43 / 46
第二部 ライバル登場?
綾人、入院する
しおりを挟む「あ、渉さん……た、たずげで……」
「やだ、やだ! 綾人が死んじゃう! 救急車──!!」
本当に死ぬほど痛い。意識が霞む。目の前で泣いている渉さんの姿。ごめんなさい、渉さん出勤前なのに俺のせいで遅刻させてしまうなんて──
「尿管結石ですね」
診断は端的だった。俺は硬いベッドの上に寝かされたまま身動きが取れない。正確には激痛過ぎて自分の力では起き上がることも出来なかった。
「先生、入院させていただけませんか……?」
流石に帰っても家政夫として働くのは無理だし、下手に他の人に心配かけたくもない。
有難いことに話のわかる泌尿器内科の先生はすぐに砕石オペの予定を組んでくれて、それまで入院させてくれるよう部屋を手配してくれた。
こんなにスムーズにことが進むのは、この病院で渉さんが働いていることと、久住家の人間というパワーワードだけで大体のことが罷り通る。恐ろしい世の中だ……。
◇
「こんばんは、術前訪問に来ました、神野と申します」
「あ、あれ?! 真弥さん、どうして泌尿器内科に!?」
「ああ、篠原さんって、久住の家でお勤めされてる方だったのですね。こんばんは、お久しぶりです」
「ど、どうも……」
この神野真弥さんという素敵な看護師さんは渉さんの想い人で、研修医の男とお付き合いしているとか何とか。確かに男性とは思えない妖艶な魅力というか、なんか神々しいオーラさえ感じてしまう。
でもこの人は以前渉さんとの賭けがどうのこうのと言って俺をハプバーのような恐ろしいところに連れて行ったし、とんでもない女王様のような言動もあるので気をつけないと。
ただ、白衣姿が目の毒だ。とにかくエロ過ぎる……。
「ふふっ、篠原さんダメですよ。ここは病院ですからね」
「えっ!? な、ななななな」
あまりにも俺が邪な眸でジロジロ見ていたのがバレたのだろうか。真弥さんはくすりと微笑むと俺の下腹部に手を添えた。
「明日はここにカメラを挿入して内視鏡下で一気に石を砕きます。副作用というか数日出血することはありますけど、すぐに治ります。ただ、厄介なことに、尿管結石は再発するので食生活を──」
うああああ!
ダメだ、ダメだ!
真弥さんが股間に手を当てているせいで全くその説明が頭に入らない。しかもやんわりと指先を動かしてくる。絶対わざとでしょう!?
しかも尿管結石は亀頭が膨らむと移動するのか、丁度激痛ポイントに石が転がったようで俺はまたのたうち回るような激痛を感じた。
「いってえええ!!」
「このまま排泄出来たら楽になりますよ。ちょっと身体の向き変えますね」
シャッ、と部屋を仕切るカーテンが閉められる。何やら嫌な予感がしたものの、真弥さんは俺の背中を優しく摩り、違うところに注意が向くように耳や胸にキスを散らしてきた。
「あっ……」
「声は出さないで。大丈夫、力が抜けると痛みは良くなりますからね」
「ん、ん、っ」
下腹部の疼く熱のせいで石とは違う痛みが全身を襲っていた。
「あっ……真弥、さん……イク」
全然我慢しきれなくて、俺は自分の腹と真弥さんの手にぱたぱたと白濁した精液をぶちまけてしまった。
「砕石前に少し排泄されていると良いのですが……」
いや冷静に俺の出した精液を見つめないで欲しい!!
こんなことをしたなんて、お付き合いしている研修医とか、渉さんにバレたらどうなるか……!
「あ、あの……真弥、さん」
「気持ちよかったですか?」
「は、はい」
「そうですか、それは良かったです。では、明日無事に残りの石も砕けますように。おやすみなさい」
涼しげな笑顔の天使はハンカチでささっと俺の腹回りを綺麗にしてくれて、放ったものも拭いて何事もなかった顔で去って行った。
やばい、あの人のテクニックは渉さんを超えている。癖になったらきっと離れられないだろう……この病院にはこんな恐ろしい人しかいないのか?
明日の尿管結石のオペでまた蹂躙されるのではないかと不安に思う綾人なのであった。
20
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
愛人少年は王に寵愛される
時枝蓮夜
BL
女性なら、三年夫婦の生活がなければ白い結婚として離縁ができる。
僕には三年待っても、白い結婚は訪れない。この国では、王の愛人は男と定められており、白い結婚であっても離婚は認められていないためだ。
初めから要らぬ子供を増やさないために、男を愛人にと定められているのだ。子ができなくて当然なのだから、離婚を論じるられる事もなかった。
そして若い間に抱き潰されたあと、修道院に幽閉されて一生を終える。
僕はもうすぐ王の愛人に召し出され、2年になる。夜のお召もあるが、ただ抱きしめられて眠るだけのお召だ。
そんな生活に変化があったのは、僕に遅い精通があってからだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる