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王子に恋した人魚姫、脚を手に入れ会いに行く〜エミーナが描いた1ダースの絵〜
欲しい物
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王子さまは歩けるようになったエミーナを連れて父王に報告しに行った。
「重大報告です。この娘が私の命の恩人だったのです」
父王はエミーナに大感謝。
「ではそなたに褒美として、何でも欲しい物を与えよう」
紙とペンを与えられたがそれは使わず、エミーナは指を揃えた手のひらを上に向け、王子さまを指し示した。
「王子よ、どうするかな?」
「はい。もちろん、喜んで! 彼女は命の恩人ですし、私は彼女を愛していますから」
「娘よ、名前は?」
『エミーナ・ド・ロマーヒ』
エミーナは口を動かすが、声は出ない。
「エミーラ……オ……ロマーイ?」
かぶりをふるエミーナ。
「可愛い絵描きさん、僕に向かって言ってみて」
王子さまが言う。
『エミーナ・ド・ロマーヒ』
「唇の動きで『エミーラ……オ……ロマーイ』と言ってるように見えますが……」
王子さまは父王に言う。
「どうやらそうではないようだな」
国王さまは困り顔。エミーナは残念そうにうなだれる。
「もう一度、僕に向かって言ってみて」
『エミーナ・ド・ロマーヒ』
「へミーラ……オ……ロマーヒ?」
惜しいけど、違う。
「娘よ、文字は書けるかな?」
エミーナはかぶりを振る。
「困ったことだ。名前がわからなければ、正式な婚約発表ができない。このままでは王子とそなたは結婚できない」
自分の名前を伝えられないから、王子さまとは結婚できないなんて。悲しくって涙が滲む。せっかく両想いになれたのに……。なんとかしなくちゃ。
すると王子さまがペンを取って紙に何か書きつけると、エミーナに見せた。
「これが私の名前だよ。こんなふうに、君も自分の名前が書けたら良かったのになあ。そうすれば君の名前を知ることができて、正式な婚約発表ができて、君と結婚できるのに。君の名前を呼ぶこともできるのに」
エミーナは何かを決意したように頷いた。そして王子さまからペンを借りると、彼が書いた名前の下に、同じように真似をして文字を書き始めた。文字を書けるようになりたいのだ。
「いや、それは僕の名前だから……。あ、そうか。文字の読み方がわかったら、自分の名前を綴れるかもしれないね。父上、いかがでしょう? 彼女に文字を教えてみては?」
「もしかしたら、うまく行くかもしれぬ」
「ねえ、可愛い絵描きさん。文字を学んでみるかい?」
エミーナは意志的な表情で王子さまと王さまに強く頷いた。
「では、そなたに優秀な学者を教師として付けよう」
エミーナは王さまに嬉しそうに微笑んだ。その笑顔を見て王子さまは励ます。
「よし! じゃあ一緒にがんばろう!」
エミーナは王子さまに嬉しそうに頷いた。
「重大報告です。この娘が私の命の恩人だったのです」
父王はエミーナに大感謝。
「ではそなたに褒美として、何でも欲しい物を与えよう」
紙とペンを与えられたがそれは使わず、エミーナは指を揃えた手のひらを上に向け、王子さまを指し示した。
「王子よ、どうするかな?」
「はい。もちろん、喜んで! 彼女は命の恩人ですし、私は彼女を愛していますから」
「娘よ、名前は?」
『エミーナ・ド・ロマーヒ』
エミーナは口を動かすが、声は出ない。
「エミーラ……オ……ロマーイ?」
かぶりをふるエミーナ。
「可愛い絵描きさん、僕に向かって言ってみて」
王子さまが言う。
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「唇の動きで『エミーラ……オ……ロマーイ』と言ってるように見えますが……」
王子さまは父王に言う。
「どうやらそうではないようだな」
国王さまは困り顔。エミーナは残念そうにうなだれる。
「もう一度、僕に向かって言ってみて」
『エミーナ・ド・ロマーヒ』
「へミーラ……オ……ロマーヒ?」
惜しいけど、違う。
「娘よ、文字は書けるかな?」
エミーナはかぶりを振る。
「困ったことだ。名前がわからなければ、正式な婚約発表ができない。このままでは王子とそなたは結婚できない」
自分の名前を伝えられないから、王子さまとは結婚できないなんて。悲しくって涙が滲む。せっかく両想いになれたのに……。なんとかしなくちゃ。
すると王子さまがペンを取って紙に何か書きつけると、エミーナに見せた。
「これが私の名前だよ。こんなふうに、君も自分の名前が書けたら良かったのになあ。そうすれば君の名前を知ることができて、正式な婚約発表ができて、君と結婚できるのに。君の名前を呼ぶこともできるのに」
エミーナは何かを決意したように頷いた。そして王子さまからペンを借りると、彼が書いた名前の下に、同じように真似をして文字を書き始めた。文字を書けるようになりたいのだ。
「いや、それは僕の名前だから……。あ、そうか。文字の読み方がわかったら、自分の名前を綴れるかもしれないね。父上、いかがでしょう? 彼女に文字を教えてみては?」
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「ねえ、可愛い絵描きさん。文字を学んでみるかい?」
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「では、そなたに優秀な学者を教師として付けよう」
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「よし! じゃあ一緒にがんばろう!」
エミーナは王子さまに嬉しそうに頷いた。
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