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暴走の買い物編

耐えて、変わって

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「ど、どうって……テキトーにくるんで持ち帰ればいいだろ」
「……これ、さっきまでネコが履いていたんですよね……ずっと。あぁ、この距離でも匂いがしていますよ?」

 嫌な予感がした。ミミを止めないと碌でもないことになると、本能が告げていた。これ以上、ミミに喋らせてはいけない。

「な、なに考えてんだよ。キモいから早くこっち渡せって!」
「ねえ、いいですか? しても、いいですか?」

 ミミの手が鼻にどんどんと近づいていく。今にもその小さな鼻が、布で覆われそうだ。

「な、なに馬鹿なこと言ってんだよ、早くよこせって……んっ♡」

 急所がミミの手によって握られた。脅すようにミミの手によって弱く擦られ、じんわりと熱い快感を帯び始める。

「ねえ、いいですよね? ネコ、ボクしたいんです。だから、いいって言ってください」
「だ、ダメって言ってるだろ……あんっ♡ くっ……」
「どうしてですか? ネコだって、こんな雑な手コキでイカされたくないですよね? いいよって優しく言ってくれないと、このまま射精させてしまいますよ? ねえ、ネコ?」

 ミミの手のスピードがどんどんと増してゆく。翔斗の言葉を急かすように、快楽を与えるためではなくただ射精を促すだけの動きで。確かにこのまま射精をしても気持ちよくはなれるが満足感は得られない。たださせられただけの射精は虚しいだけだ。

「ほら、玉がきゅっと締まって、どんどんと精液が上がってきてる。いいんですか? このまま出しちゃって」

 耳元で吐かれた言葉が脳まで入り込んで、翔斗の思考を曇らせる。ここでネコが射精をすればそれですべてが終わるだろう。ミミも適当に射精させて、ふたりとも冷静になって、トイレから出ていく。ここでの出来事が外に漏れることはなく、女装がバレることもなく、万事解決。

(それでいいはずだ。このまま大人しくしているのが、一番リスクが少ないのだから。オレは、リスクの高い快楽なんて望んでいないはずなのだから)

 それではなぜ、翔斗はミミと一緒にトイレまで来たのか。本気で抵抗すればミミのイタズラなんて振りほどけるのに。

 なぜ、翔斗の手はずっと撮影をしているのだろうか。カメラを止めることなんて簡単なのに。

 なぜブーメランパンツを切ることを許したのか。安い物ではないし、二度と履かないかどうかもわからないのに。

(こんな形で射精したくない)

 スマホの画面に少女が映っている。ミミに責められる少女の顔は悩まし気で、快楽に耐えるように顔を歪めていたが、やがて小悪魔のような笑みに変わった。

「……あはっ♡」
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