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第Ⅱ章。「箱舟(ノウ)」
6、人それぞれに①
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--人それぞれに①--
翌日、マイァシは、作業場に人を集めて連れて来た。
ドッボォフが丸太の山の前に立っている。
マイァシは、ドッボォフが居るのを確かめると、
「後は、あの神の指示に従うように」
そう言い残して姿を消した。
ドッボォフは、ブレェンから、人の名前と由来を聞いていた。
「よく集まった。今から、船を造る作業をする。
いいか。では開始する」
そう言われても、人は、何をして良いか分からない。
「私の名前は、プリンスです。
具体的に何の作業をすれば良いのでしょうか?
具体的な指示をご命令ください」
プリンスが口火を切った。
「ブリンス。お前が長だな。
お前が指揮をとれ。
取れるか?」
「ありがたき幸せです」
プリンスは、喜んで答えた。
ドッボォフは、ブリンスに球のようなものを渡した。
それは、ガラス玉のように透き通っていて、中に光の光源があり、
渦が放射状に放出されていた。
しかし、光のエネルギーは、そのガラス玉から出ることはない。
手に持っても熱くも、なんともない。
「これは、なんです?」
プリンスは、その球は初めて見るものであり、何に使われるか分からなかった。
ドッボォフは、説明した。
「光のエネルギー玉だ。
エネルギーの塊で、
機械を動かす動力になるのだ」
そして、分割機に人を案内し、指さした。
「この光玉を窪みにはめよ」
ブリンスが、光玉を恐る恐る窪みにはめる。
すると、機械が白銅に薄く光り、操作盤が浮かびあがる。
ドッボォフは、その次の指示を出す。
「機械のこの台に丸太をセットしてほしいのだが」
ブリンスは、ドッボォフの指示を察し、テキパキ指示を出す。
「フォロワ、パアソネ。丸太を持ってきてくれますか?」
「はい」
フォロワとパアソネは、勢いよく返事した。
(丸太をセットすると何が起こるのだろう)
人は、みんな、ワクワクした。
重い丸太を運び機械の所定の台にセットする。
2人がかりでやっとであった。
ドッボォフは、ブリンスに操作盤の扱いかたを指示した。
操作盤に、台にセットされたものの種類が表示される。
そして、分割して出力するものの種類を選ぶようになっていた。
台には、丸太が表示され、出力は板を選んでタッチした。
プリンスは、指示通りに、加工される板のサイズの詳細を設定し、操作盤に手を置く。
そして、スタート(開始)と念じる。
丸太は、機械に流れ込み、あっと言うまに分断され、木板になって反対側から出てくる。
「おぉ 素晴らしいです」
プリンスは、機械と言うものに驚いた。
だが、次の指示も忘れなかった。
「トラベバ、ロイアナ。木板を運んでくれ」
「はい」
トラベバとロイアナは、元気よく返事して作業に加わった。
作業には、それぞれに役割がある。みんなが同じことをすることは出来ない。
作業を指揮する人。重労働をする人。一人で出来ることは、少ない。
おのずと、長と作業者に分かれる。
ドッボォフも一日の神である何をしなければいけないか知っている。
長を信頼すること、それが、団体作業をさせるのに、まず、しなければしけないことである。
最初は、はじめての作業に、みんな興奮して、一生懸命に作業をこなしていた。
だんだん、不満を持つものも出てくる。
だが、プリンスに任せた。
作業が、3分の2ぐらい終わったところに、ブレェンが見回りに来た。
「作業はすすんでるか!」
ブレェンは、入ってくるなり大声で尋ねた。
人は、振り返り声の主を見た。
知識を得たえくださった偉大な方である。
そのおかげで作業が無事に出来ていることをみんな喜び感謝した。
その神が来たのである。一斉に声を出した。
「はい」
「順調だ」
ドッボォフも答えた。
だが、その中で一人、ロイアナは、少し作業に飽きて、奴隷のような重労働が不満になってきていた。
(何か良い案はないか。
ちょうど良いことに。
ブレェンさまがいらっしゃったではないか)
ロイアナは、ブレェンに話しかける。
「恐れながら、ブレェンさま」
「なんだ」
ブレェンは、そけっけない。
「我々の目的は農作業かと思いますが、どうでしょうか?」
ロイアナは、頭を巡らせた。
「そのとおりだが」
ブレェンは、ロイアナの話に少し興味が湧いた。
「誰かが、農作業の知識を有する必要があるのではないでしょうか?
作物を育てるには知識が必要では。
どうでしょうか?」
ロイアナは、進言した。
(よし。これで、農作業の長、強いては人の長に成れるかも)
ロイアナは、虚栄心が多かった。
「ふむ それも必要だな」
ブレェンは、少し感心した。そして、こいつは役に立つかもしれないと感じた。
「では、お前来い。知識を与える」
「はい」
(やった。俺は神に近づくんだ)
ロイアナは、まんまと重労働から逃れることが出来た。
ブレェンは、ロイアナを後の作業のことも気にせず連れて行った。
ドッボォフは、機械の操作をブリンスと代わり、ブリンスは重作業に入った。
(ブレェンのする事だ。しかたがない)
ドッボォフは、そう思い自分を納得させた。
作業は、続いた。
まだ、船の枠組みの角柱も必要である。
そのころ、光の天空城に一人のものが来客した。顔は茶黒で、体格も良い。
その名は、アンディア。闇の種族からの使いである。
門の前に立ち中を伺いながら、大声を出す。
「光の長イリノイス。闇の長アクデシアから人に食料をお届けに参った。
誰か。居らんか!」
12神の一人、イリアが丁度、庭を手入れしていた。
イリアは、花の手入れをするのが好きであった。顔は白く細身で、淡いオオラが出ている。
「はい 少しお待ちください」
イリアは、応対しに門を開けた。
船作りの作業は、まだまだ続く。そして、連れて行かれたロイアナは、どうなる。
新たな神どうしの出会い。闇と光の交わるときか。
翌日、マイァシは、作業場に人を集めて連れて来た。
ドッボォフが丸太の山の前に立っている。
マイァシは、ドッボォフが居るのを確かめると、
「後は、あの神の指示に従うように」
そう言い残して姿を消した。
ドッボォフは、ブレェンから、人の名前と由来を聞いていた。
「よく集まった。今から、船を造る作業をする。
いいか。では開始する」
そう言われても、人は、何をして良いか分からない。
「私の名前は、プリンスです。
具体的に何の作業をすれば良いのでしょうか?
具体的な指示をご命令ください」
プリンスが口火を切った。
「ブリンス。お前が長だな。
お前が指揮をとれ。
取れるか?」
「ありがたき幸せです」
プリンスは、喜んで答えた。
ドッボォフは、ブリンスに球のようなものを渡した。
それは、ガラス玉のように透き通っていて、中に光の光源があり、
渦が放射状に放出されていた。
しかし、光のエネルギーは、そのガラス玉から出ることはない。
手に持っても熱くも、なんともない。
「これは、なんです?」
プリンスは、その球は初めて見るものであり、何に使われるか分からなかった。
ドッボォフは、説明した。
「光のエネルギー玉だ。
エネルギーの塊で、
機械を動かす動力になるのだ」
そして、分割機に人を案内し、指さした。
「この光玉を窪みにはめよ」
ブリンスが、光玉を恐る恐る窪みにはめる。
すると、機械が白銅に薄く光り、操作盤が浮かびあがる。
ドッボォフは、その次の指示を出す。
「機械のこの台に丸太をセットしてほしいのだが」
ブリンスは、ドッボォフの指示を察し、テキパキ指示を出す。
「フォロワ、パアソネ。丸太を持ってきてくれますか?」
「はい」
フォロワとパアソネは、勢いよく返事した。
(丸太をセットすると何が起こるのだろう)
人は、みんな、ワクワクした。
重い丸太を運び機械の所定の台にセットする。
2人がかりでやっとであった。
ドッボォフは、ブリンスに操作盤の扱いかたを指示した。
操作盤に、台にセットされたものの種類が表示される。
そして、分割して出力するものの種類を選ぶようになっていた。
台には、丸太が表示され、出力は板を選んでタッチした。
プリンスは、指示通りに、加工される板のサイズの詳細を設定し、操作盤に手を置く。
そして、スタート(開始)と念じる。
丸太は、機械に流れ込み、あっと言うまに分断され、木板になって反対側から出てくる。
「おぉ 素晴らしいです」
プリンスは、機械と言うものに驚いた。
だが、次の指示も忘れなかった。
「トラベバ、ロイアナ。木板を運んでくれ」
「はい」
トラベバとロイアナは、元気よく返事して作業に加わった。
作業には、それぞれに役割がある。みんなが同じことをすることは出来ない。
作業を指揮する人。重労働をする人。一人で出来ることは、少ない。
おのずと、長と作業者に分かれる。
ドッボォフも一日の神である何をしなければいけないか知っている。
長を信頼すること、それが、団体作業をさせるのに、まず、しなければしけないことである。
最初は、はじめての作業に、みんな興奮して、一生懸命に作業をこなしていた。
だんだん、不満を持つものも出てくる。
だが、プリンスに任せた。
作業が、3分の2ぐらい終わったところに、ブレェンが見回りに来た。
「作業はすすんでるか!」
ブレェンは、入ってくるなり大声で尋ねた。
人は、振り返り声の主を見た。
知識を得たえくださった偉大な方である。
そのおかげで作業が無事に出来ていることをみんな喜び感謝した。
その神が来たのである。一斉に声を出した。
「はい」
「順調だ」
ドッボォフも答えた。
だが、その中で一人、ロイアナは、少し作業に飽きて、奴隷のような重労働が不満になってきていた。
(何か良い案はないか。
ちょうど良いことに。
ブレェンさまがいらっしゃったではないか)
ロイアナは、ブレェンに話しかける。
「恐れながら、ブレェンさま」
「なんだ」
ブレェンは、そけっけない。
「我々の目的は農作業かと思いますが、どうでしょうか?」
ロイアナは、頭を巡らせた。
「そのとおりだが」
ブレェンは、ロイアナの話に少し興味が湧いた。
「誰かが、農作業の知識を有する必要があるのではないでしょうか?
作物を育てるには知識が必要では。
どうでしょうか?」
ロイアナは、進言した。
(よし。これで、農作業の長、強いては人の長に成れるかも)
ロイアナは、虚栄心が多かった。
「ふむ それも必要だな」
ブレェンは、少し感心した。そして、こいつは役に立つかもしれないと感じた。
「では、お前来い。知識を与える」
「はい」
(やった。俺は神に近づくんだ)
ロイアナは、まんまと重労働から逃れることが出来た。
ブレェンは、ロイアナを後の作業のことも気にせず連れて行った。
ドッボォフは、機械の操作をブリンスと代わり、ブリンスは重作業に入った。
(ブレェンのする事だ。しかたがない)
ドッボォフは、そう思い自分を納得させた。
作業は、続いた。
まだ、船の枠組みの角柱も必要である。
そのころ、光の天空城に一人のものが来客した。顔は茶黒で、体格も良い。
その名は、アンディア。闇の種族からの使いである。
門の前に立ち中を伺いながら、大声を出す。
「光の長イリノイス。闇の長アクデシアから人に食料をお届けに参った。
誰か。居らんか!」
12神の一人、イリアが丁度、庭を手入れしていた。
イリアは、花の手入れをするのが好きであった。顔は白く細身で、淡いオオラが出ている。
「はい 少しお待ちください」
イリアは、応対しに門を開けた。
船作りの作業は、まだまだ続く。そして、連れて行かれたロイアナは、どうなる。
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