【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。

五月ふう

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20.女王様は幸せになるのです(side アルフレッド)

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みっともなく地面に転がり込んだオークリィを見て、シアラ様が笑う。

「お前っ!!こんなことをして、ただで済むと思ってるのか?!絶対に金を貸してやらんぞ!」

「あんたの金なんか借りないわ。
 本当、どうかしてた。

 あんたみたいなクズと関わって良いことなんか絶対ないのに!」

シアラ様はオークリィに向かって言い放った。

「シアラ様!!」

感動のあまり、シアラ様を抱きしめたくなる。

「この暴力女!!もっと惨めな顔をしなさいよ!!」

オークリィに駆け寄って、ボニーは喚く。

「痛い目を見るのは、あんたたちのほうよ。ボニー、オークリィ!!」

シアラ様はオークリィとボニーを見下ろした。

「お前に、、、何ができる?!惨めに泣いて、乞食のようにお金をせびるだけだろう?!」

シアラ様は首を振った。

「すっかり忘れていたけれど、私には友達がいるの。聞いていたんでしょう、ボニー?」

ボニーは大きく目を見開いた。

「お姉様!!まさか他国の王子に頼るつもりじゃないでしょうね!!絶対にだめ!!だめよ!!」

さっきとは打って変わって、ボニーは青ざめた顔で叫んだ。

「楽しみにしてなさい。あんたらが威張れるのは、国の中だけだから!」

そう言って、シアラ様はドアを閉めた。

バタン!!

シアラ様は笑顔を浮かべて、僕を振り返った。

「すっきりしたわ。」

僕は大きく頷いた。

「僕もです。」

シアラ様は大きく伸びをした。

「クーズマのところに行きましょう。カーシャさんを助けなきゃって焦りすぎて、あの男のことをすっかり忘れてたわ。」

3年前、シアラ様の恋の相手と噂された男。僕はあの男が嫌いだ。

「クーズマですか?」

「そう。こうなったら、あの馬鹿っぽい皇太子に頼るしかないわ。」

記憶を失う前のシアラ様も、クーズマに妙に親しみを持っていた。警戒心が強いシアラ様はほとんど他人との関わりを持っていなかったが、クーズマのことだけは友達とハッキリ言っていたのだ。

「あの男と結婚するのですか?」

自分でもはっきりわかるほど、不機嫌な声がでた。勿論、シアラ様にとってはクーズマと結婚すれば、より良い生活が待っている。

分かっているのだ。カーシャさんを救うために、クーズマの財力を借りる必要があることは、ちゃんと分かっている。

「心配しないで、アルフレッド。」

シアラ様は真っ直ぐに僕を見た。

「約束したでしょう。自分を犠牲にすることはしないって。私はちゃんと、私のために生きるわ。」

強い意志を持った瞳。
記憶を失う前のシアラ様には無かった、明確な生きることへの意思。

「シアラ様、、、。」

言葉にならない思いが込み上げてくる。
守りたい。だけどそれだけじゃなくて、自分のものにしたい。そんなドロドロした欲望。

「クーズマならきっと助けてくれるわ。友達って言っていたもの。

カーシャさんを助けたら、一緒に逃げてのんびり暮らしましょう。」

シアラ様は僕の手を取った。

「きっと、本当のシアラだって本心ではそれを望んでいたはずだから。」

シアラ様は優しく、そして少しだけ寂しそうに微笑んだ。


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