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第二章
30話 悲鳴
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「な、なんだなんだっ?」
「キュ、キュアッ、キュアァッ」
突如として洞窟に響いた叫び声に驚き、チロとキングは飛び起きた。
キョロキョロと辺りを見回すが、何も見当たらない。
「キャァァアアアアアッ!! イヤァァアアアアアッ!!」
また、聞こえた。
どうやら、洞窟の入口あたりから響いてきているようだ。
「キング、行くぞっ」
「キュアァッ」
チロはキングを頭の上に乗せ、洞窟の入り口に向かって走り出した。
悲鳴は続いている。
それは間違いなく、長らく聞いていなかった人の声。
恐怖に直面した時に、人が発する悲鳴だった。
この世界に生まれ変わって、チロはまだ人にも、人型の生き物にも出会ったことがない。
たどり着いた先にいるのが人間だったら、自分はどうすればいいのだろうか、そしてどうなるのだろうか。
チロは走りながら考えていた。
自分はかつて人だったが、今はゴブリンである。
もしこの世界で人間とゴブリンが敵対していたら、出会い頭に襲われるかもしれない。
それを懸念してキングを連れてきたのだが、麻痺させたところで、それからどうするべきなのか。
殺す?
そんなことはできない。
麻痺して無抵抗の人間を殺すことが出来るほど、チロは無慈悲ではなく、またそんな度胸もなかった。
かといって、そのまま放置すれば仲間を連れて襲撃に来ないとも限らない。
そんなことになれば、最悪、この住み心地のいい洞窟を捨てる事になるかも知れないのだ。
それでも…………
「イヤァァアアアアッ!! やめてっ!! だれかっ…………だれか助けてぇ!!」
必死に助けを求めるその声を無視することなど、チロにはできなかった。
「…………っ」
迷いを振り切るように、チロは走った。
そして────
チロは見た。
火のついた松明を必死に振り回しながら、迫り来るヒルヒルの群れから逃げ惑う、薄い緑色の肌をした美しい少女の姿を。
「キュ、キュアッ、キュアァッ」
突如として洞窟に響いた叫び声に驚き、チロとキングは飛び起きた。
キョロキョロと辺りを見回すが、何も見当たらない。
「キャァァアアアアアッ!! イヤァァアアアアアッ!!」
また、聞こえた。
どうやら、洞窟の入口あたりから響いてきているようだ。
「キング、行くぞっ」
「キュアァッ」
チロはキングを頭の上に乗せ、洞窟の入り口に向かって走り出した。
悲鳴は続いている。
それは間違いなく、長らく聞いていなかった人の声。
恐怖に直面した時に、人が発する悲鳴だった。
この世界に生まれ変わって、チロはまだ人にも、人型の生き物にも出会ったことがない。
たどり着いた先にいるのが人間だったら、自分はどうすればいいのだろうか、そしてどうなるのだろうか。
チロは走りながら考えていた。
自分はかつて人だったが、今はゴブリンである。
もしこの世界で人間とゴブリンが敵対していたら、出会い頭に襲われるかもしれない。
それを懸念してキングを連れてきたのだが、麻痺させたところで、それからどうするべきなのか。
殺す?
そんなことはできない。
麻痺して無抵抗の人間を殺すことが出来るほど、チロは無慈悲ではなく、またそんな度胸もなかった。
かといって、そのまま放置すれば仲間を連れて襲撃に来ないとも限らない。
そんなことになれば、最悪、この住み心地のいい洞窟を捨てる事になるかも知れないのだ。
それでも…………
「イヤァァアアアアッ!! やめてっ!! だれかっ…………だれか助けてぇ!!」
必死に助けを求めるその声を無視することなど、チロにはできなかった。
「…………っ」
迷いを振り切るように、チロは走った。
そして────
チロは見た。
火のついた松明を必死に振り回しながら、迫り来るヒルヒルの群れから逃げ惑う、薄い緑色の肌をした美しい少女の姿を。
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