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第2章 大星祭編
第58話 先輩!
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第2章開始です! よろしくお願いします!<(_ _)>
――――――――――――――――――――――――
「あの令嬢が婚約、ね………」
男は持っていた新聞の一面を見て、小さく呟く。
つい最近の新聞。そこにはこの国の第2王子と公爵家の令嬢の婚約パーティーを大々的に報じている記事があった。ご丁寧に2人の写真まで乗っている。
「…………にぃ、また考えてる? この前、暗殺に失敗したのに?」
女――――いや、少女は男の呟きに、ため息交じりに文句を言う。
その男がフフっと笑うと、彼の長い耳がピクピクと動いた。
「アイツらの依頼は『襲え』であって『殺せ』ではなかったから、俺は失敗してませぇーん」
「でも、殺していれば、もっとお金が入った。にぃ、それ逃した」
「…………」
お前がやればよかったじゃねぇかよ――――文句を言いたくなるところではある。
が、男は言わない。
そもそも少女は前に出るタイプではない。
彼女が後方型であり、サポーターであることで強さを発揮する。
「だいたい、にぃがあんな可愛い子、殺そうとしてた…………イー、驚き。にぃ、『可愛い子殺すなんてイヤ。他を当たってくれ』って断りそう………」
「確かにあの令嬢は可愛いけどさ………あれは化物だよ。俺の矢に反応して、掴んで止めるとか」
「渾身の一撃だったのに、本当にありえねぇッ!」と叫び、男はドカッと近くにあったソファに座り込む。
「でも、まぁ、俺好みではある」
「やっぱり」
狭いベッドの上に座る少女は、ため息とともに呆れ目を男に送った。
「にぃ、この前の戦い、見に行った時のこと覚えてる?」
「ああ」
男は目を閉じ、フィクションのような神話のようなありえない現実を思い出す。
1人の人間と1人の鬼姫――――そこにいたのはたったの2人だった。
広がっていたのは光柱が飛び、木々を焼き、岩をそぎ、まるで世界の終わりのような光景。
「ふぅ……危うく死にかけたぜぇ………二度とごめんだな、あんなとこ」
過去のことにも関わらず、男の顔は真っ青。これ以上思い出したくないと、ブンブンと首を横にふっていた。
「でも、にぃが行ってくれたおかげで、王子が結界魔法を使えるって分かった」
「まぁな。エルフたちの話だと、結界魔法が使える人って精霊王と契約しているってことだろ?」
「うん」
その男の言葉に頷く少女。
「じゃあ、アイツら■■だな」
「うん。書物通りだったら、絶対そう」
少女のいう書物はあまりにも古すぎて信憑性があるのか、分からない。
だけど、彼らは確信していた。
2年前ある軍所属の少年が結界魔法を使えたという情報はとっくの昔に入手。死亡したのも知っている。
もちろん、結界魔法を使える人間が精霊王と契約していることは、エルフたちから脅して言わせた。
だが、それ以外に、エレシュキガル以外にいなかった結界魔法が使える人間の存在。
王子が精霊王の契約者――――それは今までなかった情報。
そして、契約者は必然的に――――――。
「でも、それが分かったところで、強いって分かっただけなんだよなぁ」
「………そんなことないよ。イーたちにはあれがある」
「あれ? …………………あぁ! そうだった! 忘れていたぜぇッ!」
当然令嬢も王子も強い。
護衛がいらないほどに強い。
普通に戦えば負ける――――男にも少女にもその確信はあった。
「これを使うといってもな………今の学園堅いからな」
「………にぃ、もうすぐ大星祭があるね」
「そうだな………………………あ」
「にぃ、ようやくイーの意図、気づいた?」
「ああ」
少女の問いに、コクリと頷く男。
――――何度でも言おう。
エレシュキガルとアーサーは強い。
真正面から仕掛ければ、仕掛けた時点で負けが確定する。
――――だが、普通じゃない方法で彼らを捕まえれば?
今は武器も揃い、1ヶ月以内には捕縛の機会がある。
捕まえて、家族を脅せば身代金。
売人かあいつらに売れば金が入る。
両方ができれば、死んでも余るほどの大金を手に入る。
誰にも渡さず逃げ切れば、俺らの願いも叶う――――。
「え、意外といけるんじゃね?」
「絶対いける。ひゃくぱーせんといける」
ぶんぶんとヘドバン並みに首を縦に振る少女。
そんな少女に対し、男は笑みをこぼす。
そして、机に置いたとっておきのそれを手に取り。
「――――よしッ、じゃあ俺たちは億万長者になって、王になるぞ」
「いえっさー」
少女はベッドから飛び降り、男は立ち上がり。
2人は月光が入る生活感のないその部屋をひっそりと出ていった。
★★★★★★★★
大波乱な夏休みが終わり――――新学期。
いつものように支度を済ませた私は寮を出た。
1学期と変わらない習慣。儀式のような朝の支度。
制服を身にまとって、校舎へと繋がる石畳の道を歩いていく。
だけど、1人で教室へと向かっていた1学期とは全く違う。
「おはようございます、アーサー様」
「おはよう」
男子寮前で待っていたのは私の婚約者――――アーサー様。
爽やかな笑顔を浮かべた彼は、白を基調とした学園の制服を身にまとっていた。
軍服姿のアーサー様もかっこいいけれど、制服のアーサー様もとっても素敵。
「じゃあ、いこっか」
そう言って、アーサー様は自然に私の手を取り、教室へと向かう。
その手は温かく、ぎゅっと握り返すと、アーサー様はニコリと微笑んでくれた。
今までの私は興味がなさ過ぎて知らなかったのだが、2学期は大星祭、学園祭があるという。
それを彼と一緒に過ごせる――――想像しただけで、胸が高鳴った。
歩いていくと、途中で女子たちが歓声を上げたり、なぜか気絶したりする人がいた。
理由は分からないが、気絶した女子は無事だったようなので、そのまま教室へと向かった。
あの事件以来、私はずっと王城にいた。
何かあってはいけないと主張するアーサー様。
心配をかけてもいけないし――――私自身としてもアーサー様が心配。
結局夏休みの終わりまで王城で過ごし、昨日学園に帰ってきたばかり。
久しぶりの教室は変わらず。
「おはよう」
「おはよう、2人とも」
「おはようございます」
「……………おはよ」
いつもの友人の姿があった。
セレナとリアムは仲睦まじく並んで座り、一緒に研究をしているというマナミ様とブリジットは当然のようにとなり合って座っていた。
そして、開いたいつもの2人分の空席に、私とアーサー様は席に着いた。
授業を受け、その後昼休みに近況報告。
アーサー様=ルイという衝撃の事実を伝えたのだが、セレナとマナミ様、リアムさんまで知っていたようで。
唯一私の仲間であったブリジットは目を一瞬開いていたが。
「ああ、それで…………………よかったわね、エレシュキガル」
と、興味なさげに、だけど口元にわずか弧を描いて言った。
そう良かった。
ルイが生きていると知って、私だけが生きてるという罪悪感が消えて。
アーサー様との幸せな時間があると思うと、安心。
そして、元気そうなみんながいて安心。
これで平穏な学園生活を送れると、いつもの日常が戻ってきたと思ったんだけど……………………。
「先輩!」
授業が終わり、自主勉を終え、みんなで寮へと戻っている時だった。
校門前に立つ青年がひたすらに大声で誰かを呼んでいた。
それは私に向けたものではない、他の人に話しかけている。
そう確信し、校門前をスルー。真っすぐ寮へと繋がる石畳の道を歩いていた。
だけど、途中でアーサー様がつんつんと肩をつつかれ。
「ねぇ、エレちゃん。あの子、知り合い? さっきからエレちゃんを見て呼んでるみたいだけど」
「え?」
そこでようやく振り向く。
「先輩!」
一体誰の後輩だろうと思っていた。
アーサー様の勘違いだろうと踏んでいた。
でも、彼は――――。
「アーサー様、帰りましょう」
「え、あの子は?」
「知らない子です。ええ、見たこともない子です」
私はアーサー様の手を取り、翻って一直線に寮へと歩いていく。
――――なぜ彼がここにいる?
普通ならあそこからは出てこれないはず。
疑問と焦燥感にかられ、早くなる私の足音。
「エレちゃん、ど、どうしたの?」
困惑のアーサー様に止まって説明したところではあるが、今は立ち止まってはいけない。振り向いてはいけない。
多分、問い詰められるから――――。
「先輩! なぜ無視するんですか!」
「…………」
だが、逃げる前に肩をぐっと抑えられ、強制的に振り向かされる。
でも、顔を見せまいと、下を向き髪で必死に隠す。
「私はあなたの先輩じゃない……………」
「変な嘘は止めてください。僕が先輩を見間違えるわけがないじゃないですか」
「…………」
もう言い逃れも、物理的に逃げることもできない。
諦めて顔を上げる。そこにはちみつ色の瞳を細め、睨む彼の姿。
「ねぇ、先輩。ここに来る前に言いましたよね?」
「…………」
遠くから見た時には気づけなかった。
普段会う時は軍服で、そして今は私服――――全く分からなかった。
「夏休みまでに戻ってくるって言いましたよね、エレ先輩?」
さらりとした青髪に、ハイライトが眩しい琥珀色の瞳の彼。
私よりも身長があるかわいらしい顔を持つ彼の名前は――――ギルバート・アルスター。
――――――彼は私の軍での後輩だった。
――――――――――――――――――――――――
「あの令嬢が婚約、ね………」
男は持っていた新聞の一面を見て、小さく呟く。
つい最近の新聞。そこにはこの国の第2王子と公爵家の令嬢の婚約パーティーを大々的に報じている記事があった。ご丁寧に2人の写真まで乗っている。
「…………にぃ、また考えてる? この前、暗殺に失敗したのに?」
女――――いや、少女は男の呟きに、ため息交じりに文句を言う。
その男がフフっと笑うと、彼の長い耳がピクピクと動いた。
「アイツらの依頼は『襲え』であって『殺せ』ではなかったから、俺は失敗してませぇーん」
「でも、殺していれば、もっとお金が入った。にぃ、それ逃した」
「…………」
お前がやればよかったじゃねぇかよ――――文句を言いたくなるところではある。
が、男は言わない。
そもそも少女は前に出るタイプではない。
彼女が後方型であり、サポーターであることで強さを発揮する。
「だいたい、にぃがあんな可愛い子、殺そうとしてた…………イー、驚き。にぃ、『可愛い子殺すなんてイヤ。他を当たってくれ』って断りそう………」
「確かにあの令嬢は可愛いけどさ………あれは化物だよ。俺の矢に反応して、掴んで止めるとか」
「渾身の一撃だったのに、本当にありえねぇッ!」と叫び、男はドカッと近くにあったソファに座り込む。
「でも、まぁ、俺好みではある」
「やっぱり」
狭いベッドの上に座る少女は、ため息とともに呆れ目を男に送った。
「にぃ、この前の戦い、見に行った時のこと覚えてる?」
「ああ」
男は目を閉じ、フィクションのような神話のようなありえない現実を思い出す。
1人の人間と1人の鬼姫――――そこにいたのはたったの2人だった。
広がっていたのは光柱が飛び、木々を焼き、岩をそぎ、まるで世界の終わりのような光景。
「ふぅ……危うく死にかけたぜぇ………二度とごめんだな、あんなとこ」
過去のことにも関わらず、男の顔は真っ青。これ以上思い出したくないと、ブンブンと首を横にふっていた。
「でも、にぃが行ってくれたおかげで、王子が結界魔法を使えるって分かった」
「まぁな。エルフたちの話だと、結界魔法が使える人って精霊王と契約しているってことだろ?」
「うん」
その男の言葉に頷く少女。
「じゃあ、アイツら■■だな」
「うん。書物通りだったら、絶対そう」
少女のいう書物はあまりにも古すぎて信憑性があるのか、分からない。
だけど、彼らは確信していた。
2年前ある軍所属の少年が結界魔法を使えたという情報はとっくの昔に入手。死亡したのも知っている。
もちろん、結界魔法を使える人間が精霊王と契約していることは、エルフたちから脅して言わせた。
だが、それ以外に、エレシュキガル以外にいなかった結界魔法が使える人間の存在。
王子が精霊王の契約者――――それは今までなかった情報。
そして、契約者は必然的に――――――。
「でも、それが分かったところで、強いって分かっただけなんだよなぁ」
「………そんなことないよ。イーたちにはあれがある」
「あれ? …………………あぁ! そうだった! 忘れていたぜぇッ!」
当然令嬢も王子も強い。
護衛がいらないほどに強い。
普通に戦えば負ける――――男にも少女にもその確信はあった。
「これを使うといってもな………今の学園堅いからな」
「………にぃ、もうすぐ大星祭があるね」
「そうだな………………………あ」
「にぃ、ようやくイーの意図、気づいた?」
「ああ」
少女の問いに、コクリと頷く男。
――――何度でも言おう。
エレシュキガルとアーサーは強い。
真正面から仕掛ければ、仕掛けた時点で負けが確定する。
――――だが、普通じゃない方法で彼らを捕まえれば?
今は武器も揃い、1ヶ月以内には捕縛の機会がある。
捕まえて、家族を脅せば身代金。
売人かあいつらに売れば金が入る。
両方ができれば、死んでも余るほどの大金を手に入る。
誰にも渡さず逃げ切れば、俺らの願いも叶う――――。
「え、意外といけるんじゃね?」
「絶対いける。ひゃくぱーせんといける」
ぶんぶんとヘドバン並みに首を縦に振る少女。
そんな少女に対し、男は笑みをこぼす。
そして、机に置いたとっておきのそれを手に取り。
「――――よしッ、じゃあ俺たちは億万長者になって、王になるぞ」
「いえっさー」
少女はベッドから飛び降り、男は立ち上がり。
2人は月光が入る生活感のないその部屋をひっそりと出ていった。
★★★★★★★★
大波乱な夏休みが終わり――――新学期。
いつものように支度を済ませた私は寮を出た。
1学期と変わらない習慣。儀式のような朝の支度。
制服を身にまとって、校舎へと繋がる石畳の道を歩いていく。
だけど、1人で教室へと向かっていた1学期とは全く違う。
「おはようございます、アーサー様」
「おはよう」
男子寮前で待っていたのは私の婚約者――――アーサー様。
爽やかな笑顔を浮かべた彼は、白を基調とした学園の制服を身にまとっていた。
軍服姿のアーサー様もかっこいいけれど、制服のアーサー様もとっても素敵。
「じゃあ、いこっか」
そう言って、アーサー様は自然に私の手を取り、教室へと向かう。
その手は温かく、ぎゅっと握り返すと、アーサー様はニコリと微笑んでくれた。
今までの私は興味がなさ過ぎて知らなかったのだが、2学期は大星祭、学園祭があるという。
それを彼と一緒に過ごせる――――想像しただけで、胸が高鳴った。
歩いていくと、途中で女子たちが歓声を上げたり、なぜか気絶したりする人がいた。
理由は分からないが、気絶した女子は無事だったようなので、そのまま教室へと向かった。
あの事件以来、私はずっと王城にいた。
何かあってはいけないと主張するアーサー様。
心配をかけてもいけないし――――私自身としてもアーサー様が心配。
結局夏休みの終わりまで王城で過ごし、昨日学園に帰ってきたばかり。
久しぶりの教室は変わらず。
「おはよう」
「おはよう、2人とも」
「おはようございます」
「……………おはよ」
いつもの友人の姿があった。
セレナとリアムは仲睦まじく並んで座り、一緒に研究をしているというマナミ様とブリジットは当然のようにとなり合って座っていた。
そして、開いたいつもの2人分の空席に、私とアーサー様は席に着いた。
授業を受け、その後昼休みに近況報告。
アーサー様=ルイという衝撃の事実を伝えたのだが、セレナとマナミ様、リアムさんまで知っていたようで。
唯一私の仲間であったブリジットは目を一瞬開いていたが。
「ああ、それで…………………よかったわね、エレシュキガル」
と、興味なさげに、だけど口元にわずか弧を描いて言った。
そう良かった。
ルイが生きていると知って、私だけが生きてるという罪悪感が消えて。
アーサー様との幸せな時間があると思うと、安心。
そして、元気そうなみんながいて安心。
これで平穏な学園生活を送れると、いつもの日常が戻ってきたと思ったんだけど……………………。
「先輩!」
授業が終わり、自主勉を終え、みんなで寮へと戻っている時だった。
校門前に立つ青年がひたすらに大声で誰かを呼んでいた。
それは私に向けたものではない、他の人に話しかけている。
そう確信し、校門前をスルー。真っすぐ寮へと繋がる石畳の道を歩いていた。
だけど、途中でアーサー様がつんつんと肩をつつかれ。
「ねぇ、エレちゃん。あの子、知り合い? さっきからエレちゃんを見て呼んでるみたいだけど」
「え?」
そこでようやく振り向く。
「先輩!」
一体誰の後輩だろうと思っていた。
アーサー様の勘違いだろうと踏んでいた。
でも、彼は――――。
「アーサー様、帰りましょう」
「え、あの子は?」
「知らない子です。ええ、見たこともない子です」
私はアーサー様の手を取り、翻って一直線に寮へと歩いていく。
――――なぜ彼がここにいる?
普通ならあそこからは出てこれないはず。
疑問と焦燥感にかられ、早くなる私の足音。
「エレちゃん、ど、どうしたの?」
困惑のアーサー様に止まって説明したところではあるが、今は立ち止まってはいけない。振り向いてはいけない。
多分、問い詰められるから――――。
「先輩! なぜ無視するんですか!」
「…………」
だが、逃げる前に肩をぐっと抑えられ、強制的に振り向かされる。
でも、顔を見せまいと、下を向き髪で必死に隠す。
「私はあなたの先輩じゃない……………」
「変な嘘は止めてください。僕が先輩を見間違えるわけがないじゃないですか」
「…………」
もう言い逃れも、物理的に逃げることもできない。
諦めて顔を上げる。そこにはちみつ色の瞳を細め、睨む彼の姿。
「ねぇ、先輩。ここに来る前に言いましたよね?」
「…………」
遠くから見た時には気づけなかった。
普段会う時は軍服で、そして今は私服――――全く分からなかった。
「夏休みまでに戻ってくるって言いましたよね、エレ先輩?」
さらりとした青髪に、ハイライトが眩しい琥珀色の瞳の彼。
私よりも身長があるかわいらしい顔を持つ彼の名前は――――ギルバート・アルスター。
――――――彼は私の軍での後輩だった。
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