昼休みは紙月堂で――元会社員と元同僚がつくる、ひと息つける文具店

乾為天女

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第31話 就活生たちの午後

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 春先の午後の光は、冬の名残と新学期の気配をいっぺんに運んでくる。


 星見商店街のアーケードにも、淡い日差しがすべり込んでいた。コートを着るべきか迷ったままの人たちが、マフラーを首にかけたり腕にひっかけたりしながら行き来している。


 紙月堂のガラス戸の横には、今日も小さな札が下がっていた。


 『今日の相談タイム 一緒に書く日』


 紗菜が書いた丸い文字の下に、鉛筆で描いた小さなノートの絵が添えてある。


 その札を、ひとまとまりの視線が見上げていた。


 「……ここだっけ?」


 「たぶん。『ノートと珈琲の店』って書いてあったところ」


 リクルートスーツ姿の学生が四人、戸の前で小さく輪になっている。黒いスーツに白いシャツ、同じ色の就活バッグ。ネクタイの色だけが少しずつ違う。


 「ほんとに入って大丈夫かなあ。『相談タイム』って書いてあるけど」


 「怪しい商法とかじゃないよね?」


 「商店街にそんな罠、仕掛けませんよ」


 ちょうど通りがかった惣菜屋の奥さんが、思わず口を挟んだ。


 「ここ、うちの晩ごはん待ちの休憩所みたいなもんだから。安心して入りなさいな」


 その一言に押されるようにして、学生たちはガラス戸を開けた。


 「いらっしゃいませ」


 カウンターの中で豆を量っていた靖治が顔を上げ、一瞬だけ固まる。


 (うわ、黒スーツが四人も……店ごと面接されるやつじゃないよな)


 思わず背筋が伸びる。


 「席、空いてますので、お好きなところへどうぞ」


 なんとか声を整えて言うと、学生たちはおずおずと店内を見回した。窓際のテーブルには、既にノートを広げた常連が一人。真ん中の四人掛けだけが空いている。


 「あの、こちら、四人でも大丈夫ですか」


 「はい。どうぞ」


 椅子を引く音と一緒に、スーツの布ずれの音が小さく重なる。春先の午後に似合うには少し固すぎる服装が、テーブルの周りに並んだ。


 注文を取りに行くと、一番端の学生が、おそるおそるメニューをめくった。


 「すみません……長居しても大丈夫でしょうか」


 「大丈夫ですよ。混んできたら声かけますけど、今の時間は、ゆっくりしていただいて」


 その返事に、四人の肩の力が少し抜ける。


 「じゃあ、珈琲を……」


 「僕はカフェオレで」


 「私は、苦くないやつがいいです」


 「ミルク多めのブレンド、お作りしますね」


 注文をメモしながら、靖治はちらりとテーブルの上を見た。


 そこには、薄い青のクリアファイルが一つ。端から履歴書の端が少しだけのぞいている。


 (……就活か)


 カウンターに戻り、ドリッパーにお湯を注ぎながら、さりげなく小声で悠之介に耳打ちする。


 「店長、スーツが四人分、来ました」


 「営業じゃなくて?」


 「履歴書見えました」


 「なるほど」


 悠之介は、豆の香りを確かめるように一度深呼吸をした。


 「じゃあ今日は、相談タイムの『一緒に書く日』、出番かもな」


 ◇


 珈琲とカフェオレをテーブルに並べると、学生たちは揃って「ありがとうございます」と頭を下げた。その丁寧さが、どこかぎこちない。


 しばらくは、カップの縁に視線を落としたまま、誰も口を開かなかった。


 その沈黙を破ったのは、真ん中に座っていた女子学生だった。


 「……やっぱり、今日の分だけでも、どこかに書いた方がいいと思う」


 その一言に、他の三人も小さく頷く。


 「『今日の分』?」


 椅子の影で聞き耳を立てていた靖治は、思わず耳をそばだてた。


 「今日の面接で、何しゃべったかとかさ。ここで一回整理しないと、どんどんごちゃごちゃになりそうで」


 「それなあ」


 ネクタイの結び目をゆるめながら、隣の男子学生が苦笑する。


 「同じこと、何回も言ってる気がするし。『協調性があります』って、自分で言いすぎて、だんだん意味分かんなくなってきた」


 「でもさ、『今日の面接どうだった?』って聞かれると、『まあ、普通』としか言えないし」


 「それを何とかするための『相談タイム』に来たってこと?」


 「半分は、そう。半分は、単純に休憩したかった」


 テーブルに、かすかな笑い声が落ちる。


 靖治は、カウンターからそっと近づいた。


 「失礼します。さっきの札を見て入ってきてくださったんでしょうか」


 「はい。『一緒に書く日』って書いてあったので」


 女子学生が、少し恥ずかしそうに笑う。


 「でも、どこまで相談していいのか分からなくて」


 「就活のことなら、ここでいくらでも愚痴って大丈夫ですよ」


 思わず本音が出る。


 「……あの、店員さんもですか?」


 「僕も、です」


 靖治はエプロンの裾をつまんで、ぺこりと頭を下げた。


 「大学三年で、そろそろエントリーシートを書かなきゃいけないはずの人間です」


 「同じ年……?」


 「たぶん、学年近いと思います」


 その一言で、一気に距離が縮まった。


 「じゃあ、こうしませんか」


 靖治は、カウンターから小さなカードとペンを持ってきた。名刺より少しだけ大きい、紙月堂オリジナルのメッセージカードだ。


 「さっき、『今日の分を書きたい』って言ってましたよね」


 「はい」


 「一人ずつ、『今日の面接で話せたこと』と『話せなかったこと』を分けて書いてみませんか」


 カードを二枚ずつ配りながら言う。


 「話せたことは、面接官にちゃんと届いたもの。話せなかったことは、頭の中で詰まったままのもの。それを一回、テーブルの上に出してみる感じで」


 「話せなかったことまで、書くんですか」


 最初にカードを手に取った男子学生が、戸惑いを隠さない。


 「もちろん、全部書く必要はないですよ。『書いてもいいかな』と思えるところだけで」


 靖治は、自分用のカードも二枚取り出した。


 「僕も、一緒にやります。まだ面接は受けてないですけど、『エントリーシートに書けそうなこと』と『書けなさそうなこと』で」


 「店員さんも一緒なら……」


 学生たちは顔を見合わせてから、それぞれペンを握った。


 ◇


 しばしの間、紙の上をペン先が走る音だけが、テーブルの周りを満たした。


 『研究でがんばったこと』
 『アルバイトで後輩に教えたこと』
 『サークルの活動』


 「話せたこと」のカードには、今日まで何度も言葉にしてきた内容が並ぶ。


 『本当は不安だったこと』
 『落ちた時の気持ち』
 『親に言えないこと』


 「話せなかったこと」のカードには、面接の場では喉の手前に引っかかっていたものが、少しずつ文字になっていく。


 「……書いてみると、案外ありますね」


 女子学生の一人が、ペンを置いて小さくつぶやいた。


 「『話せなかったこと』、一個もないと思ってたのに」


 「俺、むしろ、『話せなかったこと』の方が多いんだけど」


 男子学生が、自分のカードの枚数を見て苦笑する。


 「『志望動機がちゃんと書けない』とか、『本当はここじゃないかもしれない』とか」


 その言葉に、テーブルの空気が少し重くなりかけたところで、靖治が手を叩いた。


 「じゃあ、並べましょうか」


 テーブルの上を少し片づけて、真ん中にスペースを作る。


 「『話せたこと』のカードを、こっち側に一列に。『話せなかったこと』を、その下に」


 全員のカードが並ぶと、白い紙の帯が二段できた。


 上の列は、どこか整って見える。履歴書や説明会で聞き慣れた言葉が多いからだ。


 下の列は、字の大きさもバラバラで、書き方も揃っていない。けれど、そのぶんだけ、生々しさがあった。


 「こうして見ると、『話せなかったこと』の方が、その人の顔が浮かびますね」


 いつの間にか近くに来ていた紗菜が、カードをじっと見つめながら言った。


 「『落ちた時の気持ち』とか、『親に言えないこと』とか」


 「面接でそんなこと言ったら、落ちますよね」


 女子学生が、冗談まじりに言う。


 「さあ、どうでしょう」


 紗菜は、ふんわりと笑う。


 「言い方と、言う場所の問題かもしれません」


 「場所の問題?」


 「例えば、『今日の面接で話せたこと』は、会社に向けた言葉ですよね」


 上の列を指さす。


 「『話せなかったこと』は、もしかしたら、自分に向けた言葉かもしれない」


 下の列に視線を落とす。


 「『本当は不安だった』って書いた人は、自分の不安をやっと認めたところだし、『本当はここじゃないかもしれない』って書いた人は、自分の違和感をちゃんと見つけているところ」


 「……面接で言えないやつほど、大事ってことですか」


 「大事じゃないとは、言えないですね」


 紗菜は、カードの一枚に指先をそっと乗せた。


 「だから、この下の列は、『今すぐ会社に届けなくていいけれど、捨てたくない言葉』として、しばらく持っていてほしいなと思います」


 「持っておく……」


 学生たちは、自分のカードを見つめ直した。


 「じゃあ、どうやって持っておけばいいですか」


 男子学生の一人が、真剣な顔で尋ねる。


 「ちゃんとノートに書き写すとか?」


 「それも一つの方法ですけど」


 靖治が、ポケットから小さな封筒を取り出した。


 「こういうのに入れておくのも、おすすめです」


 紙月堂で売っている、無地の小さな封筒だ。表には、鉛筆で「今日話せなかったこと」とだけ書かれている。


 「今日のカードを、そのまま封筒に入れてください」


 四人分の封筒を配っていく。


 「で、表に日付を書いておく。『この日、自分はこういうことを話せなかった』って」


 「開けるのは、いつですか」


 「それぞれ決めてもらっていいですけど……」


 靖治は、少しだけ考えてから言った。


 「次に『落ちた』って連絡が来たときとか、次の面接の前の夜とか。落ち込んだり、焦ったりしたときに、一回だけ開けてみる」


 学生たちは、封筒を指先で確かめるようにもてあそんだ。


 「開けたときに、『あ、前の自分、こういうこと言えなかったんだ』って思えたら、その中から一枚だけ、次の面接で言ってみる」


 「一枚だけ?」


 「全部は無理ですし」


 靖治は、苦笑しながら自分のカードにも視線を落とした。


 「僕も、『エントリーシートに書けないこと』、けっこうありますけど、たぶん一度に全部は抱えられないので」


 「一枚なら、なんとか」


 「一枚なら、なんとか」


 学生たちの声が、少しだけ重なる。


 「じゃあ、『話せなかったこと』のカードを封筒に入れる前に、一枚だけ選んでください」


 袖口から時計をちらりと見る。


 「その一枚には、今日の日付の下に、『次はこれを一行だけ足す』って書いておきましょう」


 テーブルに再び沈黙が落ちた。


 迷いながら、考えながら、カードを選ぶ手。


 『本当は不安だったこと』
 『親に言えないこと』
 『別の道も考えていること』


 一枚ずつが封筒から出されたまま残り、他のカードは中に収められていく。


 「選ぶと、ちょっと怖いですね」


 女子学生が、封筒の口を閉めながらつぶやく。


 「『次で言う』って、自分に約束する感じがするから」


 「怖いけど、そのぶんだけ、自分の側に引き寄せられると思います」


 紗菜が、そっと言葉を添えた。


 「『会社に選ばれる自分』じゃなくて、『自分が選びたい働き方』に近づくための約束、というか」


 「……そんなかっこいいこと、面接で言えたらいいんですけどね」


 男子学生の一人がぼやくと、テーブルに笑いが戻ってきた。


 「そこは、少しずつで」


 靖治は、自分の封筒を指でたたいた。


 「僕も、ここに書いたこと、全部はいっぺんに紙に出せないと思うので」


 「店員さんも、何か書いたんですか」


 学生の一人が、興味津々で尋ねる。


 「『本当は就活が怖い』ってやつと、『バイトのシフトを減らしたくない』ってやつと、『でもいつか紙月堂みたいな場所を自分でも作れたらいいな』ってやつです」


 「最後の、すごい」


 「でも、まだ面接で言うには早い気がするので、しばらく封筒で寝かせておきます」


 自分で言いながら、少し照れくさそうに笑った。


 ◇


 カップの底が見え始めるころには、学生たちの表情も、店に入ってきたときより柔らかくなっていた。


 「何か、ちゃんと疲れた気がする」


 イスから立ち上がりながら、女子学生が言う。


 「『何となく不安』ってぐるぐる考えていたのが、『今日はこれを話せなかった』ってところまで、やっと降りてきた感じ」


 「僕も、『落ちた=全部ダメ』って思ってたけど」


 男子学生の一人が、封筒をバッグにしまいながら続ける。


 「『この一枚は、まだ出してない』って思えると、次の面接が、少しだけ違って見えそうです」


 「よかった」


 靖治は、ほっと息を吐いた。


 「また、面接帰りに寄ってください」


 「そのときは、封筒、開けてきてもいいですか」


 「もちろん」


 ガラス戸の前で、学生たちは一度振り返った。


 「ここ、『今日のここまで』だけじゃなくて、『今日話せなかったところまで』も置いていける感じがしました」


 誰かがぽつりと言う。


 「うれしいこと言ってくれるなあ」


 いつの間にかカウンターから出てきていた悠之介が、小さく笑った。


 「じゃあ、そのぶんだけ、珈琲の味もちゃんと覚えておいてください」


 「はい。また来ます」


 ガラス戸が閉まると、リクルートスーツの背中が四つ、アーケードの光の中に溶けていった。


 ◇


 「就活って、大変なんですね」


 学生たちの姿が見えなくなったあと、靖治は、さっきまで彼らが座っていた椅子を拭きながらつぶやいた。


 「大変だろうな」


 悠之介が、レジ横の「今日のここまでメモ」を開く。


 「でも、今日みたいに、『話せなかったこと』を一回カードに出せただけでも、だいぶ違うと思う」


 「僕も、封筒の中身、ちゃんと覚悟しておかないと」


 「無理に開ける必要はないけどな」


 悠之介は、ノートの端にペンを走らせた。


 『今日の相談タイム
 就活生四人。話せたことと話せなかったことのカードを並べた。封筒に入れた言葉は、まだ続きの途中。』


 「『まだ続きの途中』?」


 肩越しに覗き込んだ靖治が、首をかしげる。


 「面接で言えなかったからって、その言葉が終わりってわけじゃないだろ」


 悠之介は、ゆっくりと言った。


 「今日話せなかったことは、明日話せるかもしれないし、三年後に別の場所で話すのかもしれない」


 「三年後……」


 「紙月堂が続いていれば、そのときも、どこかで誰かの『話せなかったこと』カードが増えてるかもな」


 その想像に、靖治はふっと笑った。


 「じゃあ、そのときに恥ずかしくないように、今の封筒はちゃんと取っておきます」


 「うん。取っておけ」


 窓の外では、春先の光が少し傾き始めている。


 テーブルの上には、使い終わったカードが数枚残っていた。


 そのうちの一枚に、紗菜は小さく文字を書き足した。


 『今日話せなかったことは、まだ終わっていない。』


 それを「今日のここまでメモ」のページにそっと貼りつける。


 誰かの午後と、誰かのこれからが、静かに重なった一日だった。
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