20 / 29
20.女王様は幸せになるのです(side アルフレッド)
しおりを挟む
みっともなく地面に転がり込んだオークリィを見て、シアラ様が笑う。
「お前っ!!こんなことをして、ただで済むと思ってるのか?!絶対に金を貸してやらんぞ!」
「あんたの金なんか借りないわ。
本当、どうかしてた。
あんたみたいなクズと関わって良いことなんか絶対ないのに!」
シアラ様はオークリィに向かって言い放った。
「シアラ様!!」
感動のあまり、シアラ様を抱きしめたくなる。
「この暴力女!!もっと惨めな顔をしなさいよ!!」
オークリィに駆け寄って、ボニーは喚く。
「痛い目を見るのは、あんたたちのほうよ。ボニー、オークリィ!!」
シアラ様はオークリィとボニーを見下ろした。
「お前に、、、何ができる?!惨めに泣いて、乞食のようにお金をせびるだけだろう?!」
シアラ様は首を振った。
「すっかり忘れていたけれど、私には友達がいるの。聞いていたんでしょう、ボニー?」
ボニーは大きく目を見開いた。
「お姉様!!まさか他国の王子に頼るつもりじゃないでしょうね!!絶対にだめ!!だめよ!!」
さっきとは打って変わって、ボニーは青ざめた顔で叫んだ。
「楽しみにしてなさい。あんたらが威張れるのは、国の中だけだから!」
そう言って、シアラ様はドアを閉めた。
バタン!!
シアラ様は笑顔を浮かべて、僕を振り返った。
「すっきりしたわ。」
僕は大きく頷いた。
「僕もです。」
シアラ様は大きく伸びをした。
「クーズマのところに行きましょう。カーシャさんを助けなきゃって焦りすぎて、あの男のことをすっかり忘れてたわ。」
3年前、シアラ様の恋の相手と噂された男。僕はあの男が嫌いだ。
「クーズマですか?」
「そう。こうなったら、あの馬鹿っぽい皇太子に頼るしかないわ。」
記憶を失う前のシアラ様も、クーズマに妙に親しみを持っていた。警戒心が強いシアラ様はほとんど他人との関わりを持っていなかったが、クーズマのことだけは友達とハッキリ言っていたのだ。
「あの男と結婚するのですか?」
自分でもはっきりわかるほど、不機嫌な声がでた。勿論、シアラ様にとってはクーズマと結婚すれば、より良い生活が待っている。
分かっているのだ。カーシャさんを救うために、クーズマの財力を借りる必要があることは、ちゃんと分かっている。
「心配しないで、アルフレッド。」
シアラ様は真っ直ぐに僕を見た。
「約束したでしょう。自分を犠牲にすることはしないって。私はちゃんと、私のために生きるわ。」
強い意志を持った瞳。
記憶を失う前のシアラ様には無かった、明確な生きることへの意思。
「シアラ様、、、。」
言葉にならない思いが込み上げてくる。
守りたい。だけどそれだけじゃなくて、自分のものにしたい。そんなドロドロした欲望。
「クーズマならきっと助けてくれるわ。友達って言っていたもの。
カーシャさんを助けたら、一緒に逃げてのんびり暮らしましょう。」
シアラ様は僕の手を取った。
「きっと、本当のシアラだって本心ではそれを望んでいたはずだから。」
シアラ様は優しく、そして少しだけ寂しそうに微笑んだ。
「お前っ!!こんなことをして、ただで済むと思ってるのか?!絶対に金を貸してやらんぞ!」
「あんたの金なんか借りないわ。
本当、どうかしてた。
あんたみたいなクズと関わって良いことなんか絶対ないのに!」
シアラ様はオークリィに向かって言い放った。
「シアラ様!!」
感動のあまり、シアラ様を抱きしめたくなる。
「この暴力女!!もっと惨めな顔をしなさいよ!!」
オークリィに駆け寄って、ボニーは喚く。
「痛い目を見るのは、あんたたちのほうよ。ボニー、オークリィ!!」
シアラ様はオークリィとボニーを見下ろした。
「お前に、、、何ができる?!惨めに泣いて、乞食のようにお金をせびるだけだろう?!」
シアラ様は首を振った。
「すっかり忘れていたけれど、私には友達がいるの。聞いていたんでしょう、ボニー?」
ボニーは大きく目を見開いた。
「お姉様!!まさか他国の王子に頼るつもりじゃないでしょうね!!絶対にだめ!!だめよ!!」
さっきとは打って変わって、ボニーは青ざめた顔で叫んだ。
「楽しみにしてなさい。あんたらが威張れるのは、国の中だけだから!」
そう言って、シアラ様はドアを閉めた。
バタン!!
シアラ様は笑顔を浮かべて、僕を振り返った。
「すっきりしたわ。」
僕は大きく頷いた。
「僕もです。」
シアラ様は大きく伸びをした。
「クーズマのところに行きましょう。カーシャさんを助けなきゃって焦りすぎて、あの男のことをすっかり忘れてたわ。」
3年前、シアラ様の恋の相手と噂された男。僕はあの男が嫌いだ。
「クーズマですか?」
「そう。こうなったら、あの馬鹿っぽい皇太子に頼るしかないわ。」
記憶を失う前のシアラ様も、クーズマに妙に親しみを持っていた。警戒心が強いシアラ様はほとんど他人との関わりを持っていなかったが、クーズマのことだけは友達とハッキリ言っていたのだ。
「あの男と結婚するのですか?」
自分でもはっきりわかるほど、不機嫌な声がでた。勿論、シアラ様にとってはクーズマと結婚すれば、より良い生活が待っている。
分かっているのだ。カーシャさんを救うために、クーズマの財力を借りる必要があることは、ちゃんと分かっている。
「心配しないで、アルフレッド。」
シアラ様は真っ直ぐに僕を見た。
「約束したでしょう。自分を犠牲にすることはしないって。私はちゃんと、私のために生きるわ。」
強い意志を持った瞳。
記憶を失う前のシアラ様には無かった、明確な生きることへの意思。
「シアラ様、、、。」
言葉にならない思いが込み上げてくる。
守りたい。だけどそれだけじゃなくて、自分のものにしたい。そんなドロドロした欲望。
「クーズマならきっと助けてくれるわ。友達って言っていたもの。
カーシャさんを助けたら、一緒に逃げてのんびり暮らしましょう。」
シアラ様は僕の手を取った。
「きっと、本当のシアラだって本心ではそれを望んでいたはずだから。」
シアラ様は優しく、そして少しだけ寂しそうに微笑んだ。
33
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢は、“神の寵愛”で皇帝に溺愛される 〜私を笑った全員、ひざまずけ〜
夜桜
恋愛
「お前のような女と結婚するくらいなら、平民の娘を選ぶ!」
婚約者である第一王子・レオンに公衆の面前で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢セレナ。
彼女は涙を見せず、静かに笑った。
──なぜなら、彼女の中には“神の声”が響いていたから。
「そなたに、我が祝福を授けよう」
神より授かった“聖なる加護”によって、セレナは瞬く間に癒しと浄化の力を得る。
だがその力を恐れた王国は、彼女を「魔女」と呼び追放した。
──そして半年後。
隣国の皇帝・ユリウスが病に倒れ、どんな祈りも届かぬ中、
ただ一人セレナの手だけが彼の命を繋ぎ止めた。
「……この命、お前に捧げよう」
「私を嘲った者たちが、どうなるか見ていなさい」
かつて彼女を追放した王国が、今や彼女に跪く。
──これは、“神に選ばれた令嬢”の華麗なるざまぁと、
“氷の皇帝”の甘すぎる寵愛の物語。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
婚約破棄されて追放された私、今は隣国で充実な生活送っていますわよ? それがなにか?
鶯埜 餡
恋愛
バドス王国の侯爵令嬢アメリアは無実の罪で王太子との婚約破棄、そして国外追放された。
今ですか?
めちゃくちゃ充実してますけど、なにか?
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
乳だけ立派なバカ女に婚約者の王太子を奪われました。別にそんなバカ男はいらないから復讐するつもりは無かったけど……
三葉 空
恋愛
「ごめん、シアラ。婚約破棄ってことで良いかな?」
ヘラヘラと情けない顔で言われる私は、公爵令嬢のシアラ・マークレイと申します。そして、私に婚約破棄を言い渡すのはこの国の王太子、ホリミック・ストラティス様です。
何でも話を聞く所によると、伯爵令嬢のマミ・ミューズレイに首ったけになってしまったそうな。お気持ちは分かります。あの女の乳のデカさは有名ですから。
えっ? もう既に男女の事を終えて、子供も出来てしまったと? 本当は後で国王と王妃が直々に詫びに来てくれるのだけど、手っ取り早く自分の口から伝えてしまいたかったですって? 本当に、自分勝手、ワガママなお方ですね。
正直、そちらから頼んで来ておいて、そんな一方的に婚約破棄を言い渡されたこと自体は腹が立ちますが、あなたという男に一切の未練はありません。なぜなら、あまりにもバカだから。
どうぞ、バカ同士でせいぜい幸せになって下さい。私は特に復讐するつもりはありませんから……と思っていたら、元王太子で、そのバカ王太子よりも有能なお兄様がご帰還されて、私を気に入って下さって……何だか、復讐できちゃいそうなんですけど?
【完結】私の婚約者は妹のおさがりです
葉桜鹿乃
恋愛
「もう要らないわ、お姉様にあげる」
サリバン辺境伯領の領主代行として領地に籠もりがちな私リリーに対し、王都の社交界で華々しく活動……悪く言えば男をとっかえひっかえ……していた妹ローズが、そう言って寄越したのは、それまで送ってきていたドレスでも宝飾品でもなく、私の初恋の方でした。
ローズのせいで広まっていたサリバン辺境伯家の悪評を止めるために、彼は敢えてローズに近付き一切身体を許さず私を待っていてくれていた。
そして彼の初恋も私で、私はクールな彼にいつのまにか溺愛されて……?
妹のおさがりばかりを貰っていた私は、初めて本でも家庭教師でも実権でもないものを、両親にねだる。
「お父様、お母様、私この方と婚約したいです」
リリーの大事なものを守る為に奮闘する侯爵家次男レイノルズと、領地を大事に思うリリー。そしてリリーと自分を比べ、態と奔放に振る舞い続けた妹ローズがハッピーエンドを目指す物語。
小説家になろう様でも別名義にて連載しています。
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。(10/27追記)
婚約破棄宣言をされても、涙より先に笑いがこみあげました。
一ノ瀬和葉
恋愛
「――セシリア・エルディアとの婚約を、ここに破棄する!」
煌めくシャンデリアの下で、王太子リオネル殿下が声を張り上げた。
会場にいた貴族たちは一斉に息を呑み、舞踏の音楽さえ止まる。
……ああ、やっと来たか。
婚約破棄。断罪。悪役令嬢への審判。
ここで私は泣き崩れ、殿下に縋りつき、噂通りの醜態をさらす――
……はずだったのだろう。周囲の期待としては。
だが、残念。
私の胸に込みあげてきたのは、涙ではなく、笑いだった。
(だって……ようやく自由になれるんですもの)
その瞬間の私の顔を、誰も「悪役令嬢」とは呼べなかったはずだ。
なろう、カクヨム様でも投稿しています。
なろう日間20位 25000PV感謝です。
※ご都合注意。後日談の方を一部修正しました。
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる