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強者出現
189 幸せな時間は長続きしない 2
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ミーアさんお願いだから、そんな紛らわしい事していないでちゃんと言葉にしてくれ。
とはいえ、昨日のことを思い出し顔を赤くしているのが分かってしまう。
ミーアと目が合うと、互いに視線をそらし耳まで赤くなる。
「アレス様?」
メアリは瞬きもしないで、じっと俺を見ながら近づいて来る。
彼女の持つメイスに恐怖しながら。
後ろへと下がるが、どの道ここから逃げ出したとしても、今後この家に帰れることはなくなる。
そればかりか、せっかくミーアに対して気持ちがはっきりしたと言うのに、そんな事できるはずもない。
「きき、聞いてくれ。えっとその、なんだ。だから、だな……」
「はっきりと申してくださいませ。ミーア様の唇を奪ったと」
メアリはよくもまあ、あっさりとそんな事が聞けるよな。嫉妬とかはないのか?
などと感心している場合でもなかった。
武器が届く範囲まで近づくと、メアリの首が少しだけ傾く。
「いや、はい。その通りです。あー、そうだよ。俺からキスしたよ」
半ばやけくそ気味に言い放った。ここから飛び出して、誰も居ないところで叫びながらのたうち回りたい気分だった。
寝る前にもう一度だけ、俺からキスをした。
思い出しただけで何バカなことをやってしまったのかと恥ずかしくなってくる。
「そうですか。それは良かったですわ」
「え? どういうことだ?」
今どんな気持ちで……涙を溜めているのか、悲しいとか、悔しい気持ちによるものではないのか?
それにしてもさっきのメアリは怖かった。
それなのに、ミーアを見つめる彼女は何故か嬉しそうに見える。
「お前達が怒るのも分かるけど。ミーアは俺にとって特別だけど、それは二人も同じ事だから。順番とかは付けたくはないが、ないがしろにするつもりもない」
何処かのおっさんが言うように、どうやら俺は完全にスケコマシになってしまったのかもしれない。だけど、俺は三人とも大事にしたいと思っている。
俺はいいとして、三人は本当にこんなデブでもいいのだろうか?
ポンと腹を叩くと、フヨフヨと脂肪が揺れ動く。
「つまりだ……パメラやメアリもだな……分かるだろ?」
「アレス様。そのような言い方では駄目です。はっきりと仰ってください」
頼むミーアこれで許してくれよ。
結構頑張ったほうなんだけどな……
「アレスさん。どういうことなのですか?」
「だから、大事にしたいと思っている」
二人に抱きつかれ、その様子をミーアは怒ることもなく、涙を拭いながら笑っていた。
でも俺には気がかりになっている問題がある。
ミーアたちの安全の確保と、俺が一人でできる行動範囲の確保。
俺が強者と戦うことで、ミーアは俺に付いてくるのかもしれないがそれは避けておきたい。
あんな戦いの最中に、守りながら戦うことはできそうにもない。
「二人共聞いてくれ。昨日ミーアとも話をしたんだが……俺は魔人を討伐する」
「それは本気なのですか? ミーア様はそれで本当によろしいのですか?」
「アレス様ならきっと、そう仰ってくれると思っておりました。私も微力ながらお力に成れればと思います」
「一緒に戦うというのなら、この話は無しだ。お前たちを守りながら戦うことは出来ない。それだけは理解して欲しい」
そう言ってくれることは嬉しいが、協力は別に一緒に戦うというだけではない。
俺の考えに納得はできないだろうけど、この状況を打開するには必要なことだ。
俺がダンジョンを攻略するのに、それなりの時間はどうしてもかかる。
その間に、ダンジョンの調査や情報収集をしてくれるだけでも役に立つかもしれない。
「そのあたりに関しては、父上も交えて話を進める」
「わかりました」
「わたくしはアレス様に従いますわ」
強者を倒す前にやらないといけないことが残っているな。
「だけど、けじめとして一つやっておくことがある」
とはいえ、昨日のことを思い出し顔を赤くしているのが分かってしまう。
ミーアと目が合うと、互いに視線をそらし耳まで赤くなる。
「アレス様?」
メアリは瞬きもしないで、じっと俺を見ながら近づいて来る。
彼女の持つメイスに恐怖しながら。
後ろへと下がるが、どの道ここから逃げ出したとしても、今後この家に帰れることはなくなる。
そればかりか、せっかくミーアに対して気持ちがはっきりしたと言うのに、そんな事できるはずもない。
「きき、聞いてくれ。えっとその、なんだ。だから、だな……」
「はっきりと申してくださいませ。ミーア様の唇を奪ったと」
メアリはよくもまあ、あっさりとそんな事が聞けるよな。嫉妬とかはないのか?
などと感心している場合でもなかった。
武器が届く範囲まで近づくと、メアリの首が少しだけ傾く。
「いや、はい。その通りです。あー、そうだよ。俺からキスしたよ」
半ばやけくそ気味に言い放った。ここから飛び出して、誰も居ないところで叫びながらのたうち回りたい気分だった。
寝る前にもう一度だけ、俺からキスをした。
思い出しただけで何バカなことをやってしまったのかと恥ずかしくなってくる。
「そうですか。それは良かったですわ」
「え? どういうことだ?」
今どんな気持ちで……涙を溜めているのか、悲しいとか、悔しい気持ちによるものではないのか?
それにしてもさっきのメアリは怖かった。
それなのに、ミーアを見つめる彼女は何故か嬉しそうに見える。
「お前達が怒るのも分かるけど。ミーアは俺にとって特別だけど、それは二人も同じ事だから。順番とかは付けたくはないが、ないがしろにするつもりもない」
何処かのおっさんが言うように、どうやら俺は完全にスケコマシになってしまったのかもしれない。だけど、俺は三人とも大事にしたいと思っている。
俺はいいとして、三人は本当にこんなデブでもいいのだろうか?
ポンと腹を叩くと、フヨフヨと脂肪が揺れ動く。
「つまりだ……パメラやメアリもだな……分かるだろ?」
「アレス様。そのような言い方では駄目です。はっきりと仰ってください」
頼むミーアこれで許してくれよ。
結構頑張ったほうなんだけどな……
「アレスさん。どういうことなのですか?」
「だから、大事にしたいと思っている」
二人に抱きつかれ、その様子をミーアは怒ることもなく、涙を拭いながら笑っていた。
でも俺には気がかりになっている問題がある。
ミーアたちの安全の確保と、俺が一人でできる行動範囲の確保。
俺が強者と戦うことで、ミーアは俺に付いてくるのかもしれないがそれは避けておきたい。
あんな戦いの最中に、守りながら戦うことはできそうにもない。
「二人共聞いてくれ。昨日ミーアとも話をしたんだが……俺は魔人を討伐する」
「それは本気なのですか? ミーア様はそれで本当によろしいのですか?」
「アレス様ならきっと、そう仰ってくれると思っておりました。私も微力ながらお力に成れればと思います」
「一緒に戦うというのなら、この話は無しだ。お前たちを守りながら戦うことは出来ない。それだけは理解して欲しい」
そう言ってくれることは嬉しいが、協力は別に一緒に戦うというだけではない。
俺の考えに納得はできないだろうけど、この状況を打開するには必要なことだ。
俺がダンジョンを攻略するのに、それなりの時間はどうしてもかかる。
その間に、ダンジョンの調査や情報収集をしてくれるだけでも役に立つかもしれない。
「そのあたりに関しては、父上も交えて話を進める」
「わかりました」
「わたくしはアレス様に従いますわ」
強者を倒す前にやらないといけないことが残っているな。
「だけど、けじめとして一つやっておくことがある」
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