英雄が嫌われ魔女に恋をしちゃった話

namihoshi

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出会い編

逃げれない魔女

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あのあと、もうやだ帰りたいと思っていた私がそう簡単に帰れるわけもなく。
涙目になって私があうあうといっていたところ、王太子様が

「とりあえず場所を移そうか。周囲も混乱しているしね。」

と言われてギルドの2階にある部屋へと移動した。
メンツは王太子様と、求婚してきた人含む王太子様の護衛の騎士とギルマスとリーシェさんと私だ。
誰かこの状況を説明して欲しい。
ちなみにリーシェさんは私が引っ張って連れてきた。理由はリーシェさんがいないと私はあのメンツにいるだけでぶっ倒れるからだ。


「あはは、ごめんね?君も突然この男から求婚されてびっくりしたでしょ?
とりあえず名前から聞いてもいいかな。」

王太子様が私にそんなことを言った。
この人さっき場所を移動しようと言っていた時も笑っていたのだ。
私の直感がこの人は腹黒だと言っている。あと絶対この状況を面白がっている。
まあいつまでもこんな現実逃避をできるわけがなかった。


「…魔女様、名前!」


「…あ、、わわ、!」


あまりに私が無言すぎてリージェさんに横から小声で言われた。
王太子様にフルシカトは流石にまずい。
ほんとに死刑だ。


「ええ、えええ、とと、ア、アリス!です!」


何とか名乗った私は全力で被っていた帽子をさらに深く被る。
今確実に正面の騎士さんや王太子様と目を合わせたら私は倒れる。そんな自信しかない。


「アリスか、よろしくねー。…で、クロード。説明は?」


王太子様は私の挨拶の後すぐさまさっきの求婚してきた騎士さんに説明を求めていた。
というか、クロードって名前はぁ…!


「はい殿下。」


王太子様に説明を求められた騎士さんは返事をすると私の方を見て話し始めた。


「あれは数年前のことなのですが…」
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