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変態貴公子vs敏腕執事長
しおりを挟む「セバスチャン貴様わざといい所で入ってきたな!!」
「さぁ?なんのことでしょうか?」
私を抱きしめたまま睨みあうセバスチャンさんとアルディス様
ひぃいいい、これどういう状況ですか!?
「それよりアルディス様…
万が一、億が一にも手を出すなんてありえない!なんて言ってらっしゃったのはどなたでしたっけ?」
口元は笑ってるけどセバスチャンさん目が笑ってなくて怖いです…
「…っ、最後まではしてないんだからセーフだろ」
「私アルディス様が幼少の頃からお仕えしておりますが、まさか何も知らない無垢な淑女に了承さえ得られれば行為に及んでも良いなどとは…あぁ、嘆かわしい
そんな下種にアルディス様を教育した覚えはありませんよ!!」
「ぐっ…」
さっきからなんの話をしてるんだろ…でもアルディス様がなんだか大ダメージを受けているみたい
「セバスチャン…最初から見ていたな」
「さぁ、どうでしょうか」
さ、最初から?
最初から見ていたってまさか…あの卑猥な行為をセバスチャンさんに!?
え?でも確かに扉は閉まったはず…
でも止めに入ってくれた時音なんかした?
あの卑猥な行為を見られていたという羞恥から全身が暑くなる
私がぷるぷると震えていると…
「ん?どうしたんだ?」
「い…」
「どこか痛いのか!?」
慌てたように私を抱きしめていた手を緩める
今がチャンス!!
グッと両手で力一杯アルディス様を推してセバスチャンさんの所まで逃げた
「あ、おい!!」
「あぁ、こんなに震えてお可哀想に」
私はセバスチャンさんの後ろに隠れた
「おい、戻ってこい」
「い、嫌です!」
冗談じゃない、やっと逃げられたのにまた戻ったらなにされるか分かったもんじゃない!!
「ご主人様命令だ!」
「だから私のご主人様はヴィヴィお嬢様です!!」
「…ちっ、おいセバスチャン!こいつを俺付きの侍女にしろ!」
ななななんですって?!
この変態貴公子の侍女になんかなったら絶対大変なことになる、冗談じゃない!
チラッとセバスチャンさんの方を下から見上げる
「そんな不安な顔をなさらなくても大丈夫ですよ」
ニコッと微笑まれて頭をぽんぽんされる
う…子供扱いされてる、中身は24歳だけど50代くらいのセバスチャンさんからすると14歳なんて子供同然ですよね
「アルディス様、申し訳ございませんがそれは出来かねます」
「なんだと?」
「ヴィヴィお嬢様の人手が足りないので雇ったのです
それに、アルディス様は侍女などいらんと随分前から執事のみにしていたではありませんか
アルディス様の方は人手が足りているはずでございます」
「…急に侍女が必要になった」
「では別の者を新たに雇います」
「こいつがいい」
「もう契約書がございますので」
「ぐ…」
さすがセバスチャンさん、俺様相手に有無を言わせない手腕…
私も見習わなきゃ!
応援ありがとうございます!
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