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2-Ⅰ 依世とフルエレ
女王会議、めんどくさい
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「メア~これは男同士の命を懸けた闘いなんだヨーお前の出る幕じゃない、さぁ剣を拾えかっこつけダサ野郎がー」
ウェカ王子が出て来たメアをぐいんっと横に避けた。しかし無造作に押し退けた腕が、メアの大きな胸にポヨンと当たり形の良い胸がぐにゃっとひしゃげた。しかしウェカ王子にとっては日常茶飯事な上に、割りと興味が薄くたいして無反応であった。
「やんっ」
「早くどけメア!」
しかし逆に紅蓮はそのやり取りを目を皿の様して見ていた。
(手がポヨ~ンと大きな胸に。ごくり、凄い……でも何だ!? この少年にとってはあれくらい普通なのか? 何て贅沢な奴……その上美柑にまで手を出そうなんて……許せん奴だ)
聖帝と姉姫乃ソラーレが支配する聖都ナノニルヴァの城には、メアの様な胸の谷間丸出しのメイドさんは居ない。
カシャッ
何故か背中から激しい憎悪のオーラ発し、さっき負けた事も忘れ紅蓮が恥ずかし気も無く剣を拾った。
「おっ今度こそヤル気になった様だなあ!? じゃあこっちも本気で行くぞぉー」
「こちらこそ、先程までとは一味違うからね。逃げるなら今の内だよ」
ウェカ王子も紅蓮アルフォードも二人共真剣な目で剣を構えた。
「あわわわわわ、私の玉の輿が!? 王子止めて下さい!!」
「もう紅蓮も何急に本気になっているのよ!?」
(もしかしてメイドさんのおっぱいに嫉妬してる??)
メアも依世も何とか二人を止めようと声を掛けたが、二人の間に割って入る事をためらう程の真剣勝負の気を発し始めた。
「ヒャハハハハッやれっやってしまえ我が弟子ウェカ王子よっ!」
と、そこへ突然現れた砂緒が指を差して煽りまくった。
「誰がお前の弟子だっ!!」
「砂緒は無視して! お願い二人共止めて頂戴、ウェカ王子くんも紅蓮くんも……」
「お姉さま? 今の二人はとても」
砂緒は前座で、一緒に出て来ていた雪乃フルエレ女王が二人の前で手を組んで、瞳をうるうるさせてお願いした。
スチャッ
紅蓮は一瞬で剣を収めて依世は軽くコケた。
「フルエレちゃんが言うなら仕方無いね。でも……ウェカ王子とやらか、次こんな無礼があったら決して許さないからなっ」
「ナニ」
「はぁーーー!? 何を隠そうこのウェカ王子は、我が108人の弟子の中でも最弱の男。貴様が我に勝つ事など万に一つも無いわっ!」
何故かウェカ王子が何か言おうとする前に、砂緒が立ちはだかって勝ち誇った。
「何だよオマエは? 勝手にボクの台詞を取るなよ」
今度はウェカ王子と砂緒が言い合いを始める。
「いこ紅蓮、こんなの相手にする事ないよ」
「うん、フルエレちゃんまたね」
「ちょっと依世待ちなさい!」
「フンッ」
依世は紅蓮の手を引いて、これ幸いにとそそくさとウェカ王子の前から消えて行った。
「あーーーーー依世ちゃんがヘンな男と行ってしまったじゃないかっ」
「王子、世間的には貴方の方がヘンな男なんですよっ!」
「ハハハ、メアは冗談が上手いナ~~」
ポンッポヨ~~ン
ウェカ王子が笑いながらメアを押すと、また大きな胸に手が当たって弾力で押し返された……
「ウェカ王子くん、折角だから貴方達もお店に入ってお茶でも飲んで行って!」
雪乃フルエレ女王のお招きで二人は店に入ったのだった。
―店内。
中に入るなりウェカ王子は猫呼と再会した。
「あ、猫呼ちゃんお久しぶり」
「う、うん王子様こそお元気でしたか」
二人は何故か両人とも普段の態度と違って、顔を合わせると赤面してぎこちなくなった。
「きょ、今日はお邪魔するよ」
「は、はい、あんまり良い物は無いですけど、ごゆっくりして下さいね」
猫呼は赤面の笑顔で頭を下げると恥ずかしそうに店の奥に消えた。
「王子都合が良すぎです~~依世さんの事は良いんですか?」
「ボクも良く分からないんだ」
とても素直なウェカ王子であった。それに比して砂緒は先程から不気味に顔を高速でキョロキョロさせている。
「どうしたのよ砂緒、壊れたの?? 何をキョロキョロしてるのよ」
フルエレが不審な目で見る。
「いえ、いつもコイツの周囲をうろちょろしているオバ、いえ妙齢な熟女が居ないものですから」
「あら、そういえばあのとても強いオバ、いえお姉さまいらっしゃらないの?」
砂緒にまで気を遣わせる微妙なお年頃の瑠璃ィキャナリーが確かに居ない。
「アー、瑠璃ィの奴なら神聖連邦本国に呼び戻されたらしいぞ。若君とか言う奴のサポートが上手く行かず怒られるらしいナ。怖がってたナー」
「若君ってさっきお前が撃退したヤツですが」
コトッ
客なので仕方なしに飲み物を差し出しながら砂緒が言った。
「マジデッ!? なんだ瑠璃ィの知り合いかあ? じゃあ良い奴って事??」
「確かに王子と違って真の貴公子って感じですからねえ」
「お前は王子で無ければ普通に犯罪者顔ですなあ」
「それはお前だろがっいつからボクは砂緒の弟子になった!」
「あらあらうふふ」
と、和やかな雰囲気を見計らってイライザがそ~っと忍び寄って来た。
「あの~~~フルエレさま、お耳に入れたき事が」
「あら、呼び捨てかフルエレちゃんで良いのに! 何かしら」
「あの、レナード公から我が兄ニィルを通して私に、雪乃フルエレ女王にそろそろ会議に出てもらいたいと伝達が……」
「え~~女王会議? めんどくさいわぁ」
フルエレは頬に手を当てて凄く嫌な顔をした……
ウェカ王子が出て来たメアをぐいんっと横に避けた。しかし無造作に押し退けた腕が、メアの大きな胸にポヨンと当たり形の良い胸がぐにゃっとひしゃげた。しかしウェカ王子にとっては日常茶飯事な上に、割りと興味が薄くたいして無反応であった。
「やんっ」
「早くどけメア!」
しかし逆に紅蓮はそのやり取りを目を皿の様して見ていた。
(手がポヨ~ンと大きな胸に。ごくり、凄い……でも何だ!? この少年にとってはあれくらい普通なのか? 何て贅沢な奴……その上美柑にまで手を出そうなんて……許せん奴だ)
聖帝と姉姫乃ソラーレが支配する聖都ナノニルヴァの城には、メアの様な胸の谷間丸出しのメイドさんは居ない。
カシャッ
何故か背中から激しい憎悪のオーラ発し、さっき負けた事も忘れ紅蓮が恥ずかし気も無く剣を拾った。
「おっ今度こそヤル気になった様だなあ!? じゃあこっちも本気で行くぞぉー」
「こちらこそ、先程までとは一味違うからね。逃げるなら今の内だよ」
ウェカ王子も紅蓮アルフォードも二人共真剣な目で剣を構えた。
「あわわわわわ、私の玉の輿が!? 王子止めて下さい!!」
「もう紅蓮も何急に本気になっているのよ!?」
(もしかしてメイドさんのおっぱいに嫉妬してる??)
メアも依世も何とか二人を止めようと声を掛けたが、二人の間に割って入る事をためらう程の真剣勝負の気を発し始めた。
「ヒャハハハハッやれっやってしまえ我が弟子ウェカ王子よっ!」
と、そこへ突然現れた砂緒が指を差して煽りまくった。
「誰がお前の弟子だっ!!」
「砂緒は無視して! お願い二人共止めて頂戴、ウェカ王子くんも紅蓮くんも……」
「お姉さま? 今の二人はとても」
砂緒は前座で、一緒に出て来ていた雪乃フルエレ女王が二人の前で手を組んで、瞳をうるうるさせてお願いした。
スチャッ
紅蓮は一瞬で剣を収めて依世は軽くコケた。
「フルエレちゃんが言うなら仕方無いね。でも……ウェカ王子とやらか、次こんな無礼があったら決して許さないからなっ」
「ナニ」
「はぁーーー!? 何を隠そうこのウェカ王子は、我が108人の弟子の中でも最弱の男。貴様が我に勝つ事など万に一つも無いわっ!」
何故かウェカ王子が何か言おうとする前に、砂緒が立ちはだかって勝ち誇った。
「何だよオマエは? 勝手にボクの台詞を取るなよ」
今度はウェカ王子と砂緒が言い合いを始める。
「いこ紅蓮、こんなの相手にする事ないよ」
「うん、フルエレちゃんまたね」
「ちょっと依世待ちなさい!」
「フンッ」
依世は紅蓮の手を引いて、これ幸いにとそそくさとウェカ王子の前から消えて行った。
「あーーーーー依世ちゃんがヘンな男と行ってしまったじゃないかっ」
「王子、世間的には貴方の方がヘンな男なんですよっ!」
「ハハハ、メアは冗談が上手いナ~~」
ポンッポヨ~~ン
ウェカ王子が笑いながらメアを押すと、また大きな胸に手が当たって弾力で押し返された……
「ウェカ王子くん、折角だから貴方達もお店に入ってお茶でも飲んで行って!」
雪乃フルエレ女王のお招きで二人は店に入ったのだった。
―店内。
中に入るなりウェカ王子は猫呼と再会した。
「あ、猫呼ちゃんお久しぶり」
「う、うん王子様こそお元気でしたか」
二人は何故か両人とも普段の態度と違って、顔を合わせると赤面してぎこちなくなった。
「きょ、今日はお邪魔するよ」
「は、はい、あんまり良い物は無いですけど、ごゆっくりして下さいね」
猫呼は赤面の笑顔で頭を下げると恥ずかしそうに店の奥に消えた。
「王子都合が良すぎです~~依世さんの事は良いんですか?」
「ボクも良く分からないんだ」
とても素直なウェカ王子であった。それに比して砂緒は先程から不気味に顔を高速でキョロキョロさせている。
「どうしたのよ砂緒、壊れたの?? 何をキョロキョロしてるのよ」
フルエレが不審な目で見る。
「いえ、いつもコイツの周囲をうろちょろしているオバ、いえ妙齢な熟女が居ないものですから」
「あら、そういえばあのとても強いオバ、いえお姉さまいらっしゃらないの?」
砂緒にまで気を遣わせる微妙なお年頃の瑠璃ィキャナリーが確かに居ない。
「アー、瑠璃ィの奴なら神聖連邦本国に呼び戻されたらしいぞ。若君とか言う奴のサポートが上手く行かず怒られるらしいナ。怖がってたナー」
「若君ってさっきお前が撃退したヤツですが」
コトッ
客なので仕方なしに飲み物を差し出しながら砂緒が言った。
「マジデッ!? なんだ瑠璃ィの知り合いかあ? じゃあ良い奴って事??」
「確かに王子と違って真の貴公子って感じですからねえ」
「お前は王子で無ければ普通に犯罪者顔ですなあ」
「それはお前だろがっいつからボクは砂緒の弟子になった!」
「あらあらうふふ」
と、和やかな雰囲気を見計らってイライザがそ~っと忍び寄って来た。
「あの~~~フルエレさま、お耳に入れたき事が」
「あら、呼び捨てかフルエレちゃんで良いのに! 何かしら」
「あの、レナード公から我が兄ニィルを通して私に、雪乃フルエレ女王にそろそろ会議に出てもらいたいと伝達が……」
「え~~女王会議? めんどくさいわぁ」
フルエレは頬に手を当てて凄く嫌な顔をした……
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