かりそめの永遠ーアナタに逢えてよかった

てるる

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act19 とろける

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蛍子が20歳の誕生日を迎える前に男と肌を合わせるようになると、
旧知の誰が想像したであろうか。
実のところ、蛍子が一番びっくりしている。

ファースト・キスは、ニンニク・ラーメンの味、
の気の置けないカップルは、
その後、ふたりきりになる機会がある度に
親密さを深めていった。

まだ蛍子と匠がつきあっていることが知られていない間は、
朝部屋を出てくるところを知人に目撃されると、
さすがに気まずいので、
夜を互いの部屋で過ごすことはなかったが、
日付が変わるまでは、鍵をしっかりかけ、窓を閉め、カーテンを閉め、
厳戒態勢で、ふたりだけの時間を愉しんだ。

「女の子の部屋に男が出入りするのは外聞が悪い」

という匠の配慮で、ほとんど匠の部屋に入り浸ることになっていたが、
蛍子も匠も部屋に誰かが訪ねてくるということはない。
友だちが居ないわけではないが、それぞれがひとりの時間を好むことを
みんな知っていたので、いきなり訪ねてくるという無作法な人間はいないのだ。
だから、もしチャイムが鳴っても、それは知人ではないので、出る必要がない。


「原さんがいいって言うまで、我慢するから」

ベッドの上で蛍子のはだけた胸に頭を預けて、匠が言う。
舌をからめ唇を吸い合い、お互いの身体に指を這わせ、唇を這わせ。
春まだ浅い3月のはじめ。つきあいはじめて3ヵ月ばかりで
こんな有様になっていて、何を我慢するというのか。滑稽なことである。
蛍子は匠の頭を起こして、彼の口の中に舌を滑り込ませた。
匠のしっとりとした舌を自分の中に誘いながら、
優しく噛んだり吸ったりするうちに、どんどん酩酊してくる。


疑問「キスのときどうやって息をするのか」

回答「鼻があるじゃないか」


ない。鼻はない。機能しない。

不思議なもので、口呼吸をしているわけではないのに、
口を塞ぐと息ができない。
いつもふたりで唇を貪り合ううち、酸欠になるのか、気が遠くなって
気づいたら寝落ちている。乱れた着衣。
誰がどう見ても一線を越えた状態である。
何のために我慢することがあるというのか。
バカバカしい。



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