【R18】お飾り皇后のやり直し初夜【完結】

無憂

文字の大きさ
16 / 37

十五、合歓之枝(皇帝視点)*

しおりを挟む
「んんっ……んっ……」

 舌と舌を絡めてやれば、詩阿が口づけに酔ったのか、少し力が抜ける気配がする。

「……動くぞ?」
 
 唇を解放して宣言すれば、詩阿が目を丸くした。

「え……?」

 ポカンとする詩阿を後目に、俺は詩阿の両膝の裏に手をかけ、ゆっくりと肉楔を引き抜いてぎりぎり抜け落ちる寸前から一気に奥まで突き上げた。

「ひああっ」

 パンッと肌と肌がぶつかる音が響き、詩阿が悲鳴を上げる。狭い肉壁を振り切るように何度も奥を突けば、そのたびに詩阿の豊かな白い胸がゆさゆさと揺れる。滑らかな肌も、馨しい香りも、内部のキツい締め付けも、何もかもが素晴らしくて、もうこの女以外は要らないと思う。
 俺が帳台をギシギシと揺すりながら詩阿の中を穿ち、白い胸を両手で掴む。赤く色づいた先端をねじり上げれば、詩阿の中がギュッと締まり、顔を振って反応した。

「ああっ……だめっ、それぇ……」
「はあっ……これが好きか……詩阿……」
「ああっ、やあっ、ああっ、皇、上、ああっ……」

 俺は詩阿の耳元に顔を寄せ、囁く。

「……弘毅、だ……詩阿」
「え……弘……毅……? ……『論、語』の(*1)?」
「俺の名だ……閨ではそう呼べ……昔の、ように……」

 俺が荒い息の合間に告げれば、詩阿が俺の首筋に縋りつき、絶え絶えの息の合間に口にした。

「弘……毅……さま?」

 名を呼ばれて俺の興奮も最高潮に達し、射精しそうになるのを歯を食いしばって堪える。もっと詩阿を感じたかったし、詩阿に俺を刻みつけたかった。

 俺は詩阿の折れそうな細腰を両手で掴み、さらに激しく腰を打ちつけた。息を荒げ、全身に汗が噴き出す。初めての経験だというのに、詩阿の身体は快楽を拾い始め、無意識に俺の腰に脚を絡め、内部はうねって俺を締め付ける。奥を幾度も突けば詩阿がついに絶頂に至り、俺もそれに応えるように、詩阿の中に精を放つ。

「はあっ……はあっ……」

 荒い息を吐いてぐったりと褥に横たわる詩阿から抜け出すと、俺はうつ伏せにひっくり返し、まだ萎えていない欲望を背後から突き立てる。

「いあっ……あっ……」
「詩阿……まだ足りない……」

 再び動き始めた俺を見て、帳の外の宦官が動揺して息を呑むのが聞こえた。普段、俺は一回射精すれば用は済んだとばかりに寝てしまうか、ひどい場合は自室に戻る。俺が二回目に挑んだのが、若い宦官にはよほどの衝撃だったらしい。

「……皇……上……?」
「黙れ、邪魔をするなっ」
「ひい、申し訳ございません!」

 閨事の最中に声をかけるなんて、罰俸どころか死罪にされても文句は言えない大失態だ。俺がすかさず叱り飛ばせば、帳の外で恐縮する。

「や、やだ……もう……ああっ」

 宦官の存在を思い出して、かわいそうに詩阿が半泣きで身を捩る。

「気にするな……詩阿……」
「あ、だって……あっ……あああっ……」

 俺は詩阿の両胸を手で掴み、グイっと上半身を起こす。詩阿の自重でさらに奥深くまでつながり、詩阿が声にならない悲鳴を上げた。

「ああっ……やあっ……あっ、ぁああっあ―――ッ」

 両手で胸の先端を挟み込むように愛撫しながら、激しく腰を動かす。一度果てているから、今度はさっきより余裕を持って、詩阿の内部を堪能する。がむしゃらに責めるのではなく、浅い場所と深い場所を交互に突き、時に回すような動きも交えて詩阿の感じる場所を探っていく。詩阿は感じやすい体質なのか、それとも相性がいいのか、さっきからずくずくに蕩けた熱い肉襞が俺を締め付け、纏わりついて離さない。
 
「ふっ……ああっ詩阿……悦い……すごく、締まる……」
「ああっ、あっああっ……弘、毅……さま……ああっ、奥、当たって……あ―――っ」
 
 達して小刻みに震える詩阿の中をなおも穿ちながら、勃ちあがった陰核を指で弾いてやる。胸の先端と中と、感じる場所を同時に責められて、詩阿が快楽のあまり、絹を引き裂くような悲鳴ともに失神した。俺も詩阿の中に熱い滾りを注ぎこみ、これまでの想いをすべてぶつけるほどの、大量の精を吐き出す。

 気を失ってぐったりと頽れる詩阿の中から抜け出し、彼女をそっと褥に横たえる。白い太ももを俺の放った白濁が滴り落ち、帳の中には汗と精の臭いが充満していた。

「……廉……」

 俺が声をかければ、控えていた宦官がすぐに帳の脇に膝をつく。帳越しに一杯の水を所望し、それから濡らした布を命じれば、まず玻璃の杯に満たされた冷たい水が、帳の隙間から差し出される。そして廉がお湯で絞った麻布を持って帳を開けた。

 これまで、行為後の後始末も全部宦官に任せていた。しかし、宦官とはいえ、詩阿を他の男に触れさせるなんて我慢ならないと思い、廉から布をひったくると、すぐに帳を閉めて追い出した。

「……皇上?」
「俺が……じゃなくて朕がする故、下がれ」

 慣れない手つきで詩阿の身体を拭っていると、詩阿が意識を取り戻した。

「……弘毅さま?」
「起きたか?」

 俺はさっき引き剥がした襦衣を詩阿の肩に着せ掛け、自分も脱ぎ捨てた襦衣を羽織る。
 詩阿を腕まくらして褥に横になり、壁の方に畳んで寄せてあるかけぶとんを引っ張って体を覆う。

「無理をさせたかな……」
「い、いえ、その……」 

 詩阿が少しばかり躊躇ためらいがちに、俺の方に両手を差し出し、首筋に縋りつく。

「詩阿……」
 
 詩阿のやわらかい身体が密着して、あれだけ欲を吐き出したのに、また下半身に血が集まってくる。

「その……弘毅さまのお名前、思い出したような……」
「詩阿?」
「うちのお墓には母と、兄と弟としかいないのですけど、なんとなくもう一人、弘……という名前の兄が、わたしを抱きしめて守ってくれたような気がしていて……あれは、皇上のことだったのですね」

 忘れていてごめんなさいと謝られて、俺は詩阿をギュッと抱きしめる。

「よい……そなたのことは俺が……いや、朕が守る。絶対に」
「ええ……あの時のように。……信じています」

 額と額をくっつけ合うようにして、俺と詩阿はこの夜、永遠を誓い合った。

 長い片想いの末にようやく詩阿を手に入れて、俺はこれ以上ないほど幸福な気分で眠りについた。
 二度と、この腕の中の詩阿を手放すまいと思いながら――


◆◆◆◆◆
*1
『論語』泰伯「士不可以不弘毅、任重而道遠」
幼名はこれに基づいて名づけられた。だが、皇帝の名前は避けなければならないので、即位にあたって難しい、あまり使わない漢字の名前に変えているという設定。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

歳の差を気にして去ろうとした私は夫の本気を思い知らされる

紬あおい
恋愛
政略結婚の私達は、白い結婚から離縁に至ると思っていた。 しかし、そんな私にお怒りモードの歳下の夫は、本気で私を籠絡する。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...