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アルディスsaid2

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「顔を見せてみろ」

「嫌です!!」

「ご主人様命令だ」

「わ、私の仕えるご主人様はヴィヴィお嬢様です!!」


後退りする女を壁際まで追い詰める
面白い、この女地味な見た目の割に以外と言い返してくるな


「アルディス様、嫌がっている女性にそのような無理意地はいけません」

「うるさい、この女は俺が最も呼ばれたくない名を呼んだのだ、しかも口答えもするしな…これぐらいの仕置は当然だろう?」    


セバスチャンの静止も聞かずに女を見やると口をパクパクさせながら明らかにセバスチャンに助けを求めている


「セバスチャンが助けてくれると思ってるな?」

「っ!?」


こいつ…
セバスチャンがいるからこんなに強気なのか?
セバスチャンを下がらせるか


「セバスチャン下がれ」

「しかし、女性と2人っきりになどさせられません!」

「はっ…私がこいつに手を出すとでも?
万が一にもいや、億が一にもありえんだろ」


俺は父上とは違う、色事に興味はないからな
ましてやこんな怪しい奴…
セバスチャンが何を心配しているのかは知らんがこいつに手を出すなんてありえないだろ…


「命令だ、下がれ」

「かしこまりました…」

「そんな…」


俺が引く気はないと分かるとセバスチャンも諦めたようだ


パタンっと扉が閉まる


これで邪魔者はいなくなった


「さぁ、見せてもらおうか?」


壁際に追い詰めて両手でサイドを囲う
さながら追い詰められた兎みたいだな


「やです!本当に見せられないんです!
お願いだからやめてください!!」

「お前の地味な顔を見るだけだ、何をそんなに勿体ぶる必要がある?
そこまで焦らされるとますます見たくなるぞ」


こいつ、ここまで追い詰められてまだ抵抗するのか?
だんだん苛々してきたぞ


「あぁ、焦ったい!!」

「きゃあっ!?」



苛々して顎を持ち上げて無理矢理上に向かせた




「や、無理です無理無理!!」



いやいやと首を動かそうとしているが顎を持つ手に熱を感じる
俺に照れているのか?
ほお、嫌がってはいるようだが…


「ふっ…お前…反応は可愛いらしいな…」

「なっ…!?」


真っ赤に熟れたりんごみたいだ
俺の言葉に益々頬を赤くさせているな
そういう初心な反応をされると余計みたくなるということが分からないのか?



「すぐ終わる
一瞬だ、見れないような顔なら一度見たら二度と見らん」

「うぅ…約束ですからね…」

「あぁ」


やっと観念したか…
全く手こずらせやがって…


「よしよし、じゃあご尊顔を…」


俺はサラサラのそいつの前髪をゆっくりかき上げた
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