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突然の訪問3
しおりを挟む急いで侍女達の整列位置に並ぶ
ガチャッ……
豪華な扉が両サイド同時に開き、相変わらず輝かしい美貌を誇る金髪の王子様が入ってきました
「ディーンアデライトさまぁ♡」
ヴィヴィお嬢様が猫撫で声を出しながら走って王子様の元へ行く
抱き着こうとした瞬間…
「やぁ、アルディス久しぶりだね!」
華麗にヴィヴィお嬢様をスルーしてアルディス様と手を取り合っていました
あらら、まさかのヴィヴィお嬢様をスルーですか!?
「こないだは領地視察で会えなくて残念でした
殿下が2週連続で来るなんて珍しいな、どうしたんです?」
「まぁ、話は座ってからでいいかな?」
「ディーンアデライト様!!」
流石にスルーが効いたのか、プルプルと身体を震わせながら怒りを抑えるヴィヴィお嬢様
そりゃ婚約者候補だもん、スルーなんてキレて当たり前ですって!
「や、やぁ…ヴィヴィアンヌ嬢、1週間ぶりだね
今日は…なんだかいつもと違って大人っぽく見える
そういうドレスの方が君には似合ってるね」
「ま、まぁ!
いつもと趣向を変えてみたんですけれど、ディーンアデライト様にそう言っていただけるなんて光栄ですわ♡」
わぁ…
流石王子様、機嫌の悪かったヴィヴィお嬢様をたった一言で変えちゃうなんて凄い!
褒めてもらえたなら、私もこのドレスをおすすめした甲斐がありました!
私がルンルンで喜んでいると…
あ、あれ?
なんだか王子様がこっちを見ているような…
後ろに何かいるのかな?
キョロキョロと当たりを見回す
「ぷっ…ふっはははっ」
急に王子様が笑いはじめた
「殿下?」「ディーンアデライト様?」
「いや、ちょっと思い出し笑いをしちゃったみたいだ」
「まぁ!その話もじっくり聞きたいですわ!
お茶の用意がありますの、庭園にいきましょう♡」
ぐいぐいと王子様の腕を引っ張って行くヴィヴィお嬢様
「あ、ちょっと馬車に手土産を忘れてきたみたい…」
「まぁ、手土産だなんてそんな、殿下に気を遣っていただいて♡」
「いや、突然の訪問だったからね、これぐらいはさせてほしい」
「じゃあ私の侍女に持ってこさせます♡」
「あぁ、そこの黒髪の侍女にお願いしたいな」
はい?
黒髪って…私!?
一斉に侍女達に睨まれる
ひぃいい、なんで私!?
「なんであの子なんですの?」
「たまたま黒髪が目立っていたからね」
「あー、確かにあの容姿は目立ちますわね」
クスクスと周りから笑い声がきこえる
あー、はいはい地味眼鏡ですもんね
どうせそんな事だろうと思ってましたよ!
王子様もなんでわざわざ私を指名するの?
嫌がらせとしか思えないんですが!?
「そこの貴方、王宮の馬車に行って取ってきなさい」
「は、はい…」
私は急いで荷物を取りに行った
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