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アルディスsaid3
しおりを挟む前髪をかき上げた俺の前には見たこともないような可愛いらしい顔がそこにあった
俺から視線を逸らしてはいるが黒いぱっちりとした大きい目に長いまつ毛、鼻は小さく幼さを感じさせる
頬も何か塗っているのかとおもうほど桃色で可愛らしい
唇なんかつやつやで柔らかそうだ、触ってみたい…
「あの…氷け…アル…っ、クロムハート様…?」
何故こんな可愛い顔を醜いなどと…
それにこの容姿を隠すような姿…
まぁこの容姿で外など歩けば一発で人攫いにあうな
「あの…」
不意に視線が絡み合った
不意打ちだ…一瞬で逸らされたがあの可愛らしい目で見つめられた
なんだこれは、心臓がどくどくうるさい
思わず喉が鳴った
「…っ!?」
「喉でも…渇かれてるんですか?」
女に興味などないと思っていた…
だが今目の前にいるこの女から目が離せない
すると可愛らしい目が潤みはじめた
「うっ…ひっ…」
そこで初めてぽろぽろと涙を流しはじめる女に気がついた
「あ…なぜ泣く?!」
「だか…らっひっく言ったのにぃ…私は見せれるような顔じゃな…って」
「何を言ってる?!」
「だっ…てひっ…くっ…なん…かいも…ひうっ…声かけたのに…へんじしてく…れな…うぅっ…」
「何を…あぁ、そんな顔して泣くな!」
「っ!?」
何故急に泣きはじめた?!
なんとか泣き止ませたかった、こんなことをするつもりはなかったが気がつけば勝手に身体が動いていた
「ひゃあっ!?」
舌で涙をすくっていた
「な、なななな何して?!」
俺の行動に驚いたのか涙は止まったようだ
本当に表情に出やすいやつだな…
女にこんなことをした事はない、こいつが初めてだ
「お前は醜くなどではないぞ、寧ろ…いぃ」
「???」
先程までは簡単に言えていた可愛いという一言が出ない
別になんとも思わない相手になら簡単に言えていたのに…
「あの…むしろ?から最後なんて…」
「…っ、だから…くそっ!」
こいつも馬鹿正直に真剣に聞こうとしてこないでくれ…
言いづらいのを察してくれないか
「あの…?」
俺に慣れてきたのかじっと見ている
ぐ…その可愛らしい顔で見られると吸い込まれそうになる
こいつに何をするかわからん
「…っ、そんな顔して見るな」
すると俺を見つめたままの瞳がまた潤みはじめた
だめだ、なんだかこいつの泣き顔を見ていると…
「またそんな顔…くそっ…!お前が悪いんだからな…」
「へ?…んぅっ!?」
俺の理性は消し飛んだ
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