ないか。見るからにどんくさそうだし、ありそうな話だ。」
私は黙って何度もうなずく。賢そうな顔をしていなくてよかった・・・!
「ボス!!この娘をどうしますか?そのあたりに放り出しておきますか?」
よし。いいぞ、髭もじゃ。放り出してもらえたら、サイラス様の元に戻れるかもしれない。
「いいや・・・身元のしれない女を解放して、俺たちのアジトが見つかるのは困るんだ・・・。ちっ。面倒な女を誘拐してきやがって・・・。そうだな。そういえば食事係の人出が足りないと言っていなかったか?」
「はい。男ばっかり人数が増えてですね・・・日々まずい飯が出てくるんすよ。」
「おい、女・・・シエリといったか。お前、料理は作れるか?」
思いがけない質問に戸惑いながら答える。
「その・・・ある程度は・・・。」
実家にいるときから料理は手伝っていたし、ザルトル国に来てからは毎日食事を作っていたからかなり上達した。
「よし!そしたら、お前は今日から俺たちの仲間としてここで食事を作れ!」
私は言葉を失った。なぜ私が山賊の仲間にならなければならないのでしょうか?
「もしも逆らうようならば、お前の命は保証しない。だがここで大人しく働いていたら、寝床と食事は満足に取らせてやる。」
どうやら私に断る選択肢はないらしい。ここで大人しく食事を作るふりをして、脱出のタイミングを見計らおう。
「わ・・・わかりました。」
私が了承すると、ボスは満足そうにうなずいた。
こうして私は誘拐された山賊たちの食事係になってしまったのでした。
◇◇◇
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