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出会い編
突然の求婚
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あれから1週間がたち、今日も薬を売りに街へと向かう。
今日は先週よりは薬の量が多くないにしろ、重いものは重いのだ。
「つい、たぁ...。」
ギルドに着く頃にはいつも通りヘロヘロになっている私は、ギルドに着いた瞬間にそんなことをこぼす。
それからギルドの扉を開けて、いつも通り薬を売って、帰る。それだけだったはずなのだ。
(なんか…今日のギルド、混んでる?)
やけに今日のギルドは混んでいて、リーシェさんのところに辿り着くにもいつもの二倍ほどの時間がかかった。
「あっ、魔女様~!いつもの薬ですね。ありがとうございます。」
いつも通りリーシェさんは笑顔で迎えてくれた。
「あ、はい。…あの、どうしてギルド、こんなに混んでるんですか?」
「あ~!今日は王太子様たちが街にくる日ですからね~。最初にギルドへよってギルド長と話すのではという噂なんですよ。それに英雄様も来ますから、一目見たいという方も多いのでしょうね。」
「あー…。」
私は人混みが大の苦手だ。
ぶつかってしまったらたまに舌打ちしてくる人とかもいるし、優しい人でも心の中ではあんなことやこんなことを思っているのではないかと、変な勘潜りをしてしまって、申し訳なさで死にたい気持ちになるから。
何にせよくる時期を失敗したのだ。今日はもう買い物せずにすぐ帰って、明日買い物しにこよう。
そう思った瞬間、ドアが大きく開く。
周りの歓声から誰が来たかなんて見なくても察した。
「あ、話をしていたら来ましたよ!王太子様たちです。」
リーシェさんの声と共に振り返ると、そこには人ごみに囲われた数名ほどの男性がいた。
真ん中でいかにも王子様といった服装をしているのが王太子様で、あとの騎士服の人たちは騎士様だろう。
(…帰るタイミング、逃しちゃったなぁ…。)
王太子様たちが今いるのはギルドの入口つまり入口を塞がれて暫くは人混みで帰れないだろう。
ぼんやりそんなことを考えながら王太子様御一行のことを眺めていると、ふと黒髪の騎士服を着た男性と目が合った。
時間にしたら1秒にも満たないくらいだったが、何せ私は超人見知りコミュ障魔女である。
私の心の中は
(な、なな、なんか目が、目が合った気がするぅぅ!!ど、どうしよう、すぐに目を逸らしちゃったから不敬罪で死刑とか言われたらどうしようぅぅぅ!)
と、大変パニクっていた。
そもそも目を逸らしただけで不敬罪にはならないし相手は騎士のため不敬罪も何もないという一般常識を、パニックで脳内から吹っ飛ばしていた私は全速力でリーシェさんの方に向き直り、王太子様がここを去るまでリーシェさんと世間話でもしようと思っていた。
ーーコツコツッ、コツ。
リーシェさんの方に向き直った瞬間、人はたくさんいるはずなのに、後ろからやけに慌ただしい足音だけがはっきり聞こえてきた。
(...あ、れ?なんか、嫌な予感が、)
その足音は私のすぐ後ろで止まった。
リーシェさんの受付に並んでいる人かなと思いちらりと後ろを振り返ると、そこにはさっきの黒髪の男性がいて、思わず2度見して固まった。
(ふ、不敬罪!?死刑ぃ、私殺される!!!?)
猛烈にパニックだった私は
「あの、そのぉ...え、えっとご、ごめんなさ、」
としか言葉を紡ぐことが出来ない。
そんな私を見て彼は私の発言を遮るように大きな声で私に
「あなたのことが好きだ!結婚を前提に付き合っていただけないだろうか!」
と告げ、私の両手を包み込むように両手でぎゅっと握りしめた。
その瞬間、ギルドの人たちの視線がいっせいにこっちを向いた。
大勢の人の注目を受けながら頭にハテナしか浮かんでない私は10秒ほどたって言葉を理解したあとに、涙目でこう叫んでいた。
「むむむむ、むりりり、無理です!ご、ごご、ごめんなさいぃ!!」
今日は先週よりは薬の量が多くないにしろ、重いものは重いのだ。
「つい、たぁ...。」
ギルドに着く頃にはいつも通りヘロヘロになっている私は、ギルドに着いた瞬間にそんなことをこぼす。
それからギルドの扉を開けて、いつも通り薬を売って、帰る。それだけだったはずなのだ。
(なんか…今日のギルド、混んでる?)
やけに今日のギルドは混んでいて、リーシェさんのところに辿り着くにもいつもの二倍ほどの時間がかかった。
「あっ、魔女様~!いつもの薬ですね。ありがとうございます。」
いつも通りリーシェさんは笑顔で迎えてくれた。
「あ、はい。…あの、どうしてギルド、こんなに混んでるんですか?」
「あ~!今日は王太子様たちが街にくる日ですからね~。最初にギルドへよってギルド長と話すのではという噂なんですよ。それに英雄様も来ますから、一目見たいという方も多いのでしょうね。」
「あー…。」
私は人混みが大の苦手だ。
ぶつかってしまったらたまに舌打ちしてくる人とかもいるし、優しい人でも心の中ではあんなことやこんなことを思っているのではないかと、変な勘潜りをしてしまって、申し訳なさで死にたい気持ちになるから。
何にせよくる時期を失敗したのだ。今日はもう買い物せずにすぐ帰って、明日買い物しにこよう。
そう思った瞬間、ドアが大きく開く。
周りの歓声から誰が来たかなんて見なくても察した。
「あ、話をしていたら来ましたよ!王太子様たちです。」
リーシェさんの声と共に振り返ると、そこには人ごみに囲われた数名ほどの男性がいた。
真ん中でいかにも王子様といった服装をしているのが王太子様で、あとの騎士服の人たちは騎士様だろう。
(…帰るタイミング、逃しちゃったなぁ…。)
王太子様たちが今いるのはギルドの入口つまり入口を塞がれて暫くは人混みで帰れないだろう。
ぼんやりそんなことを考えながら王太子様御一行のことを眺めていると、ふと黒髪の騎士服を着た男性と目が合った。
時間にしたら1秒にも満たないくらいだったが、何せ私は超人見知りコミュ障魔女である。
私の心の中は
(な、なな、なんか目が、目が合った気がするぅぅ!!ど、どうしよう、すぐに目を逸らしちゃったから不敬罪で死刑とか言われたらどうしようぅぅぅ!)
と、大変パニクっていた。
そもそも目を逸らしただけで不敬罪にはならないし相手は騎士のため不敬罪も何もないという一般常識を、パニックで脳内から吹っ飛ばしていた私は全速力でリーシェさんの方に向き直り、王太子様がここを去るまでリーシェさんと世間話でもしようと思っていた。
ーーコツコツッ、コツ。
リーシェさんの方に向き直った瞬間、人はたくさんいるはずなのに、後ろからやけに慌ただしい足音だけがはっきり聞こえてきた。
(...あ、れ?なんか、嫌な予感が、)
その足音は私のすぐ後ろで止まった。
リーシェさんの受付に並んでいる人かなと思いちらりと後ろを振り返ると、そこにはさっきの黒髪の男性がいて、思わず2度見して固まった。
(ふ、不敬罪!?死刑ぃ、私殺される!!!?)
猛烈にパニックだった私は
「あの、そのぉ...え、えっとご、ごめんなさ、」
としか言葉を紡ぐことが出来ない。
そんな私を見て彼は私の発言を遮るように大きな声で私に
「あなたのことが好きだ!結婚を前提に付き合っていただけないだろうか!」
と告げ、私の両手を包み込むように両手でぎゅっと握りしめた。
その瞬間、ギルドの人たちの視線がいっせいにこっちを向いた。
大勢の人の注目を受けながら頭にハテナしか浮かんでない私は10秒ほどたって言葉を理解したあとに、涙目でこう叫んでいた。
「むむむむ、むりりり、無理です!ご、ごご、ごめんなさいぃ!!」
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