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イシャールsaid2

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パタンッ…


たった今この屋敷の主2人に挨拶をしてきた

兄のアルディス様は殿下と張り合うくらいの美形だし、親の仕事も引き受けてるぐらい頭もいい
確か社交会では女に靡かない氷結の貴公子様だったか?
もったいないね~、俺がその立場なら絶対来るもの拒まずで女を侍らすのに…

で、妹のヴィヴィアンヌお嬢様の方は殿下の婚約者候補だから前から知ってるが、なんであの兄からこんな妹になるんだ?本当に同じ兄妹なのか?
さっきも挨拶しに行ったら…


「あら、いい男じゃない!
でも私にはディーンアデライト様っていう未来の旦那様がいるの、一つ屋根の下だからって私に惚れちゃだめよ?」


とんでもない勘違い女だ、やっぱり頭がおかしいと思う
兄のアルディス様を見習ってほしいね

ま、俺が下に着くご主人様はアルディス様らしいからヴィヴィアンヌお嬢様に関わることはあんまないかな


色々考えながら長い廊下をセバスチャンさんと歩いていると、1人でうんうん唸りながら考えごとをしているおかしな女が目に入った


「ウェルスニード様」

「はい?」

「お掃除の手が止まっていますよ」

「あ…すすすみません!」

「あれ…隣の方は…?」

「あぁ、紹介しますね
今日から働いていただくことになったシャル様です」

「シャルって言いま~す、よろしくね♪」


あぁ、制服着てるしここの侍女か、もしかしたら情報収集に役立つかもだし、愛想振り撒いとかないとね


「あ…マナ・ウェルスニードです、よろしくお願いします!!」

「へぇ…マナちゃん…」


はぁ?
マナ…って…殿下が調べろって言った女だよな?

嘘だろ!?
どんだけ良い女なのかとめちゃくちゃ期待してきたのに…
綺麗な珍しい黒髪おさげはいいとして、目を前髪でおもいっきり隠して丸渕メガネのださい格好した怪しい女って…

殿下のあの反応は間違いなく色恋沙汰だと思ってたんだけど…これは趣味を疑うレベルだな
周りが美人ばかりだから飽きて珍味が食べたくなったのか?


「シャル様、女性をその様に不躾に見るものではありませんよ」

「あ、ごめんごめん!珍しい黒髪だったからつい気になっちゃって…」

「あ、気にしないで下さい」


やべ、あまりの衝撃におもいっきりジロジロ見てしまった…


「では挨拶も済みましたし、屋敷の案内をしましょうか」

「あ、俺マナちゃんに案内してもらいたいな♪」

「へ?」


とりあえず、調査しなきゃいけないからマナちゃんに近づかないとね


「ウェルスニード様もまだ入ったばかりなので案内はちょっと…」

「えぇ~、でも男としては女の子に案内してもらった方が気分があがるでしょ!」


マナちゃんに気がある振りをする為に片目を瞑ってアピールをする


「はぁ…まぁウェルスニード様がどれだけ屋敷のことを案内できるか、おさらいも兼ねて良いかも知れませんね」

「いや私にはまだちょっと…」


あれ、俺のアピールが効いてない…
おかしいな、これ潜入調査する時とか女の子に結構効くんだけどな…


「嫌なら無理にとは「えー!?マナちゃんいいでしょ!」


俺は断ろうとするマナちゃんを押し切って強引に案内させた



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